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【生成AIセミナー】生成AIの現状と可能性

お世話になります。
ながおかです。

さて今回は、5月29日にY-BASEで開催された、
”【生成AIセミナー】生成AIの現状と可能性”  の様子を記事にしました。

生成AIという、今話題のテーマということもあり、
申込者約200名(オンライン含む)と、
非常に多くの方にご参加いただきました!
本当にありがとうございます!

講師は日本マイクロソフトさんから花ヶ崎さん、
NTT西日本さんからは福井さんにご登壇いただきました。

前半は、日本マイクロソフトさんから、
ChatGPTを始めとした、生成AIの概要や活用方法についての講演、
後半は、NTT西日本さんから、
ChatGPTを業務での活用を想定したデモを実演してもらいました。

セミナーの詳細な内容については、
後日動画として掲載するため省略いたしますが、
私が特に重要と感じたこと、印象に残ったこと等、
所感を交えてご紹介できればと思います。
どうか最後までお付き合いください。

※6月8日:セミナー動画追加


生成AIの概要や活用方法について

それでは早速、セミナーの内容に入ります!

まずは、日本マイクロソフトさんより、
生成AIの概要や活用方法についてです。

はじめに、GPT-3/ChatGPTの特長ですが、
大きく3つあります。

1.プロンプトに応じ、人間が書いたような文章を高速に作成

2.大量のテキストから情報を抽出し、付加価値の高いテキストを自動生成

3.人との対話に特化したモデルの提供

やはり、まるで人間と対話しているような、
文章を生成することが大きな特徴ですね。

ただ、主に3つの注意点もあり、対策が必要です。

1.モデル作成時点以降の情報はわからない

この場合は、ナレッジ検索を利用する等、
情報を新たに追加して認識させる必要があります。
うっかり最新の情報と認識しないよう注意ですね。

2.モデルの特性に沿わない使い方では、性能を十分発揮できない

適切な方法で精度を上げるためには、どのようにAIに指示するのか、
それらの方法を習得する必要があります。
いわゆるプロンプトが、性能を発揮できるかに掛かっていますね。

3.論理的思考、複雑な計算問題はミスする場合がある

プロンプトで段階的に考えるよう指示したり、
計算機などの外部ツールと連携したりして、
単独ではできないことを補っていく必要があります。

Zero-shot CoTについて

続いて、プロンプトエンジニアリングの種類は、
要約、質問応答、分類、情報抽出と、
大きく4つあります。

既に利用されている方はもちろんのこと、
それぞれその名の通りでイメージは湧くかと思いますが、
これらの使い方をさらに応用した、Zero-shot CoTをご紹介します。

こちらは、ステップバイステップで思考を連鎖したもので、
複雑な指示にも対応できます。

そのためにも、条件やツールを予め定義する等、
プロンプトが重要な役割を果たします。

今回は、以下のプランで指示してます。

与えられた目標を満たすために、
ステップバイステップでプランを作成する。
「明日はバレンタインデーです。
デートのアイデアをいくつか考えなければいけません。
彼女はシェイクスピアが好きなので、彼のスタイルで書いてください。
あとそのアイデアを私の大切な人にメールして。」

バレンタイン、シェイクスピア等、
色んな情報が飛び交い、一見複雑でマニアックな指示ですね。

併せて、以下の条件も付与します。

以下のツールの中からプランのタスクを解決することができる。
タスクの解決に必要ないツールは使用しなくてよい。

1.ツール名:「ブレインストーミング」、
  ツール説明「アイデアをブレインストーミングすることができる」
2. ツール名: 「メールライティング」、
  ツール説明「メールの本文を書きます」
3.ツール名: 「シェイクスピア」、
  ツール説明「テキストをシェイクスピア風のテキストに変換します」
4. ツール名: 「メール送信」、
  ツール説明「メールを送信することができる」
5.ツール名: 「ショッピング」、
  ツール説明「通販サイトを利用することができる」

その結果、以下のプランが提示されました。

1.ブレインストーミングを使用して、
  バレンタインデーのデートのアイデアを考える。
2.シェイクスピア風のテキストに変換するために、
  シェイクスピアツールを使用する。
3.メールライティングを使用して、アイデアを書き起こす。
4.メールを送信するために、メール送信ツールを使用する。

色々な指示やツールがありましたが、
指示に沿った回答をしています。
しかも、”タスクの解決に必要ないツールは使用しなくてよい。
という指示もあることから、
今回、”ショッピング”  は不要と判断しております。

仮に、より斬新なアイデアを求めた際は、
強引にショッピングも入れるかもしれないですね。

※彼女にシェイクスピアのプリントTシャツを
 プレゼントするため、ショッピングを利用する………等


さて、Zero-shot CoTは重要な機能であり、
Microsoftさんは他にも様々な手法で活用されているとのことです。

私自身も、企画の案を考えてもらう際に利用してますが、
ざっくりとしたイメージや、前提条件(今回でいうツール)を
プロンプトで指示するだけで、
精度の高い案を生成してくれることに驚きました。

情報が断片的でまだ頭の中で整理できていない、
上手く言語化できず他人に説明できない状態でも、
指示どおりにまとめてくれるので、非常に助かりますね。

ChatGPTを業務で活用することを想定したデモ


後半は、NTT西日本さんより、
ChatGPTを業務で活用を想定したデモの実演です。

①chat GPT×ナレッジ検索

まずは、通常どおりAzureOpenAIで、
「Y-BASEについて教えてください」と聞いてみました。

すると、”東京都渋谷区にあるコワーキングスペース”  と、
誤った回答になりました。


ChatGPTは2021年9月までの情報しかないので、
Y-BASEが開設された2021年11月以降の情報は、
やはり知らないようです。
今回は元から知っている情報なので、違うとすぐ分かりますが、
全く知らない情報を調べる場合は、鵜吞みにしないよう注意が必要ですね。

そこで、ナレッジ検索で確認してみます。
事前作業にはなりますが、Y-BASEの情報をChatGPTに入れて、
改めて同じ質問をしてみます。

すると、Y-BASEについて正しく回答してくれました。
さらに、出典も掲載されて信頼度もより高いです。


②AI-OCR オープンデータ加工

続いて、オープンデータを加工するため、
商業データのオープンデータを利用します。

よくオープンデータは、PDFの表形式等で展開されてますが、
中々、表の数値のコピー等、読取りが難しいです。

資料:商業統計調査、経済センサスー活動調査


これらのデータを活用するため、
まずは第一段階として、AI-OCRで表全体のデータを文字化します。

ただ、これではデータが羅列されただけで、
活用まではできなさそうです。

そのため、データの変換・出力方法を指示します。
具体的に指示し、併せて記載例があると、
より望んだ回答が得られるかと思います。 

すると、先程の羅列状態から、
一気に見やすく、操作しやすい状態になりました!

その後は、BIツールを使ってグラフ等で可視化する等、
より自分好みにカスタマイズもできます。 

他にも、組織内でKPIとした指標データや、
相関のありそうなデータとの組み合わせも、
新しいインサイトが生まれて面白そうですね。

皆様もぜひ活用してみてください。

終わりに

今回のセミナーを通じて、
ChatGPTを始めとした生成AIを上手く活用するため、
必要に感じたことは、こちらです。

・各ツールの得意分野を把握すること
・それらを活かす適切なプロンプトを作成すること

シンプルで基本的なことですが、
改めてできているか振り返ってみたいと思います。

また、各々の組織で定められたルールや規約、
利用できるツール等の環境は制限されているかと思いますが、
その環境下でもできることを最大限に発揮していきたいなと思います。

また、今回のセミナーを通じて、
生成AIを活用して業務の効率化や、新たに実装をお考えの方は、
Y-BASEがサポートいたしますので、ぜひご相談ください!
https://digitech-ymg.org/y-base/

最後までお付き合いいただきありがとうございました。