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X(Twitter)で詩、歌詞を書いています。 最近、Xが信用ならんので、Noteへお引っ越し作業してるところです。 ショートショートや童話、イラストもかきます。 物書きさん、よろしくお願いします。

最近の記事

人の形

人間味なんてない僕は 死にたいのに笑っていられる オートマ人形 形ばかりの愛情と 機械仕掛けの生命(いのち)をもって 人間の世界に流されていく 心の代わりに歯車を埋め込んで 口角を吊り上げる 感情の代わりに油をさして 透明な液体を流す ネジを巻いたなら ほら いつもの動きで 関節を軋ませながら歩きだす 僕らはオートマ人形 機械仕掛けの人形さ 僕らはオートマ人形 胸の奥で歯車が回る人形さ 考えることなんてできない僕は 本能なんてないのに動き続ける 操り人形 手足を動かす生命線

    • 御伽

      感情に言葉を与えていく 一つ一つ丁寧に それを理解できるように それを感じられるように 涙の意味を捉えていく 一つ一つゆっくりと それを理解できるように それを感じられるように 頭の中 渦巻くものに形を与えていく それを整理するように それをしまっておけるように 揺れた心も 涙の跡も ぐるぐる回る思考の果てにたどりつく 結論はいつも決まっている 僕にできることなんて限られているから 感情を持て余しても 涙を流しても それらは無意味に過ぎ去っていく 結果はいつも決まっている 僕

      • 朽ち木

        最後の希望 生きる意味 潰えた今 もう何も望まない とっくにわかっていた こうなることは 最初から何もなかった 何もなかったから 受け取るはずだった愛情も 無条件にあるべき安心も 何もかも 一緒にいよう そう言った人も 何か与えようとした人も 上手く受け取れない私は その人までも傷付ける ただ暗鬱に 産まれてきたことを恨んで 生きることを放棄した 何も持たない何かになりたい 誰にも影響されず 誰にも影響せず 朽ちてしまった枯れ木のように 誰にも知られず 眠りにつくの 生きて

        • タカラモノ

          僕はずっと祈ってた 君が早く死にますようにと 君の代わりに背負うものは大きすぎて 君の代わりを演じると嫌なことばかりで 引き受けた自分を何回も何万回も恨んだ 全て 早く終わって欲しいと そればっかりだった   何回も君を殺そうとして 失敗して 僕すらも生きたいのかわからなくなって 心中も試したね でも、君が苦しいって泣くから 君が僕に助けを求めるから 僕はやっぱり君を助けてしまう 意気地ない僕はまだ生にしがみついてる   それでも やっぱり 気持ち悪いんだ この体が 触れる手

        人の形

          三者三様

          死に憧れる少女は 心を殺す悪魔と出逢った オルゴールを鳴らすと悪魔が囁く 今宵はいかがいたしましょう 金属が奏でる音色と共に奪われていく命たち 少女は嗤いながら血の涙を流す 最後に捧げられるのは無垢で残酷な少女の命 悪魔に囚われた少女の魂は透明なまま深い闇の中で眠る   生に憧れる少年は 命を作る天使と出逢った オルガンを搔くと天使が微笑む 今宵はいかがいたしましょう 鍵盤が揺らす空気と共に息吹く命たち 少年は笑いながら自分を削っていく 最後に生まれたのは柔らかく小さな新しい

          三者三様

          世界の消滅

          「残り24時間で、世界は消滅することになりました」 あぁ… やっと認められた。 良き 終末を迎えてこそ 人は完成するのです。師であるドクターの意思を引き継ぎ、今ここにようやく審判の時を迎える。慌てふためく人類の姿を俯瞰しながら 珈琲を飲む。 あぁ…私は神に等しい力を手に入れた。 高揚で手が震える。 スイッチを落としてしまわぬよう そっと両手で包み込む。 しかし、なんと愚かなことだろう。 悠然と過ごす動物たちとパニックに陥る人間たち。 必死に生き残る術を探す者。自棄を起こして

          世界の消滅

          相造

          一緒にさ、作ろうよ 僕らは神にはなれないけど 神の真似事ならできるでしょ? 神に創造されたものの想像で出来ていくワークス 決して神に認められない作品たち でも一緒なら作り続けられる 愛しい相手を造るように 愛しい互いをコピーするように 神の創造を凌駕するくらい 神が想像も出来ないものを 一緒にさ、作ろうよ 互いの命を削り合って 僕らを永遠に残せるように From

          ならば、せめて

          無駄に思える出会いも 記憶から消してしまいたい出来事も 今につながる布石だから 信じて 今までの自分を 持つ知識を武器にして 願って これからの未来を 得た経験を糧にして どれだけ絶望しようとも まだ生き続けなければいけないのなら 強くなって 誰よりも強く 誰にも傷付けられないように 優しくなって 誰よりも優しく 誰ももう傷付けないように ねぇ 誰かからもらった言葉も 誰かへ贈った言葉も ここへ続く物語になるから 変わらないでいて 素直なままで その感情を大切にして 語り続

          ならば、せめて

          獏の夢(歌詞ver.)

          才の無さを嘆いて爪弾くは夕立 沈み揺蕩う現実は最も浅い陽の水際(みぎわ) 浮遊する夢は深く濃い雨霧(あまぎり)の中 捕らえるための枷を握って わざわざ自分に囚われる もういいかい まぁだだよ ずっとずっとまぁだだよ 世間から隠す 醜い姿 暗くなるまでゆっくりと 皆(みな)が寝静まるまでひっそりと 才の芽を奪うように 才の蕾を嫉むように 自分の現実を売払って他人(ひと)の夢を渡り歩く 悪夢を見せる貘はそれも才と己を呪う 業の深さを知って荒ぶるは朝焼け 光を纏う己の影は濃ゆ

          獏の夢(歌詞ver.)

          色いろイロ

          赤い色 禁忌の色 相 対するは 黒い色 カラスが染まった濡れ羽色 ほら 嘴が心臓を啄む 紫色 花の色 相 反するは 緑色 冷たくひかる深碧色 ほら 欲望がどちらをもくすませる 檸檬色 酸いい色 相 見合うは 蒼い色 明るく澄んだみそら色 ほら 若かりし頃の記憶がよみがえる 対(つい)なる色は 双方を 引き立たせては 輝かせる 良くも悪くも 輝かせる 貴方の持つ色 何色ぞ 己の持つ色 何色ぞ 貴方を輝かき 何色ぞ 己を輝かき 何色ぞ 嗚呼 美しや 命の色は 嗚呼 愛(かな

          色いろイロ

          意味

          夢の中を歩く 意味もなく 行き止まりも上り坂もない 見渡す限り白く霞んだ世界 吐く息は白く纏わりつくのに 服は白で無地のロンTだけ 寒くも暑くもないチグハグで真っ白な世界 きっとこの白い霞は 今までここに居た人たちの吐いた息 ここにはいくつの諦めと感嘆が含まれているのか きっとこの平坦な地面は 今までここを歩いた人が踏み固めた跡 ここにはどれ程の有象無象が通ったのか 僕はいつまで残された感情に包まれてこの道を歩くのか 僕は何時になれば過去になるのか 僕の後ろの後ろ 見えない所

          シュガーシュガーシュガー

          シュガー シュガー 薄いコーヒーにシロップを2つ このくらい甘いのがいいの ミルクはいらない 透明な黒の液体 飲み干して哀情 残る苦みは甘さが包んで 浸る余韻はもう冷めた愛 ストーカー紛いの行為 その形しか愛を感じれないあたしの感覚は 狂気じみた夢の中に理想を置いて現実を壊す 詰めすぎた距離 嫌われる恐怖 なくなっていく興味 肌で感じて 要らないといわれるまで 要らないといわれる前 あたしから手を離す シュガー シュガー 薄いコーヒーにシロップを2つ このくらい甘くないとダ

          シュガーシュガーシュガー

          I'm An Android

          感情の塊を墜としていく だんだん だんだん 空っぽになっていく 喜びも 哀しみも 戸惑いも 切なさも もうわからない 体という入れ物は 生命活動だけを残して機能を停止する まるでアンドロイド 与えられた指示は寸分違わずこなすけれど まるでアンドロイド 共感を強いられた感情はまるで理解ができない 多分僕はジャンク品 修理してくれる誰かが現れるまで 壊れたままで動き続ける 記憶の壁が高くなっていく どんどん どんどん 手が届かなくなっていく 楽しかった思い出も 忘れられない初恋

          I'm An Android

          変異

          それは新たな変異種だった。世界中で猛威を振るうその感染症に、すでに変異種は数多く存在していたが、今回の変異種はかなり特殊なものだった。 まず、症状が違う。今までの種は変異を重ねるごとに重症化しやすく、致死率もが上昇していたが、今回の変異では普通の風邪と変わらず、死者もでなかった。ただ、異様に感染力が強い。瞬く間に、その変異種が種の壁を越えてどんな感染症をも減少へ追いやった。 数十年後、感染症が流行ったなど嘘のように人々は平和な暮らしを取り戻していた。 その新たな変異種は新手の

          限界地点

          今の時点でいっぱいいっぱいなんだよ もうとっくに限界なんだよ なのに「皆」はもっとを求めてくる 「皆」出来るからって 苦しくないぐらいで生きることも 楽になりたいからと死ぬことも 許されない此処では 意識が昇華してしまっても 融点ギリギリで外側を保って 蒸発してしまわないように不純物を混ぜる キメラになって原形をとどめてなくても どれだけ混ざって汚くなっても 此処は常識で覆われていて 生ける屍でいいからと生きることを強要する From

          限界地点

          寿限無

          健やかに 幸せに 日本一長い名前をもって その名に翻弄される 寿限り無し なのに 苦難ばかりの道 雲来末 風来末 なのに すぐにぶち当たる壁 あー こんな名前欲しくなかった 名は体を表す? これじゃただの名前負けだよ 海砂利水魚 そうはいっても底をつく食べ物と金 シューリンガンは健康長寿 なら 胸に燻る痛みは何? あー こんな名前欲しくなかった 強欲は身を滅ぼす これはただの呪いだよ 親の期待を背に自分を見失っていく 示された未来を逆手に不幸を嘆く 自分の力不足を棚に上げ周り