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レジェンド再集結:2 ChainzとLil Wayneのコラボアルバム「Welcome 2 Collegrove」の制作秘話

リル・ウェイン2チェインズは約20年前、アトランタのスタジオで初めて出会いました。この出会いは、当初は音楽に関するものではなく、リル・ウェイン2チェインズが音楽をやっていることを知りませんでした。
関係が変わったのは、スタジオに向かう途中で2チェインズルダクリスのレーベルと契約し、ラップのキャリアを追求していることを明かした時でした。
これが2006年のシングル「Duffle Bag Boy」のコラボレーションにつながり、彼らの音楽的なパートナーシップの始まりとなりました​​。
そして、「Duffle Bag Boy」がヒットし、全米中で彼の名前が広く知られるようになりました。
その後、2012年に2チェインズはDef Jam Recordingsとソロ契約を結び、これまでに7枚のアルバムをリリース。そのうち5枚が全米チャートトップ5入りを果たすなど、2010年代のラップシーンを牽引してきました。

そして2023年11月、2チェインズは待望のリル・ウェインとのコラボアルバム「Welcome 2 Collegrove」を発表しました。この記事では、彼らの最新作にフォーカスし、新しいアルバムの詳細について掘り下げます。興味をお持ちの方は、ぜひ最後までお読みください。

レーベル  : Def Jam Recordings & Gamebread
リリース日 : 2023年11月17日
名前    : 2 Chainz & Lil Wayne
本名    :    2 Chainz / Tauheed K. Epps
        Lil Wayne / Dwayne Michael Carter Jr.
年齢    : 2 Chainz / 46歳
        Lil Wayne / 41歳
出身地   :    2 Chainz / ジョージア州カレッジパーク
        Lil Wayne / ルイジアナ州ニューオーリンズ

本当はコラボアルバムだった?「ColleGrove」(2016)とは?

2016年に発表されたアルバム「ColleGrove」は、本来リル・ウェインとのコラボアルバムとして予定されていましたが、リル・ウェインの所属レーベルの問題から、最終的には2チェインズのソロ名義としてリリースされました。これまでもリル・ウェインJuelz SantanaLloydT-Painなどとのコラボプロジェクトを度々示唆してきましたが、実現に至っていませんでした。

(T-Painとのミックステープ「T-Wayne」は2009年にレコーディングされましたが、お蔵入りとなり、2017年に突如無料でリリースされました)

そのため、「ColleGrove」は全13曲中、リル・ウェインが8曲フィーチャリングされた形でアルバムに参加しています。また、このアルバムのタイトル「ColleGrove」は、2チェインズリル・ウェインの出身地を合わせたものであり、2チェインズはジョージア州カレッジパーク出身、リル・ウェインはルイジアナ州ニューオーリンズのホーリーグローブ出身です。

2人が明かすレコーディングプロセス

2022年には「ColleGrove」の続編が出るのではないかと噂が流れ、多くのファンがそのリリースを心待ちにしていました。この期待はついに実を結び、2023年11月に続編となる「Welcome 2 Collegrove」がリリースされました。2チェインズは、リル・ウェインとの共同作業において、互いの相性とリスペクトが音楽に良い影響を与えていると話しています。

俺たちは長い間このアルバムに取り組んでいて、クリアランスの問題もたくさんあった。けど基本的にはスタジオに毎晩入り続けたよ、2人は働き者だからね。だから、レコーディングが大変だったとは思わない。 ただ、音楽をみんなに届けるためのプロセスだったんだ。俺と彼は相性がいいんだと思う。お互いに仕事を楽しんでいるし、尊敬し合っている。いつも言っているように、まだ研ぎ澄まされていない。だから、このバースまで来たからには、前のバースよりも良くなければならないという小さな不安が常にあるんだ。それは健全なことだと思う。競争は健全なことだと思うよ。

リル・ウェイン2チェインズとの作業を自然で流れるようなものと捉えており、お互いの音楽を尊重し合っていると強調しています。

俺と2 Chainzの仕事のやり方は、水みたいなもんだ。まるで水のように、ただ流れていくんだ。だから、曲の権利をクリアにするとかそういうこと以外に、それほどプロセスはなかったよ。つまり、アルバムの制作は、シャープで、お互いのスキルを尊重し合っている。お互いのスキルが大好きなんだ。彼の音楽を聴くのが好きで、彼も俺の音楽を聴くのが好きなんだ。ずっとそうだった。だから、全体的なクリエイティブの部分において非常に重要なことなんだ。

収録曲について

新作には全21曲が収録され、Rick Ross21 SavageFabolousBenny the ButcherUsherなど豪華なアーティストが客演しています。前作と比べて、参加アーティストのラインナップが充実しています。さらに、オープニングトラック「Scene 1: Welcome 2 Collegrove」を含む5つのスキットでは、ラッパーの50 Centがナレーションを担当し、2チェインズリル・ウェインそれぞれの成長や成功について語っています。

「Big Diamonds」

アルバムの3曲目に収録された「Big Diamonds」は、21 Savageをフィーチャーしたトラックで、クラブアンセムを手がけた経験豊富なMannie Freshがプロデュースを担当しています。この曲は、Mannie FreshとラッパーBirdmanによるラップデュオBig Tymersが1998年にリリースした「Ballin'」をサンプリングしています。

2 Chainz, Lil Wayne, 21 Savage - Big Diamonds

Big Tymers feat. Chilli - Big Ballin' (1998)

「Presha」

4曲目に収録された「Presha」は、このアルバムのリードシングルで、この曲がリリースされる数時間前、2チェインズリル・ウェインはそれぞれのInstagramに、長年の友情を記録した過去の写真を投稿しました。
また、このトラックはBangladeshがプロデュースしており、彼は過去にリル・ウェインのシングル「A Milli」「6 Foot 7 Foot」で脚光を浴びました。

2 Chainz, Lil Wayne - Presha

「Long Story Short」

5曲目に収録された「Long Story Short」は、Mannie FreshJuicy JBig K.R.I.T.の共同プロデュースによる曲です。このトラックでは、イントロから「Motownの秘蔵っ子」と称されたソウルグループThe Originals「The Bells」(1970)をサンプリングしているだけでなく、Juicy Jの兄であるProject Pat「Out There (Blunt to My Lips)」もサンプリングしており、往年のクラシックを贅沢に取り込んだ1曲となりました。

2 Chainz, Lil Wayne - Long Story Short

The Originals - The Bells (1970)

Project Pat - Out There (Blunt to My Lips) (1999)

「Oprah & Gayle」

13曲目の「Oprah & Gayle」は、ニューヨーク出身のラッパーBenny The Butcherとのコラボ曲で、3人が自身の経験や思いを表現し、お金や名声を巡る欲望、人生の選択、そして挑戦について語っています。
そして、この曲のプロデュースは、カニエ・ウェストリアーナT.I.などのヒット曲を手掛けたDJ Toompが行っており、イントロからニューヨーク出身のシンガーAngela Bofill「The Feelin's Love」(1979)をサンプリングしています。

2 Chainz, Lil Wayne, Benny The Butcher - Oprah & Gayle

Angela Bofill - The Feelin's Love (1979)

おわりに

当初計画されていたコラボアルバム「ColleGrove」は、レコードレーベルの問題から2チェインズ名義でリリースされ、その後7年が経ちました。2チェインズリル・ウェインは、ようやく「Welcome 2 Collegrove」として両名の名前がクレジットされたアルバムをリリースすることができました。
今回の作品では、リル・ウェイン側のレーベル問題はクリアされましたが、先述のように多くの楽曲でサンプリングを行っており、
2チェインズはそれらの著作権クリアランスに苦労したそうです。

多くの時間と労力が費やされたんだ。このアルバムを出すことについては、数年前から話していたんだ。クリアランスの問題が山積みで、頭痛の種だった...俺は今、このアルバムにはとても満足しているよ。それはクリエイティブであり続け、そして自分らしくいることが大切なんだ。それが本当に心地いいんだ。俺は子供の頃からスーパースターで、いつもそう感じていたんだ。

「Welcome 2 Collegrove」は、2チェインズリル・ウェインが多大な時間と労力を費やし、著作権クリアランスの課題にも取り組みながら完成させた待望のコラボレーションアルバムです。彼らの長年の友情と互いへの敬意が音楽に深い影響を与え、競争心が融合し素晴らしい作品が誕生しました。アルバムは多様な著名プロデューサーとの共同作業が特徴で、アーティストとしての成長と創造性が融合したこの作品は、ファンにとって非常に特別なものとなっています。

さらに、2チェインズはこのアルバムが現在所属するレーベルDef Jam Recordingsからの最後のリリースであることも明かしており、今後の彼の動向に注目が集まっています。
彼らの次なるステップや新たなクリエイティブな展開に期待しましょう。

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