見出し画像

ひとが話しているのに上からかぶせてしゃべりだす欧米人

欧米人と会議をしたことのある人なら一度や二度は経験があると思います。

ひとが話しているのに、しゃべり終わる前に上からかぶせてしゃべりだす欧米人。

これって、マジにイラつきますよね。
「最後まで聞いてくれよー」って。

彼らの会話の応答タイミングは、われわれ日本人とは異なるんですよね。
こんなかんじ。

会話のタイミング

このちょっとしたタイミングの違いを、けっこうストレスに感じてしまうのです。

会議の場で誰かが発言しているときには、ちゃんと最後まで聞くことが相手に対する礼儀だと日本人は心得ています。

誰かがしゃべり終わったとき、他の人たちはしゃべり始めずに相手が言い終えたかどうか、ほんの一瞬間を空けて確認しますよね。日本人はそこまで相手に対して心配りをする。

また日本人は会議中に興奮して言い争いをすることは大人げないことだと思っています。相手の話を最後まで聞くことは、熱くならずに冷静に議論を進めているんだぞという証しにもなっています。

ところがこの日本の常識は欧米では通じないのです。

欧米人には、「Silence is negative」や「Silenceは時間の浪費」という感覚があります。会話の途中にSilenceが発生するのを嫌います。たとえ0.5秒でも1秒でも誰もしゃべっていない時間帯が存在すると落ち着かないのです。必然的に、相手のしゃべりにかぶせてしゃべることになるわけです。

例えるとすると、日本人の会話はキャッチボール欧米人の会話は卓球のラリーのようなかんじです。キャッチボールは球を受け取った後、投げる態勢を作ってから投げますが、卓球は、来た球を間髪入れずに打ち返します。

さらに困ったことに、彼らのコミュニケーションには「3秒ルール」という暗黙の了解が存在します。
何かしら質問をされたり、意見を求められたりしたときに、彼らとしては3秒(ぐらい)以内に答えが返ってくることを期待しているのです。

例えばこんな感じ。会社の同僚であるマイクと私(Dino)との会話。

マイク:Dino, 来年の販売についてどういう見通しを持っていますか?
Dino   :そうだな~、ちょっと待ってよ。えーっと、つまり、・・・・・。

これでは3秒以内に自分の意見が述べられていないわけで、まったく彼らの期待に応えていません。

そして「3秒以内に意見が述べられないヤツは、能力がない」とまで連想するわけです。
(オレはこんな能無しの日本人と一緒に仕事しなけりゃならないのか、みたいに)

欧米人にとって3秒以内の答えは、その時点での考えでかまわないのです。深く考えた末の発言でなくてもかまわないのです。のちのち意見が変わったり、修正したりしても気にしません。大事なのは聞かれたらすぐに答えることなのです。

しかし、日本人はその場限りの答えではなく、よく考えたうえで意見を述べたい。自分の意見が首尾一貫していることが大事で、のちのち修正もしたくない。
アタマのなかで意見をまとめるのに時間がかかってしまいます。

これが彼らにとっては何ともじれったい。

つまり、お互いにストレスを感じることになる。

このストレスを抱え続けていると、お互い議論するのが次第におっくうになり、日本人を交えた会議を避けるようになってしまうことすらあります。

こういう事態に避けるためには、われわれ日本人の考えを伝えましょう。
3秒以内に答えることよりも、よく考えたうえで首尾一貫した意見を述べることを大事にしていることを。
(もちろん、3秒以内に首尾一貫してのちのち修正の必要のない意見をアタマの中でまとめて述べることができる日本人もなかにはいるとは思いますが)

*******************************************************************************

文化や習慣の違いによるストレスを解消、あるいは減らすには、相手の発言や行動など水面上に現れた事実に対して反応せずなぜそういう発言や行動をとるのか、その水面下にある常識や価値観の違いを理解しようとすることが大事です。

画像2

その違いをお互いが知って共有できれば、ストレスはぐっと減ることになるでしょう。

お互いに何をストレスと感じているのかを伝えあうことです。
伝えれば、わかりあえるきっかけになります。

あなたと一緒に仕事をしている彼らは、日本人の常識、価値観などについて知らないことばかりです。知らなくてよいとは思っていません。日本人をもっともっと知りたいのです。とても興味を持っています。

話してあげましょう。伝えてあげましょう。われわれのことを。
われわれが何を考えているか。何を大事にしているか。何が不愉快なのか。彼らはきっと受け止めてくれます。そして違いを理解し、そのギャップを埋めようと努力してくれます。

なぜなら、仕事上の高い成果をあげるためには、日本人を理解したうえで協働することが必須だと考えているからです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?