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河村たかしの一つの嘘と百の嘘への推察

「人は一つ嘘をつくと百の嘘をつかねばならなくなります」(大村秀章)。まさにその通りで名古屋市長河村たかしは、庶民のための減税、議員年金受給、日本一のコロナ対策、名古屋城天守閣木造化、様々な嘘をつき続けてきた。とりわけ大きな嘘は、不自由展問題に端を発するリコール運動の理由の嘘と、不正署名によるリコール運動の結果の嘘である。理由の嘘は大村知事の手記および検証委員会の結果報告でご存知の通りだ。
 リコール運動の結果に一つ嘘をつく、即ち43万もの署名があったとする民意の捏造したことで、百の嘘をつかねばならなくなった。とりわけ主たる嘘は「不正署名に関与してない」という嘘だろう。これを露見させないため、嘘に嘘で固めていくことになる。

 組織的な不正が露呈した場合、例えばクラブ内で常習賭博が露呈したとして、賭博行為を行ってた者だけを捕らえてよしとするだろうか?当然、組織的犯行であり、代表者はまず犯罪に関わっている。または賭博運営を目的にクラブ設立した可能性も高く、設立者や発案者も強く疑われる。
 ゆえに、河村たかしは疑惑を持たれぬために、代表者としての地位を高須院長に擦り付け、「発案者ではない」という嘘をついた。そこから派生したのが電話会談からの翌日会設立である。5/23朝に高須院長がリコールの決心をツィートしてるため、6/1の河村たかしの電話会談時にはもう高須院長は発案済み、河村市長が発案者ではないことになるからだ。
 しかし6/1に発起人の招集をかけ、6/2に有名人が複数集結し記者会見を行うなどありえるだろうか?活発な言論人であり、本来予定が詰まってるはず。また緊急でもない案件の集会なら最低でも一週間から10日は間をあけるのが社会人としての礼儀だろう。その常識的な間を考えると実際に電話会談があったのは10日前すなわち「5/22」、高須院長ツィート5/23の前日、名古屋市が訴訟された5/21の翌日という日取りが浮かび上がってくる。
 5/21に愛トリ実行委員会から名古屋市が訴訟されたことに激怒した河村たかしはリコールを決意。5/22金曜夜に何名かの候補に電話連絡、高須院長に白羽の矢をたて別宅にて密談を行う。翌5/23早朝に高須院長リコール決心のツィート。6/2に河村市長欠席の記者会見、同日夕方河村市長から表立てないゆえ、発案者及び責任者は高須院長と嘘の依頼をされ、その後のツィートおよび8/12月刊HANADAで嘘を書く、これが設立時の流れの真相であろうと推測する。

 このように河村市長の嘘は、嘘に嘘を重ねるため、どうしても不自然な嘘となってしまう。不自然さを見つけ、どこに嘘があるか、そしてその嘘をつく意味はなんなのかを探っていくことになる。また彼は自身が嘘をつくだけでなく、嘘をつかせることすらしているので注意が必要だ。

 とりわけ不自然なのが河村たかし自身のヒアリングによる独自調査である。中間報告において<自身や河村たかし事務所関係者の関与は「一切なかった」と強調。団体側が昨年夏から、「河村事務所からの電話には出るな」などと意図的に河村氏らを遠ざけていたとし、団体関係者が河村氏らの知らないところで不正を行っていたとの認識を示した>とある。大村知事もトリエンナーレで検証委員会を設置したように、また市議会で横井氏からの提案されたように、問題や疑いがあった場合、自身や関係者ではなく第三者に執り行わせるのが通例であり、疑惑の人物による調査など意味をなさない。
 そのもっともな批判を脇に置いてもまだ不自然だ。まず「遠ざけていた」である。この市の長であるVIP中のVIPとその直属に対して、たかが国会議員候補や地方市議のリコール事務局がそんな非礼を行えば、市長自ら怒鳴りこんできてもおかしくない。次に「電話には出るな」である。そんな異常があれば河村事務所とは目と鼻の先、様子を見に来てください、と言ってるようなものでやはり「近づけてる」。極めつけは「河村氏らを」「河村事務所から」だ。不正は誰に対しても知られてはいけないのに、なぜ河村事務所だけ特別視するのか。その意味するところは「河村たかしが不正を知らない」ということを強調するためだけだ。近づける行為でもって遠ざけるとする嘘の供述から、捏造された証拠でしかないことは容易に察せられ、偽証の不自然な強調から逆説的に「河村たかしが不正を知っていた」ことが導き出される。「あんなことをするような人には見えなかった」、通常営業してて見抜けなかったでよかったのに、策士は下策に溺れたのだ。

 そして決定的なのが山田氏と田中氏の取材と記者会見への反応だ。山田氏は知っての通り『自発的に』議員辞職し取材で犯行を自白した。山田氏は河村たかしから選挙応援されたこともあり関係は近しい。そんな者が民主主義を大冒涜する不正事件に加担したのだ、本来、河村たかしへのダメージは大きい。しかもヒアリングでも答えなかったのに選挙直前のタイミングで選挙妨害する気か、と激怒するのが当然であろう。ところが反応は「勇気を出して真相をしゃべった」と感謝すらしているのである。独自調査したとはいえ、なぜ話したことが真相だと確信できるのか、まだ共犯者などの全容は語ってないのに「疑いが晴れて良かった」と言ってしまうのか、おかしなことだらけである。だがなんのことはない、この自白で「(市長選への悪影響は)逆だと思いますけどね」と誤認して舞い上がり、真相に確証のない潔癖無実の者の演技に失敗してるだけなのだ。
 一方で田中氏は、河村たかしからも「田中氏も早く出てきて話をしなければいけない」と促され、この山田氏の自白に応える形で記者会見を開いた。せいぜい酒の飲めない会合で10年前のリコールでは無効署名をそのまま提出したと河村市長から聞いた、といった程度で、「肝心なことは答えず、信用できない価値のない情報だらけ、やはり何もわからなかった、時間を無駄にした」と視聴者は皆思った。しかし、ある意味期待通りの記者会見にも関わらず、打って変わって河村たかしはこの記者会見を選挙妨害だとして大激怒、勢いあまって記者に訴訟をチラつかせて事実でない記事を書くなと恫喝までしている。10年前リコールの無効署名提出の供述も完全否定だが、3/9市議会において河村たかしは飲食で「何を話したか覚えてない」と証言している。あとから何を話したか思い出すことはあっても、また「酔っぱらってそんな嘘を口走ったかもしれんが、それは真実でない」と主張するならともかく、記憶が定かではないのに「話したことはない」などと完全否定出来ようはずがない。ではなぜそんなに過敏にありえない反応をするのか、それは一番触れてほしくない核心部分である、「不正署名の提出指示」を匂わせる話だからだろう。
 嘘をつくとさらに嘘をつかねばならなくなり、次第に引き返せないほどの深みにはまってしまう。そして周りに不幸をもたらし続けるのだ。

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