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金融機関から3x3チームへ 〜夢への挑戦〜【本番編】

こんにちは、TOKYO DIMEの八木亜樹です。
前回の続きであるオリンピック本番編を本日は書いていきたいと思います。
前編はこちらから。

1.オリンピック本番まで

東京オリンピック3x3が始まる3日前2021年7月21日に都内某ホテルにてバブル生活がスタート。
1日目は各自仕事を終えたらホテルへ向かいチェックインをして過ごし、2日目はオリンピック会場に入るための準備や手続きを行いました。
まず会場にはアクレディカード(下記写真のカード)がないと入場することが出来ないため、そのカードの発行を行いました。
ここで1つ問題があり事前にオリンピックボランティアとして登録していたのが旧姓の名前でTOメンバーでは現在の名前を申請していたのですが上手くカードが発行出来ないという事件が発生。その後とても豪華な部屋に誘導されオリンピックファミリーの部屋で無事にアクレディカードを発行が出来ました。

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その後、別会場に移動してユニフォームの採寸を行うところからスタート。
採寸後は自分のサイズにあったスーツとポロシャツなどをその場で支給頂きました。
午後からはいざオリンピック会場へ!
会場内はたくさんの警備の方がいらっしゃり、アクレディカードの種類によって入れるエリアと入れないエリアなどがありました。
まずは会場を見学。会場内は3x3の会場ではみたことがない観覧席の数に驚きました。
一番上まで行くととても高く、仮設でここまで高く作れることに感動しつつもビビリな私は少し不安になる程の高さでした。
写真は会場の一番上から取った写真です。

写真で見てもテンション上がりませんか?
またいつか日本でこの規模の3x3が開催されたらいいなと思います。
会場見学後はFIBAメンバーと審判、TOメンバーでミーティングなどが開催されてその日は終了。
3日目は午前中は機材チェックなどが行われるため試合会場へ。
そして昼食の時間。唯一、海外チームと交流出来る場所でもあったのが昼食の時間とバスの移動時間でした。
私はこの日の昼食の時間置いてあったケーキに大興奮。
「I like cheese cake!!」と興奮して美味しそうな顔を見せ海外メンバーの笑いを取りました。
その後そのチーズケーキを置いて私が「Don't touch cheese cake!!」と言いながら離席したら私のチーズケーキを見事に隠してくれていました。笑
こうしてチーズケーキをきっかけに海外チームと距離を縮めることが出来た3日目でした。

2.本番当日


4日目はついに。。。夢の舞台へ!
Statsチームは3チームに分かれており、日本チームから2チームとスロベニアから1チームの合計3チーム(1チーム3人構成)で試合のシフトを回していきました。
私たちのチームは1日目の第2セッションのPM2時の試合、オープニングの4試合は会場にて観戦していました。
第1セッションが終わり1時間30分の休憩があり昼食タイムでリラックスモードで迎え、いよいよ本番!
私たちのチームは女子のロシアvs中国の試合から4試合連続のStatsでした。
担当の4試合が終了しこの日のシフトは終了!
緊張すると思っていましたがリラックス状態で望むことが出来ました。
ただ試合を楽しむ余裕はなく、試合の事象を漏らさないようにずっとコールすることで夢中になっていました。

そして本番2日目は午後からのシフトで日本戦が2試合を含む4試合のStatsを担当いたしました。
この日は男女ともに日本チームは強豪国に勝利をし大金星をあげました。
正直Statsを行っている際は集中しているので勝ったことの実感はあまりなく、自分の役目を終えてホッとしてから、やっと日本が勝ったんだと実感しました。
本番3日目にはスピードや口も慣れてきて試合後のレビューでは毎回スローで怪しい部分の映像を確認しブロックショットだったのか、リバンドだったのかを見直すのですがその日はパーフェクトが出るようになりました。

※なぜスローで確認するのかというと、スタッツには細かいルールはもちろん選手が何をしたかったのかを瞬時に判断しなければいけません。
例えばブロックショットでも肩より上でブロックしているか、リバンドティップは意図的に味方にパスをしたのかなどでStatsが変わってくるので必ず後からレビューして貰います。

3.予選ラウンド終盤へ

3日目の午前が終えて予選ラウンドも残り数試合。
この日は午後チームが合流し、お昼休みに全NTOメンバーで集合写真を撮ることになりました。
みんなで選手が試合しているコートに入ってオリンピック仕様のボールにも触れて大興奮でした。

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そして本番3日目の帰り道のバスの中でのこと、このまま交流もなく終わるのは勿体無いなと思い、英語は得意ではないのですがあることを思いつきました。
私は歌うことが大好きでその日のバスの中で日本の簡単な曲を歌っていたら喜んでくれて、何か英語の曲を歌えないかなと考えて自分の知っている曲Backstreet Boysの「I want it that way」を歌ってみるとみんな一緒に歌ってくれてバスの中は大盛り上がり!!
海外チームはみんな暖かく、陽気で英語が苦手な私にも簡単な英語で話してくれて笑ってくれたり、そして笑わせてくれました。
前編でもお話した言葉の壁。
正直仲良くなる自信がなかった出発前、思い切って行動してみて良かったと実感しました。
みんなの優しさで楽しい時間を過ごすことが出来ました。

本番4日目。
この日は午後から決勝トーナメントがスタートし、予選とはまた違った空気が会場に漂っていました。
予選とは違う空気感の中、手に汗握る大接戦の試合が多く私たちも緊張感を保ちながらその日を終えました。
そんな帰りのバスはみんなお疲れの様子で4日目を終えました。

5.ラストミーティング

そして迎えた最終日。
Stats責任者であるAndrejからミーティングがあるので集合時間の1時間前にロビーに来て欲しいと連絡がありました。
ロビーに向かうと日本チームのみでAndrejから今日は「最も重要な日だ」と告げられました。
その後Andrejからここまで日本のチームが一生懸命、研修をしてここまでやってくれたこと感謝しています。と感謝の気持ちとAndrejからプレゼントを頂きました。
この時本当に最後なんだと実感し、凄く寂しい気持ちで胸がいっぱいになりチーム全員が涙を堪えならがら会場行きのバスに乗り込みました。

ホテルから会場に向かうバスも最後となり最終日本番、最初の2試合が担当となりました。
いつもと同じように準備をし、ヘッドセットをつけコートを見た時にいつも以上の緊張感が走りました。
平常心に戻すために深呼吸をし試合に挑みました。
悔いの残らないように1つ1つ確認し、コールをし続けあっと言う間に2試合が終わりました。
終わった瞬間、やり切った感とパーフェクトだったよ!と言ってもらえて涙を堪えきるのに必死でした。(堪えきれず泣いてましたが。。。笑)
Statsはチームの連携プレーが必要で本当にチームのみんなに感謝しかありません。長い期間(約2年半)の研修と毎週毎週出てくる宿題が多く夜な夜な宿題をこなし、FIBA3x3のマニュアル(英文)も何度も見直し、みんなで助け合い、乗り越えました。
ここまでこれたのは最高のメンバーがいたからです!

そして全てのセッションが終わり最後はミーティングルームでFIBAのNicolasとJovanaからお礼の言葉とプレゼントを頂きました。

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これで全てのセッションが終了。
私の2020東京オリンピックは幕を閉じました。

6.最後に

3x3初開催のオリンピック、この素晴らしい空間にいられたこと凄く感謝しています。
ここに立てたのはたくさんの人の助けや応援があったからです。
研修し続けてきた仲間やFIBAチームやAndrej、練習環境を作って下さった日本バスケットボール協会、IOCの皆様、そして一番身近に応援してくれた旦那に感謝です。
そして私は何よりオーナー岡田さんにTOKYO DIMEに誘って頂き、こうして夢を追いかけることが出来たこと感謝しています。
東京で3x3のオリンピックが初めて開催されこの貴重な現場に立てたこの感謝の気持ちをしっかり次に繋げていきたいと思いました。
オリンピックが終わりではなくあくまでスタートで、これを機にもっと3x3を知ってもらい盛り上げていきたいと思います。

私の次なる目標は
「渋谷で世界大会を開催したい!!」

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前編、後編に渡りご覧いただきましてありがとうございました。

7.担当したStats
女子
ロシアオリンピック協会vs中国
ルーマニアvs日本
ルーマニアvsアメリカ
日本vsフランス
日本vs中国
モンゴルvsルーマニア
アメリカvs日本
中国vsモンゴル
アメリカvsフランス

男子
ロシアオリンピック協会vs中国
セルビアvsドイツ
ロシアオリンピック協会vsポーランド
日本vsドイツ
ベルギーvs中国
セルビアvs日本
ベルギーvsポーランド
中国vs日本
セルビアvsロシア
※クリックして頂くとStatsが入れるようになっています。


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