野犬×デジタル #2ヒント編
「デジテック for YAMAGUCHI」運営事務局 兼 「Y-BASE」スタッフのハラマルです。前節は惜しくも逆転負けしてしまいましたが、若手が躍動するサイド攻撃がとても魅力的で、見ていてワクワクしますね。あ、いつものとおり、レノファ山口のことです。新社長の心意気(?)により、スタジアムまで徒歩で行くと無料で観戦できる制度もできましたので、もっと多くの方がスタジアムに足を運ぶようになるといいなぁと思っています。
前回に引き続き、周南市における野犬対策へのデジタル技術の活用についてご紹介します。#1出題編はこちら。
Y-BASEでのDXコンサル
さて、前回ご紹介したとおり、周南市さんから相談をいただいた時点では、「これまでの対策では限界があるので、デジタル技術を活用したい」という内容で、具体的にどのようなことをしたいということは明確ではありませんでした。
このため、Y-BASEでの最初のコンサル時にヒアリングを中心に実施し、課題点を整理しました。
また、それぞれの課題に対して、デジタル技術を使ってどのように対策ができるのか、Y-BASEのDXコンサルが先進事例を全国調査したり、ベンダー等のパートナー企業にヒアリングしたりして、とりまとめます。
もちろん、DXコンサルタントが提示した案のどれかを実施するか、しないか、ということでもありません。デジタル技術を使って、こんなことができるようです、こんな事例もあります、ということを叩き台にして、相談者(今回の場合は周南市さん)の「こういうことも考えられないか?」とか、「なるべくコストがかからない方法でやってみたい」といった意見をお伺いしながら、具体的な対策の検討を進めていくことになります。
現在進行形ですので、あまり詳細にはご説明できないのですが、DXコンサルの様子を皆さんに知っていただくことは大変有意義ですので、周南市さんのご了解をいただき、議論の方向性の一端をご紹介します。(相談内容をむやみに公表することはありませんので安心してください。)
課題①効果的な捕獲
野犬対策に取り組み出した当初は、大型檻を使って野犬を捕獲できていたそうなのですが、設置を継続するにつれ、犬に警戒されたり、大型檻が設置できない住宅地近辺で出没があったりで、捕獲数は伸び悩んでいます。
大型檻の増設や小型檻の設置にもチャレンジしていますが、現在では効果的に捕獲できているとは言えない状況にあるようです。
また、大型檻は、仕掛けが大掛かりなため、野犬が捕獲できたら、できるだけ早く保護する必要があるそうです。
この辺り、デジタル技術を活用して改善できる余地がありそうですので、先進事例や、現在の技術でも十分に実装可能な対策について、調査をして、いくつかの案を周南市さんにご提示しています。
課題②生態の把握
捕獲するにせよ、散歩やジョギングをする人や子供たちに注意喚起するにせよ、相手は生き物で、一か所に留まっている訳ではありませんので、野犬の生態を把握することは重要です。
現在、周南市独自の通報アプリがあり、直近の通報20件分の出没情報が確認できるのですが、これだけでは生態が正確に把握できているとは言えないと思います。
市民による通報での把握だと限られた件数になります。そうなると、もっとたくさんの市民に通報アプリを活用してもらって情報提供があった方が良いように思います。
市民による通報だけでなく、カメラやセンサーを設置して、より正確な生態を把握することで、出没する時間帯や移動ルートなどを特定することができれば、新たな対策を講ずることができるかもしれません。
このため、具体的な生態把握のソリューション案を周南市さんにご提示しています。
課題③遺棄・エサやりの防止
どんなに捕獲をしても、不妊・去勢をしていないペットを遺棄したり、むやみにエサやりをする方がいると、野犬が増えてしまい、また新たな捕獲対象になってしまう可能性があります。
これまでも周知活動やパトロールをされてきているそうですが、より効果的な周知をするために、デジタル技術が使えそうな余地がありそうです。これも具体的なソリューション案を周南市さんにご提示しています。
#3へ続く
さて、このように、相談内容から、Y-BASEでいくつかの対策案を検討し、それを叩き台に具体的に周南市さんと継続的に議論しているところです。
今後、実際に対策を進めるに当たっては、担当者同士での話だけではなく、組織として意思決定していかなければいけない部分も出てきます。その中には、例えば、カメラやセンサーの設置等に係る費用の問題も含まれます。
Y-BASEへのご相談やコンサルによる技術サポートは無料で実施していますが、Y-BASE以外のリソース、つまり新しく現地にAIカメラやセンサーを設置する必要がある場合は、相談者様の自己負担となってしまいます。Y-BASEとしても、ソリューションのベンダーと、無料でトライアル実施できないか交渉するようにしていますが、そういう費用が発生するような実証の場合もあります。
また、費用と連動してきますが、どれくらいのスケジュールで実施できるかということも重要になってきます。何か新しいものを取り寄せて設置して、ということになれば、相応の期間は必要となってしまいます。
う~ん、そうなると、せっかくいいアイデアがあるのに、いざやってみるまでにお金と時間がかかってしまうのはどうかなぁ?という方には是非、この先を読んでいただきたいです!
デジタルだからこそ、直ぐにできることがあります。しかも、Y-BASEをご利用いただくことで、無料でサポートすることが可能です!それが、DXコンサルタントが周南市さんからの相談にご提示した「当面の回答」になるのですが、それは一体何でしょうか?
ヒントはこれまでの記述にあります。無料ということは、Y-BASEのリソースを使って実施できる範囲内ということです。また、課題に対する解決策のファーストステップということにもなります。
答は#3にて。