いまさら聞けないドリームヴィルとは?! Dreamville & J. Cole - D-Day: A Gangsta Grillz Mixtape (2022)
現行のラップシーンに多大な影響を与え、全米中から注目を集めるJ. Cole
(J.コール)。6枚目のアルバム「The Off-Season」(2021)は、全米チャート1位を獲得し、グラミー賞「最優秀ラップアルバム」にノミネートされました。
そんな彼が率いるレーベルDreamville Records(ドリームヴィル・レコーズ)がミックステープ「D-Day: A Gangsta Grillz Mixtape」(2022)をドロップ。
唸るようなシャウトで人気を博したDJ Drama(DJドラマ)がホスト役を務め、2000年代を彷彿とさせる内容となっています。
ここでは、レーベルの新作とドリームヴィル・レコーズについて解説します。
レーベル : Dreamville & Interscope Records
リリース日 : 2022年3月31日
名前 : Dreamville & J. Cole
本名 : J. Cole / Jermaine Lamarr Cole
年齢 : 37歳
出身地 : ノースカロライナ州ファイエットビル
ドリームヴィル・レコーズの設立
J.コールと彼のマネージャーでスーダン系アメリカ人のIbrahim Hamad(イブラヒム・ハマド)は大学で出会い、2007年にドリームヴィル・レコーズを立ち上げました。
イブラヒム・ハマドは後のインタビューで、レーベルを介しアーティストの手助けをしたかったと明かしています。
2014年にリリースされたレーベル初のコンピアルバム「Revenge of the Dreamers」は、後にレーベルメイトになるBasの「Lit」がYouTubeで1300万再生を記録しています。
Bas feat. J. Cole, KQuick - Lit (2014)
また同年、ドリームヴィルはInterscope Recordsと販売契約を結び、現在のロゴに変更され、同日にクイーンズを拠点とするラッパーBasと契約。
今回のInterscope Recordsとの契約について、J.コールは次のように明かしています。
2015年、レーベル初の女性シンガーAri Lennox(アリ・レノックス)との契約を発表し、レーベル2作目のコンピアルバム「Revenge of the Dreamers II」をリリース。
アルバムはR&B/Hip Hopチャート4位を記録し、収録曲の「Night Job」は、YouTubeで1000万再生され、ドリームヴィル・レコーズの知名度を徐々に広めていきます。
Bas feat. J. Cole - Night Job (2015)
2017年には、Basのツアーに参加していたラッパーのJIDとEarthGangとの契約を発表し、2019年に3部作の最後となる「Revenge of the Dreamers III」をリリース。
343名のアーティストとプロデューサーが招かれて10日間に渡ってアトランタでレコーディングされ、ここでは142曲がレコーディングされたと言われています。
またここでの様子を、ビデオグラファーのChase Fadeは次のように明かしています。
またT.I.、Rick Ross、Waleなどもスタジオを訪れ、ラップ界の重鎮たちも彼らのレコーディングに関心を寄せていたようです。
総勢35人のアーティストと27人のプロデューサーが参加したこのアルバムは、シングル「Middle Child」「Down Bad」はグラミー賞「最優秀ラップパフォーマンス賞」にノミネートされ、アルバムも全米チャート1位を獲得し「最優秀ラップアルバム」にノミネートされています。
J. Cole - MIDDLE CHILD (2019)
D-Day: A Gangsta Grillz Mixtape
今作は、タイトルから連想される通り、DJドラマが2000年代に脚光を浴びたミックステープシリーズ「Gangsta Grillz」の後継となっており、ドラマは先日行われたグラミー賞で受賞したTyler, the Creatorのアルバム「Call Me If You Get Lost」でもホストを務めて話題になりました。
Tyler, the Creatorのアルバム「Call Me If You Get Lost」の記事はこちら。
余談ですが、DJドラマはドリームヴィルのリリースとしては、JIDのアルバム「DiCaprio 2」(2018)に続き2作目となっています。
またアートワークはKD Designsがデザインし、レーベルメンバーの(左から)Cozz、Ari Lennox、Omen、Bas、J. Cole、JID、Lute、EARTHGANGが、DJ Dramaをバックに戦争を想起させるものに仕上がっています。
これはアルバムタイトルの「D-Day」にちなんだもので、1944年にイギリス、カナダ、アメリカ軍が第二次世界大戦を終わらせるためにナチス占領下のヨーロッパに侵攻したノルマンディー上陸作戦、通称「D-Day」のことを指しています。
今作には、レーベルメンバーに加え、2 Chainz、A$AP Ferg、G Pericoらがゲスト参加しており「Stick」はSheck Wesらしいクラブヒットの予感がする楽曲となっています。
Dreamville with JID feat. Kenny Mason, Sheck Wes & J. Cole - Stick (2022)
また先行でリリースされていたJ.コールの「Heaven's EP」(2021)は、MVも公開され、Drakeのアルバム「Certified Lover Boy (2021)」に収録されている「Pipe Down」をビートジャックしています。
J. Cole - Heaven's EP (2021)
Drake - Pipe Down (2021)
終わりに
今作のリリースから数日後、J.コールの地元であるノースカロライナ州で「Dreamville Festival」が開催されました。
同フェスは2019年に初開催され、翌年はパンデミックの影響で中止となり、約2年振りの開催となりました。
Dreamville Festivalを指揮するAdam Rodneyは、次のように明かしています。
今回のフェスは2日間に渡って行われ、新旧のアーティストが勢ぞろいし、DJドラマのパフォーマンスではLil Wayne、Jeezy、T.I.が往年の名曲を披露しています。
YouTubeでライブの一部を見ることができますので、お気に入りのアーティストをチェックしてみてはいかがでしょうか。
再び注目を集めるDJドラマをホストに迎え、シーンで絶大な人気を誇るレーベル、ドリームヴィル。彼らの今後の展開に期待せずにはいられません!
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