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リリース前から大炎上!!ジャケットの女性の正体は!? Drake & 21 Savage - Her Loss (2022)

2022年7月、Drake(ドレイク)は7枚目のアルバム「Honestly, Nevermind」をサプライズリリースし、全米チャートで11作目の1位を獲得。

2021年に亡くなったファッションデザイナー、ヴァージル・アブローに捧げられたこのアルバムは、これまでの作品よりもハウスやダンスポップの要素が強く、アップテンポなナンバーが多く収録されています。

そして今月11月、間髪を入れず今度は21 Savage(21サヴェージ)とのコラボアルバム「Her Loss」(2022)をドロップ。

ここでは、このアルバムについて解説します。

レーベル  : OVO Sound, Republic Records & Slaughter Gang
リリース日 : 2022年11月4日
名前    : Drake & 21 Savage
本名    :    Drake / Aubrey Drake Graham
        21 Savage / Shéyaa Bin Abraham-Joseph
年齢    : Drake 36歳
        21 Savage 30歳


出身地   :    Drake カナダ、トロント
        21 Savage ジョージア州アトランタ

リリースに至るまで

ドレイク21サヴェージはこれまでも何度もコラボレーションしており、中でもR&B/Hip Hopチャート6位を記録した「Mr. Right Now」 (2020)や、全米チャート4位の「Knife Talk」(2021)などのヒットが知られています。

また、冒頭でも触れたドレイクのアルバム「Honestly, Nevermind」から唯一21サヴェージがゲスト参加した「Jimmy Cooks」は全米チャートで1位を獲得し、10月に公開されたMVの中でコラボアルバムのリリースをアナウンスしています。
(MVの1分25秒〜)

Drake & 21 Savage - Jimmy Cooks

映像の中の日付は10月28日と設定されていましたが、アルバムのミキシングとマスタリングの中にプロデューサーの40が新型コロナウイルスに感染したため、発売が1週間遅れて11月4日となりました。

これを受け、2人はInstagramで人気番組のフェイク動画やパロディ写真を投稿してアルバムのプロモーションを行い、ファンはリリースに期待を膨らませました。

しかしその過程で、人気雑誌『Vogue』の表紙をパロディ化した写真を掲載し、多くの人が『Vogue』の最新号や限定版に掲載されていると勘違いし、大炎上しています。このため、出版元のコンデナスト社が400万ドルの損害賠償を求める訴訟を起こしています。

さらに、出版社はアルバムから得られる利益の3倍を要求しており、11月9日には問題の写真の使用停止が命じられ、現在は2人のアカウントからも削除されています。

ジャケットの女性の正体は?

右頬にバンドエイド、シャネルのイヤリング、前歯のグリルが特徴的な今回のアルバムのアートワークは、テキサス州ヒューストン在住のダンサー、SUKI BABYという女性のようです。

彼女は、日本人とチェロキー族のミックスで、Instagramのプロフィールには「キアナ 康花」と記されています。
ノースカロライナで生まれ、若い頃を日本で過ごし、現在はヒューストンに住みながら、アダルト系SNSとして知られる「OnlyFans」で活動しているようです。

また、この写真は3年ほど前のもので、撮影した写真家のパリス・アデンによると、OVO陣営から連絡があり、この写真をアルバムカバーに使いたいと言われたようです。

Drakeがこの写真を見て、アルバムに使っていいか聞いてきたんだと思う。
ずっと前に撮った写真なんだけどね。
彼女のプロフィール写真だったんだけど、たぶん彼はそれを見て惚れ込んだんだと思うよ。

ディスソングが満載アルバム!?

今作は全16曲が収録され、Travis Scottが唯一のゲストとして参加しています。
アルバムの冒頭を飾る「Rich Flex」は、Kanye Westのアルバム「Donda」(2021)の多くを手掛けたBoogzDaBeastがプロデュース。
複数のビートチェンジや、T.I.のクラシック「24’s」(2003)のフレーズをサンプリングしたパンチラインが印象的です。

Drake, 21 Savage - Rich Flex

T.I. - 24’s (2003)

9曲目「Circo Loco」は、Tay KeithBoi-1da40がプロデュースしており、イントロからDaft Punk「One More Time」(2000)をサンプリング。

Drake, 21 Savage - Circo Loco

Daft Punk - One More Time (2000)

しかし、このリリックの一節が物議を醸しているようです。

This bitch lie ‘bout gettin’ shots, but she still a stallion
She don’t even get the joke, but she still smilin’
このビッチは撃たれたと嘘をついてもまだスタリオンだ。
彼女は冗談もわからず、まだ笑っている。

このドレイクのラップは、トリー・レーンズミーガン・ジー・スタリオン発砲事件を彷彿とさせ、リスナーの多くは、ドレイクミーガンの嘘を非難していると受け止めたようです。

事件は2020年夏にカイリー・ジェンナーのハウスパーティーで始まり、ミーガントリー・レーンズが口論となりイベントを後にした直後、状況がエスカレートし、ミーガンが車から降りるとトリー・レーンズが銃を突きつけ、足を撃ったとされている。トリー・レーンズはこの発砲に関連して逮捕され、暴行罪について無罪を主張しています。

Meganはこの曲に対し「私はとても人気があることを知っているけど、私の名前に陰謀論をくっつけるのはやめて」とTwitterで反論。

これに対し、アルバムの制作に携わったLil Yachtyは、Instagramのライブで、このバースが2人の刑事告訴とは全く関係はなく、単に女性がお尻に注射をしたと嘘をつくセリフだと説明していますが、当のドレイクは、この件に関して口を閉ざしたままのようです。

また、4曲目の「BackOutsideBoyz」では、ラッパーのDRAMと、若手フィメールラッパーIce Spiceをディスしていると話題となっています。

Tried to bring the drama to me, he ain’t know how we cha-cha slide.
Dramaを持ち込もうとしたが、俺たちがどうチャチャを入れるか知らないんだ。

以前、DRAMは自身のヒットシングル「Cha Cha」が、ドレイクのシングル「Hotline Bling」にコピーされていると非難しており、この一件についてドレイクがラップでアンサーしている模様。

今作のリリース当日、DRAMはこのリリックに触れ、5年ほど前に両者の間で口論があったこと、DRAMドレイクのボディガードから暴行されたことを明かしており、この2人の確執は深まるばかりとなりました。

また「Munch (Feelin’ U)」がバイラルヒットしたIce Spiceについて「ミュートで良いよ」とラップ。

She a ten tryna rap, it's good on mute, yeah
彼女はラップをしようとするガキだ、ミュートで良いよ、うん

彼女をフックアップしたものの、結局お気に召さなかったのか、インスタでアンフォローした事が、過去に物議を醸しています。

Drake - BackOutsideBoyz

12曲目「Middle of the Ocean」では、テニスプレーヤーセリーナ・ウィリアムズの夫で起業家、アメリカの掲示板型ソーシャルニュースサイトRedditの共同設立者であるアレクシス・オハニアンを口撃しています。

Sidebar, Serena, your husband a groupie
He claim we don't got a problem but
No, boo, it is like you comin' for sushi
We might pop up on 'em at will like Suzuki

プライベートな会話だけど、セリーナ、君の旦那はヤリ◯ンだ。
彼は問題はないと言うが
そんなことないよ、君が寿司を食べに来るのと同じ感覚なんだ
俺たちはスズキのように気ままに飛び出すかもしれないな

ドレイクセリーナ・ウィリアムは、彼女が現在の夫アレクシス・オハニアンと付き合う前の2015年に恋人同士と噂され、レストランでキスをしているところを目撃されています。

その後、セリーナは2017年に結婚しましたが、ドレイクはまるで未練があるかのように曲中でアレクシス・オハニアンを挑発。
さらに、寿司を出すことで知られる日本の有名店「Nobu」と「No, boo」を掛け、自分たちを魚のスズキに例え、復縁を匂わすラップをしています。

Drake - Middle of the Ocean

JAY-Zに次ぐ、3番目の全米チャート1位を獲得!

多方面へのディスりで話題沸騰中の今作ですが、発売初週に5億1356万ストリーミング、アルバム換算で40万4000ユニットを獲得し、
21サヴェージは3枚目、ドレイクにとっては12枚目となる全米チャート1位を獲得しました。
これにより、1956年3月に全米アルバムチャートが毎週定期的に発表されて以来、ドレイクが1位を獲得した回数は、ビートルズ(19)、JAY-Z(14)に次いで3位となりました。

前作「Honestly, Nevermind」と比べ、サウンド的には21サヴェージの影響が大きいのか、ゴリゴリのラップでストリーミング数を稼ぎましたが、
肝心の"中身"については多くのオーディエンスから疑問の声が多く上がっています。

おわりに

コロナのせいで発売が遅れ、雑誌「ヴォーグ」から誤解を招くプロモーションで訴えられたり、いざ発売されてもディス・ソングや物議をかもす内容で波紋を広げに広げてきたドレイク
しかし、本作はやはり2022年の目玉アルバムであり、その賛否はぜひご自身の耳で確かめてみる事をお勧めいたします。

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