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『その本は』

その本は、ワイドショーでいつも怒っていた。

ある時はゴミ屋敷の住人に、ある時は政治家に、ある時は不倫をしたタレントに。
身振り手振りを交えて、バサバサ、バサバサと、毎日怒っていた。その勢いではページが破れてカメラの方へ飛んでくるんじゃないかと、視聴者が心配するほどだった。

ある日、その本自身のスキャンダルが暴露された。ネットには多くの苦言や批判が書き込まれ、大きな話題となった。

その本はその大炎上に耐えきれず、真っ黒い炭になった。

(おしまい)

さて。
又吉直樹さん・ヨシタケシンスケさんの『その本は』を今、ゆっくり読んでいます☺️
とても面白いです。

↑冒頭のやつは僕が考えたものなんですけど、こういう「その本は……」がたくさん書かれている本です☺️
(冒頭のに似たやつも、もしかしたらこれから先で出てくるかも?💦)

着眼点が面白いですよね🤔
僕がこの本を買おうと思ったのは「これは電子書籍じゃなくて紙の本で持っておきたいな」と思ったからです。

もしかしたら、そこを狙って企画したんじゃないかなー☺️
僕はまんまとそれに引っかかり……もとい、その企画意図に賛同してお金を出したわけです。

本ってよく「高い」と言われますけど……得られる満足感と比較して高いと思ったことあります?🤔❓

僕は一回もないです。
これも、そんな本だと思います。

又吉さんの作風とヨシタケシンスケさんの作風が相まって、とてもチャーミングな本になってると思います。
ゆっくり、ゆっくり楽しみたいと思います☺️

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