One Danceだけじゃない！ここ数年チャートを賑わせているWizkidとは? Wizkid feat. Justin Bieber & Tems - Essence Remix (2021)
ナイジェリア人として初めて全米チャート、グローバルチャート200に登場したWizkid(ウィズキッド)が、2020年にアフロビート調のシングル「Essence」をリリース。
そして今回、ポップスターのJustin Bieber(ジャスティン・ビーバー)とのRemixをドロップしました。
この曲は、今週のR&B/Hip Hopチャートでは3位を記録するなど、じわじわと人気を集めています。
ウィズキッドは、2000年初頭にキャリアをスタート。
遅咲きと思われますが、2016年にDrake(ドレイク)のヒットシングル「One Dance」にゲスト参加し、ギネス記録に認定されるなど、一躍注目を集めることになりました。
またBeyoncé(ビヨンセ)がエグゼクティブプロデューサーを務めた映画「ライオン・キング」（2019）のサウンドトラックに参加するなど、幅広い音楽シーンで活躍しています。
ここでは、ウィズキッドのあまり知られていないこれまでのキャリアと、Remixについて解説します。
レーベル : Starboy, RCA Records
リリース日 : 2021年8月13日
名前 : Wizkid feat. Justin Bieber & Tems
本名 : Wizkid / Ayodeji Ibrahim Balogun
Justin Bieber / Justin Drew Bieber
Tems / Temilade Openiyi
年齢 : Wizkid 31歳 Justin Bieber 27歳 Tems 26歳
出身地 : Wizkid / ナイジェリア、ラゴス
Justin Bieber / カナダ、オンタリオ
Tems / ナイジェリア、ラゴス
Wizkid feat. Justin Bieber & Tems - Essence Remix (2021)
ウィズキッドとは
King Sunny Ade(キング・サニー・アデ)やFela Kuti(フェラ・クティ)などのナイジェリアミュージックや、Bob Marley(ボブ・マーリー)といったレゲエを聴いて育ったウィズキッド。
彼のキャリアは、友人たちと "Glorious Five" というグループを結成することから始まり、当時はLil Prinzという名前で活動していました。
2009年にナイジェリアのレーベルEmpire Mates Entertainmentと契約を交わし、2011年にデビューアルバム「Superstar」をリリース。英語と彼らの母国語であるヨルバ語でレコーディングされたこの作品は、500万枚以上を売り上げ、アフロビートの作品では最もセールスを伸ばした作品になりました。
またナイジェリア人をはじめとするアフリカのエンターテイナーの貢献を称える "ナイジェリア・エンターテイメント・アワード" では「年間最優秀アルバム賞」を受賞。ナイジェリアの音楽シーンでに新たなスターが誕生した瞬間でした。
Wizkid - Holla at Your Boy (2010)
2014年にアメリカの音楽シーンで活躍するAkon（エイコン）、Tyga（タイガ）、Wale（ワーレイ）が参加したセカンドアルバム「Ayo」をリリース。ナイジェリアの音楽メディア誌 "Hip Hop World Magazine" が後援する音楽アワード "The Headies" では、7部門にノミネートされ「Best R&B/Pop Album」を受賞。
その中でもキャリア初期の苦悩を歌った「OJUELEGBA」は、YouTubeで4000万再生を記録。
さらに同曲はドレイクとSkepta(スケプタ)によるRemixがリリースされています。
ウィズキッドはこの頃からドレイクと親交を深めていたようです。また同年にウィズキッドは、ナイジェリアのミュージシャンとしては初めて、ツイッターのフォロワー数が100万人を超えました。
Wizkid - Ojuelegba (2014)
Wizkid feat. Drake, Skepta - Ojuelegba Remix (2015)
勢いをつけたウィズキッドはドレイクの2016年に発表したシングル「One Dance」に抜擢されました。
ドレイクがリードアーティストとして初のダンスホールシングルとなったこの曲は、全米チャートで10週にわたって1位を獲得。ナイジェリアのアーティストが全米チャート入りと同時に首位になったのは初めてでした。
また世界15カ国のチャートで1位に輝き、Spotifyで10億回のストリーミングを記録した最初の曲であり、当時Spotifyで最もストリームされた曲であるという2つのギネス世界記録を樹立しました。
One Dance feat. Wizkid & Kyla - Drake (2016)
2017年にウィズキッドはRCA Recordsと契約を交わし、3枚目のアルバム「Sounds from the Other Side」をリリース。
同作ではChris Brown（クリス・ブラウン）、Major Lazer（メジャー・レーザー）、Trey Songz（トレイ・ソングス）、Ty Dolla $ign（タイ・ダラ・サイン）などのアメリカの音楽シーンへの参入の証ともいえるようなゲストが参加しています。
またドレイクと再び共演を果たした「Come Closer」(2017)は、ナイジェリアで最もストリーミングされた曲となり "All Africa Music Awards" では、「アーティストオブザイヤー」と「ソングオブザイヤー」などの主要部門を受賞しています。
WizKid feat. Drake - Come Closer (2017)
2019年には、ビヨンセがエグゼクティブプロデューサーを務めたディズニーアニメーション映画「ライオン・キング」のサントラに抜擢。
彼が参加した「Brown Skin Girl」は、キャリア初のグラミー賞「最優秀ミュージックビデオ賞」を受賞。サントラは「最優秀ポップボーカルアルバム」にノミネートされるなど、業界から高く評価された作品になりました。
Beyoncé, Blue Ivy, SAINt JHN, WizKid - Brown Skin Girl (2019)
2020年には4枚目のアルバム「Made in Lagos」をリリース。Burna Boy（バーナ・ボーイ）、スケプタ、H.E.R.（ハー）、Ella Mai（エラ・メイ）、Damian Marley（ダミアン・マーリー）などの世界各国のアーティストがゲスト参加。Spotifyのグローバルアルバムチャートでは、アフリカのアルバムとしては初めてトップ10入りを果たし、第64回グラミー賞で「最優秀グローバルミュージックアルバム」にノミネート。
またナイジェリア出身のTems(テムズ)が参加したシングルの「Essence」は、ナイジェリアの楽曲として初めて全米チャートにランクインという結果になりました。
このアルバムの存在がアメリカの音楽シーンに新たな息吹をもたらしたと言えるでしょう
WizKid feat. Tems - Essence (2020)
Essence Remix
ウィズキッドらしいアフロビート調のナンバーに、彼の柔らかな歌声が映える一曲。大好きな女性に対する愛のある歌詞が特徴です。ウィズキッドのバースでは、母国語のエッセンスがおしゃれに歌われたラブソングとなっています。
ここではジャスティン・ビーバーのリリックをピックアップします。
I prayed for this moment
I would be by your side
And I don't wanna forget
Those lonely nights
Ooh, so tell me that you gon' ride with me
Tell me that you'll never lie to me (Mm-hmm)
I just wanna make you proud of me
Want you lovin' every side of me
I love the rhythm of your heartbeat
The way you pushin' up on me
I can tell that you want me
Let me show you how it's gon' be
※和訳
この瞬間のために祈った
俺は君の側にいるよ
そして忘れたくないのは
あのいくつもの孤独な夜
あぁ、君は俺と一緒にいると言ってくれ
絶対に嘘はつかないと言ってくれ
俺のことを誇りに思ってもらいたいんだ
俺のすべてを愛してほしい
君の鼓動のリズムが好き
君の誘い方で
俺を欲しているのはわかるよ
これからどうなるのか見せてあげるよ
この歌詞はジャスティンが、2018年に結婚したモデルのヘイリー・ボールドウィンへ綴っているように思えます。
彼は今年にリリースした6枚目のアルバム「Justice」ウォルマート限定版(2021)に収録されている「Hailey」という彼女の名前をタイトルにした曲も発表しており、いかにパートナーを愛しているかがわかりますね。
Justin Bieber - Hailey (2021)
終わりに
今作の「Essence Remix」は、4枚目のアルバム「Made In Lagos」が2021年にデラックスエディションとして再リリースされ、その中に収録されています。
ジャスティン・ビーバーからフックアップされ、今後の活躍がさらに楽しみなウィズキッド。
ナイジェリア発の彼が、アフリカの音楽シーンを牽引していく姿から目が離せません！
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