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専門家個人+会社組織人という二刀流の働き方

2018年の夏頃から「リサーチの仕事の魅力やノウハウをたとえ個人でも伝えていきたい」という想いから、著述・講演の活動を初めてもうすぐ3年を迎えます。私には他の著述・講演活動をしているビジネスリーダーの方たちと大きく違うことひとつがあります。

それは、特に勤め先に関わらず、専門家個人としての私に執筆・講演の依頼をいただいていることです。ありがたいことに2020年の年末~2021年の年始にかけては、書籍出版・ウェビナー出演・寄稿などたくさんのかけがえのないご縁をいただくことができました。

特に書籍・寄稿の執筆に至ってはかなり異例で、最近は専門家個人の働き方についても相談や取材をいただくことが増えました。やはり通常、ビジネス分野ではブランド力のある勤め先での役職・肩書と共にこうした活動が成り立つケースが圧倒的に多いからです。

正直に言えば、会社のブランドに頼っていない分とても苦戦はしています。リサーチの普及に努めたい!とは言っても所詮は個人であり、コンサル・広告代理店・シンクタンク・調査会社などで相応の役職にある立場の方と比較すると霞のような存在ではあります。

ただ、「日本一のネット通販企業を目指している」「菅原さんの力が必要だから一緒にやろう」と当時の社長に誘われて入った会社のことは大好きで、時に事業部門長を務めたり、時にリサーチ不要論と対峙したりしながら、両立させるべく腐心して今に至ります。

noteの過去記事を読んでくれた方からも、「会社の名刺も個人の名刺もあまり強くないけど、私も専門家個人として情報発信ができたらいいなと思っているんです!」と感想をもらうことがあり、私のケースが何かの役に立てばと思い、この記事を書いてみます。

なお私の働き方モデルは会社員の給与収入をベースにしているので、今の流行とは違うかもしれません。副業で稼ぎたい人は副業に集中した方がよっぽど稼ぐことができ、経済的な自立による早期退職で早く会社員生活を切り上げたい人とも志向性が異なります。

でも、「地味な存在でいいから自分の職業を究めたい」「できるだけ長い期間多くのこと学び続けたい」、そういう人にはとても向いています。すぐに稼げずすぐに完結しない歩みだからこそ、長寿化する人生を長く楽しむことができる方法だと思っています。

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▼ 二刀流の働き方のメリット

①広い関心を満たせる

私は活動の当初から肩書にあたる職名を「リサーチャー」と名付けてきました。これに対しては、「○○リサーチャーとしないのですか?」とよく聞かれます。たしかに本を出す人の中には通りの良い職名やオリジナルの職名を冠するケースが多くあります。

実はここはあえて限定していません。日本のビジネスシーンで「リサーチ」と言うとアンケートやビッグデータ分析のイメージが強くありますが、世界にはいろいろなリサーチ手法があり、私はあらゆるリサーチ手法を全部試してその魅力を伝えたいのです。

もともとひとつの会社ですべての経験を得るのは無理です。一般的には転職が経験の幅を広げる手段になりますが、分野・商材が好き、同僚・地域が好き、という会社愛が強い場合は、転職ですべての環境を変更するのではなく、調整し続ける道もあります。

私は給与収入を元手に取材費・研究費に投じて、専門家個人の活動で関心幅を広げています。生活と活動のために本業を全力でやります。そうして自らの勉強や研究で試したこと・得たものを会社で生じる新しい課題へ迅速に対応する力に還元しています。

②能力を可視化できる

専門家個人としての著述・講演活動は、専門分野についての能力を可視化することができます。デザイナーがアートワークをプロフィール代わりに提示するポートフォリオ(過去実績集)のように、これまでに何を学び、何に強いのかを示すことができます。

私の場合、リサーチャーのベーシックスキルである「調査手法・質問技法」や「レポートの書き方」について披露していることが多く、方法論や経験値を抽象化して、同じ職種の人はもちろん、広く一般の人にリサーチを知ってもらう情報を発信しています。

確かに会社の成功事例をそのまま紹介できると説得力は上がりますが、仮にその会社のスケールがセットになっていないと成り立たない話は、一般の人には役立ちません。自分がモノにしている知識・経験・研究にこそ自分の能力価値が宿っているのです。

これは転職活動時にもある程度役立ちます。転職の面接では瞬時に自分の実績と工夫を語れる必要があり、プレゼンスキルは優秀な人材の要件のひとつです。でも口先が器用ではない私にとって、あらかじめ能力を示す場所があることは安心できる材料です。

③評価が多角的になる

会社の評価は良くも悪くもその環境下における評価であり、組織人である自分に対する評価です。必ずしも自分の関心分野や専門分野に関わらず、ミッションにコミットする必要があります。私も本業では調査活動はあくまで戦略立案のための手段でしかありません。

しかし、細分化された分野や技能では、比較対象となる同僚がいなかったり、上司が指導できる知識・経験を持っていない場合もあります。こういうケースでは不幸にも会社の評価体系に則って仕事をしていても、自身の「成長」にはつながらないものです。

私の場合、個人活動で、デスクリサーチ→経営企画、調査リリース→広報というように、それぞれのスキルを必要とするコミュニティから依頼を受けて講習を行うことがあります。仮にふだんの仕事では使う機会が限定的なスキルも腐らせずに維持できます。

もちろん評価が多角的であることは、自分に不足している知識や経験とたびたび向き合うことでもあります。そのようにして、たとえば海外調査や観察調査などのスキルアップは自分で行い、会社で必要になった時に知見を還元していけるようにしています。

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▼ 今の仕事の限界点を知ろう

専門家個人の働き方を始めるのに先立ち、まずは今の仕事の限界点を把握します。「不満」とまではいかなくても「我慢」していることはあるはずです。それを書き出してみましょう。たとえば以下のような成長・評価・仲間に関する悩みが上がってきます。

①成長の悩み
・職務のノウハウ・マニュアルが無い
・教育システム・研修支援制度が無い
・新しい方法・領域を試す機会がない
②評価の悩み
・担当領域の技術・努力が伝わらない
・キャリアパスが頭打ちになっている
・自己研鑽するも加点要素にならない
③仲間の悩み
・専門職能を教えてくれる上司・先輩がいない
・同じ境遇で鼓舞し合える同僚・同期がいない

上記のような悩みは文字通り限界点であり、解決策の多くは他力本願です。会社の制度・体制・文化を変えることにリソースを割くのは骨が折れます。これに対して、自分でチャレンジできる領域を持っておくのが、まさに専門家個人の活動趣旨になります。

専門家個人の活動環境を整えるのは大変ですが、環境が整えば活動は回り出します。書籍や寄稿は私にとっても未だにハードルが高いのですが、noteであれば誰でもすぐに始められるので、以下では私がずっと取り組んできた「noteの活用法」を紹介します。

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▼ note活用法:①日常を自分の視点で語る

noteをはじめた頃の私は、リサーチのナレッジ・ノウハウをストレートに書いていました。が、しかし、もともとリサーチ職の人はSNSやWEBのネットワーク上にあまり多くはいないこともあり、そもそも会社の人が読んでくれる活動でも無いので反響は無でした。

そこで心がけるようになったのが、「日常を自分の視点で語る」ことです。noteにはビジネス以外の趣味・実用で幅広いユーザーがいるので、そうした人たちも含め、「皆と同じ体験をしているけれど皆とは違うように見えていること」を書くようにしています。

2021年の1月に最も読まれた記事の1つに入った「デニーズに入ったらお客様アンケートが最高だった話」という記事があります。この記事はタイトルの通り、誰もが日常で接する機会のあるお店のアンケートを取り上げた内容ですが、300スキの反響があります。

実は(飲食店の)アンケートをウォッチするのは専門家個人を志す最初に始めた活動で、話の題材としては一般的な範囲です。しかし地道にこれを続ける人は意外と少ないので、こうした反響をもらうことができました。(私の場合、雑誌のウォッチもそう)

もちろん専門的なことを専門的に伝える高尚なスタイルを貫くのもありだとは思います。ただそれだと会社で同じ組織や職種の人に専門分野を教えるのとあまり変わりはなく、noteのプラットフォーム特性を最大限活用する効果は得られないかもしれません。

書籍や寄稿の執筆では、その道の初心者向けに書くこと、でも専門性を伴っていること、そうした条件がよく付くので、noteを書いていると書く力を磨く訓練になります。(noteはテーマや分量の自由度が高いので、自分らしさを保てるメリットも大きいです)

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▼ note活用法:②タイアップ記事を書く

「菅原さんはnoteを定期的に書いていますね」とよく言われますが、実際の更新は不定期であり、更新頻度も高い方ではありません。これは、記事を作成するからには書き込んでおきたい性格と、仕事が忙しい時期に無理をしたくないという事情によります。

ただ、規則性はあります。それは、自分の活動のお知らせと絡めてnoteを公開するサイクルです。典型的なのはイベントや寄稿記事の公開に合わせる方法で、テーマとつながりのある記事を、ネタバレせず重複もしない粒度の設定で毎回書き下ろしています。

noteクリエイターと話をしていると、初期は初期で、経験を積んでもそれはそれで「続けること」の難しさが話題に上がります。でもこの方法なら不定期ながらも各種活動の解禁日までに記事を書き切る意識が高まり、非常にメリハリのある運用ができます。

私はこの方法を「タイアップ記事を書く」と呼んでいて、文字通り何かのタイアップ契約があるわけではないのですが、個人活動主体で更新のペースを保つのに役立てています。そしてタイアップ記事のメリットは更新のペースを整えるだけに留まりません。

主催者や編集者との打合せに向けてタイアップ記事の下書きを共有すれば、自分の考えていることをあらかじめ知らせることができますし、集客や認知のネタとして解禁時・中間・追い込みそれぞれの時点の告知活動を自力でも盛り上げることもできます。

こうして自分も汗をかいてイベントの集客やメディアの認知に貢献しつつ、noteの熱量を保っていきます。個人の発信力は基本的に非力ではありますが、目に見える努力を行っていると、取材や出演を依頼してくれた相手にも誠意が伝わるように思います。

もちろん、初期には誰かや何かとのコラボレーションは難しく、自分のバリューを自力で出すことが求めらます。その場合は、ライフイベント(誕生日・卒業・転職・出産などの節目)を利用して書いていけば、実質的に同じような効果を得られやすいです。

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▼ note活用法:③イベントを共催する

noteを書き続けていると、Twitterで記事をシェアしてくれる人が出てきたり、あるいは逆に自分が誰かの記事を薦めることもあります。こうした関心ベースでのつながりをもとに、noteクリエーターと一緒にLT(ショートスピーチ)イベントを開催します。

外部イベントのゲストスピーカーに呼ばれる機会は限られますし、単独のイベントだと「1時間も話せない、専門分野が限定的、人が集まるか不安」などのハードルがあります。仲間とのLTであれば企画・運営・集客それぞれを相互に補完し合うことができます。

補完関係を成り立たせるためには、ゲスト間でのイベントに対する熱量が同じであることが前提になり、自主開催の場合にはここがとても難しいのですが、noteクリエイターとは関心ベースでつながっているので、あらかじめ互いの熱量を確認しやすいです。

私は1月に、「書く・聴く・知る」をテーマにした「noteクリエイター座談会」というイベントを開催しました。ゲストの佐藤さん・高林さんはいずれもヒット記事をお持ちでありつつ、互いの記事を読んだりおすすめ記事を紹介し合ってきた縁がありました。

このチームが面白いのは、3人の本業での職種はそれぞれに異なるのですが、「ライティング」や「インタビュー」のスキルを必要とするところは共通だったのです。イベントはこのように主催者・対象者に合わせてテーマの引き出しを増やす機会になります。

またイベントでは、質疑応答の時間を通じて多様性を養えるメリットもあります。本業上はほとんど関係のない質問であっても、専門性を深めるには対応できた方が良いトピックスがわかったりします。(私だと支援会社の場合、BtoBの場合をよく聞かれます)

質疑応答はとても対応が難しい時間で、私も毎回反省して終わるのですが、ゲストや主催者とその場で深めていく方法もありますし、総合的に通用するノウハウや人材要件のための場数を踏めるので、専門家としての市場価値を上げていくには有効な時間です。

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▼ note活用法:④サークルとサポートを楽しむ

noteを初めて間もない方は、「自力で何かのムーブメントを起こすのは無理」という事情もあるでしょう。そこでおすすめしたい機能が「サークル」「サポート」です。どちらも一見発展的な使い方に見えますが、意外と初心者にこそ適した機能になっています。

「サークル」はコミュニティの機能です。各分野のインフルエンサーの方が主宰していることが多く、コミュニティに登録すると、オンラインでのミートアップ、コミュニティチャットへの参加、有料記事の閲覧といった特典が用意されていることが多いようです。

参加メリットはシンプルに、インフルエンサーさんやコミュニティ会員と交流できることのほかに、noteを書く際にも関係性が活きてきます。書くテーマについてのヒントを得たり、自分が書いた記事に手ごたえのある反響を得られることも大きなメリットです。

これは、いいねやシェアが起きやすくなるという話ではないので気をつける必要がありますが、極端な話、自分が注目している人、記事が届いて欲しい人、そうした人からの1いいねはとても嬉しいもので、自分が活動を続けている意義を感じやすくなります。

「サポート」は記事単位での投げ銭機能です。noteには無料記事でも素晴らしい知識や経験の記事があり、活動を応援する気持ちを伝えることができます。もらう側では、金額は100円~200円くらいのことが多く、スペシャルなイベントとして励みになります。

おすすめは、思い切った金額設定でサポートすることです。記事の評価にはよく「この記事には本一冊分の価値がある」という言葉が使われますが、私はそう感じたら本当に本一冊分のサポートをするようにしています。(もしくは自己紹介に沿った内容で)

受け取る相手にとっての嬉しさは金額よりもサポートがあったことそのものの体験ですが、自分で学びや感謝の御礼となる金額を決めて「えいやっ!」と決断できることは、専門家個人の活動を続けるうえで大切な投資感覚を育成・維持するのに役立ちます。

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▼ 長く活動を続けるための心がけ

ここまでのnote活用法をご覧いただいて、仮に講演や寄稿まで活動が発展せずとも、今の仕事の限界点として確認をした「成長・評価・仲間」に関する悩みは、かなり埋め合わせることができるのがわかると思います。

ほか、本業との両立、会社と良い関係性を保つための心がけを以下にまとめます。

①公開情報を積極活用する

自分と会社の事業のつながりを示す時には、公開情報を積極的に活用します。プレスリリース・ウェブCM動画・公式ツイートなど引用できる状態のものを発信素材として活用します。社員として当たり前のスタンスではありますが、まず公開情報を基本にします。

一方、クリエイティブ・実績・マニュアルなどは会社固有のものなので乱用しないようにします。個人活動では成功事例を代弁する取り組みは極力避け、自分の方法論・経験則を軸にした情報発信が望ましいです。(※もちろん個々人で役割や状況は異なるでしょう)

②日頃から情報提供を行う

私は自社の商売に関連するニュースは、日々社内のイントラネットに共有投稿しています。日頃から積極的に業界ニュースとその解釈を共有することで、「この会社に留まり続けることが情報収集において最善の選択である」と思ってもらえる状態を目指しています。

逆に、事業会社内で周囲が近寄りがたいアカデミックなオーラを発してしまうと、「社外で顔を売っているけど社内には何も残してくれない人」(実務とは無縁の人)という残念な印象が付きがちです。相手の役に立つ姿勢を示すことで活動への理解を得ていきます。

③活動状況を適宜共有する

個人活動の中でも、講演・寄稿などの主だったものは上司に共有しておきます。これは自分の社内プレゼンスを上げるためではなく、保有スキルや志向性を知らせておく効果があるからです。仕事のアサイン時に特技や関心を考慮してもらうきっかけになります。

また、ゆくゆく本業の中で個人活動で協業したメディアやサービスとの取引に関わる場合もあります。この時、都度活動状況を共有できていれば、上司も全体を把握した差配を振るうことができます。節目の面談などのタイミングを利用すると話しやすいでしょう。

④同僚や顧客に自慢しない

驚かれるかもしれませんが、私は本業で専門家個人としての活動を持ち出すことはほとんどありません。報告や共有が必要な場合は別として、同僚や取引先に存在を誇示する材料にはしていません。かといって活動は公開情報なので、もちろん隠してもいません。

これは「仕事は実務によって力を示すべき」というポリシーに基づきます。自分が鎧を着ると相手の反応も鎧を着た自分に対するものになってしまいます。有名になりたいという気持ちは私にもありますが、仕事で自分の露出が目的化しないよう注意しています。

⑤登壇は出演と言い換える

ゲストスピーカーや研修講師を務める時、私自身の告知の中では「登壇」という言葉を使わず、ストレートに「出演」と言うようにしています。「登壇」は、文字通りステージアップするニュアンスが含まれており、実像よりも大きく見せる効果があるからです。

もちろん講演や講師に選ばれるのは事実名誉なことなので、他の人が「登壇」と使うことに対して異論はありません。今はイベントで一般的な表現にもなっています。ただ自分に対して使う場合には、自らが使う言葉で錯覚しないよう細心の注意を払っています。

⑥役割として取材に応じる

本業で、社員インタビュー(採用広報など)・顧客インタビュー(導入事例など)・各種表彰(社内外)を受ける際も注意が必要です。いずれも名誉な機会であることは確かですが、本当に自分がステージアップした結果なのかどうかを冷静に捉えたいものです。

もし何かしらの役割を期待して選ばれているなら、その意図を察知して役割に徹して組織や業務の広報活動に臨むと良いでしょう。特に取引先からの「サービス導入事例インタビュー」は、自分自身が注目されていると錯覚しやすい機会なので十分に注意します。

⑦取り込む批評の尺度を持つ

専門家個人の活動は、ごく普通に会社員生活を送っている人が、生身で世の批評にさらされる少ない機会でもあります。会社であれば組織として受け止め方や対応方法を他の人と協議できるところ、個人活動は結果をすべて自分で受け止めていかねばなりません。

ここで大事になるのが「受け入れるライン」と「受け流すライン」の尺度設定です。万人の需要を満たすことはできませんし、自分も成長途上であり完全体ではありません。その前提に立って、「成長のための伸びしろ」として取り込む基準を判断していきます。

個人的には、自分の経歴・プロフィールでは弱くなりがちな箇所へのフィードバックは積極的に吸収し(抽象度の高い説明の比率が少ないなど)、意図して対象から外した物事への批評は、元の狙いが正しかったものと認識して致し方ない結果だと割り切ります。

⑧アウトプットと自分を同一視しすぎない

とはいえ、限られた紙幅や時間の中で意図が伝わらない事態はどうしても発生します。またインフルエンサー級の人と比べると、自身が出ている記事や映像などのアウトプットに紐づくPV・シェア・レビューの実績が伸び悩む様子を見て落ち込むこともあります。

これはもちろん最大限の努力と反省をしたうえでですが、あまり真に受けると辛い気持ちから戻ってこれなくなるため、こういう状況を自分で感じ取ったなら、見るもの・聞くものをいったん制限してアウトプットと自分を同一視する感覚をほどほどに抑えます。

PVやレビューは個人にはアンコントローラブルであることがほとんどで、ずっとその結果と向き合い続けるのは苦行です。それよりかは、今自分が現実的に変えられること、影響を与えられる範囲のことだけに集中する方が、健全に活動を続けることができます。

⑨立ち直り方をストックしておく

気分が落ち込んでいる時に見るもの・読むものを決めておくのも、気持ちの整理において大事なプロセスです。過去に触れてきた書籍・映像・音楽作品で、大きな決意・決断を支えてくれたものがあれば、それをいつでも引っ張り出せるようにしておきましょう。

以下は私の場合のリストです(よく失敗しているのでこれはごく一部)。必ずしもふだん見ている作品や好きな人であるとは限らず、気持ちが沈んでいる局面においてエールをくれるものを選んでいます。見どころについて触れているツイートを貼っておきます。

『アルケミスト』

『ゲーテ格言集』

中島みゆき『時代』

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(煉獄さんのセリフ)

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▼ まとめ

◎二刀流の働き方のメリット
①広い関心を満たせる
②能力を可視化できる
③評価が多角的になる

◎今の仕事の限界点を知ろう
①成長の悩み
②評価の悩み
③仲間の悩み

◎note活用法
①日常を自分の視点で語る
②タイアップ記事を書く
③イベントを共催する
④サークルとサポートを楽しむ

◎長く活動を続けるための心がけ
①公開情報を積極活用する
②日頃から情報提供を行う
③活動状況を適宜共有する
④同僚や顧客に自慢しない
⑤登壇は出演と言い換える
⑥役割として取材に応じる
⑦取り込む批評の尺度を持つ
⑧アウトプットと自分を同一視しすぎない
⑨立ち直り方をストックしておく

↓ この記事内容と働き方への思想が近い方々の意見もおすすめです ↓

YOUTRUST 代表 岩崎由夏さん

ソフトバンク メディア統括部長 井上大輔さん

岐阜のWebマーケター Yoshiさん

YouTu部マーケティング戦略室 しょま室長さん

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▼ 出演イベント・寄稿記事のお知らせ

*出演イベント

◎その1

ニュース速報エンジン・データジャーナリズムに強みを持つ「JX通信社」さんの主催企画で、松本健太郎さんと小川貴史さんがホストを務める「消費者理会」イベントに出演します。リサーチとデータ分析、リサーチャーの仕事やキャリアなど、3人ならではのトークにご期待ください◎

▼消費者理会|JX通信社
2021/5/25(火)20:00-21:00 @オンライン生配信

◎その2

テレビ東京コミュニケーションズとSchooが共同制作しているビジネス経済番組「ギモンの法則」の5月放送「札幌発のさつまいもスイーツがブームを仕掛けていくには?」で、アンケート結果をビジネスに活かすワークショップの授業を担当します。

基本は番組のオンラインコミュニティ会員向けですが、初月無料キャンペーンでトライアル参加いただくことも可能です◎ 焼きいもスイーツのアンケート結果を解説した授業本編も5/13の録画放送分として視聴可能です。(継続的な視聴は有料制)

▼ ギモンの法則サロン|テレビ東京コミュニケーションズ・Schoo
2021/5/19(水)21:30-22:40 ※オンラインコミュニティでの開催

*寄稿記事

データマーケティングメディアの「マナミナ」で、「業界研究×リサーチノウハウ」のコラム連載がスタートしました。第一回は食品業界。こちらはマーケター向けの内容になっており、食品の商品特性・消費者の購買行動を考慮した質問サンプルと分析スコープをご覧いただけます。食品・食雑貨・流通・グルメに関わる皆さま、どうぞ◎

▼ 【リサーチャーが語るアンケート虎の巻】食品業界は「旬のマーケティング」が鍵!|マナミナ


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