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「今行くべき山口市」でタクシー使うならコレ!

デジタル技術を活用して地域課題の解決を図る山口県のデジタルコミュニティ「デジテック for YAMAGUCHI」の中の人、ハラマルです。
個人的にレノファ山口FCを応援していますので、勝手にちょこちょこ話題に入れさせてもらっています!

さて、「ニューヨーク・タイムズ」が選んだ「2024年に行くべき52か所」の3番目に山口市が選ばれました。
降って湧いた空前の「山口市」ブーム
NHKのニュースにも取り上げられ、山口市民ではない私としても、「え、コレ、ホントに今からどうなるのかな?」とワクワクとドキドキとハラハラとヒヤヒヤが入り乱れた変な興奮状態にあります。

山口市と言えば、国宝「瑠璃光寺五重塔」ですよね。

瑠璃光寺五重塔

え?見えないですって?いやいや、白抜きのところにボワッと見えてきませんか?心の清らかな人にしか見えないとか噂が…。かくいう私も、レノファ山口FCの勝利という煩悩まみれのためか、全く見えません!
御存知の方も多いと思いますが、現在、約70年ぶりの全面工事(令和の大改修)中ということです。

そんな山口市ですが、観光客の方にたくさんお越しいただきたいのですが、市内の移動手段に不安を感じているところです。
というのも、私は、レノファの試合観戦時には公共交通機関でみらスタ(山口市)を訪れていますが、公共交通の便数や乗り継ぎに不便を感じており、結果として、試合開催時に運行しているシャトルバスを利用させてもらっています。
そういう状態ですので、観光客が増えて大丈夫かな?という漠然とした不安が。


タクシー配車アプリの登場

そんな中、2024年1月15日から、山口市でタクシー配車アプリが登場したとの情報を入手しました!
え、まさに、これに合わせたタイミング!?だとしたら、すごい時代の先読みです!

ということで、タクシー配車アプリ「やまぐちTAXIアプリ」について取材してきました。

やまぐちTAXIアプリの概要

こちらのアプリ、どうやら山口県の事業で開発されているそうなので、デジタルの伝手で県の担当者にお話を聞かせていただきました。

「やまぐちTAXIアプリ」は、より多くの県民の方にデジタル化の効果を実感していただくため、デジタル実装のモデルとなる優良事例の創出を目指す取組の一つとして実施しているものです。

そうなんですね、確かに、タクシーはいろんな方が利用しますし、今回のニューヨーク・タイムズの件で観光客の方も多く来ることも想定されますし、そういう日常の場面で、デジタルを使って便利だなって思ってもらえることは重要ですし、期待できそうですね!

具体的には、どんな取組なんでしょうか?

今回は、山口市内のタクシー事業者10社と山口市が連携して、タクシー配車アプリ「やまぐちTAXIアプリ」から配車するサービスを提供します。
利用者は、タクシー事業者に個別の電話をすることなく、このアプリで配車依頼をします。
そうすると、システム側がAIで近隣の空車タクシーを手配するので、待ち時間が少なく、タクシーの利用ができるようになるというものです。

おぉ!いや、私も、レノファの試合観戦後に、湯田温泉の方に飲みに行くことがあるんですが、そういうときに便利ですね!

笑。
そうですね、湯田温泉の活性化という別の観点からは、そういった御利用もウェルカムですし、ドンドン使っていただきたいと思います。
ただ、この取組の中心となるターゲットは、移動手段に困っている市民の方、特に高齢者になります。自家用車が運転できなくなると、通院や買い物などの移動手段に困っていらっしゃいますし、今後、ますますお困りになる方が増えてきます。そういうところに対策を打って行かないといけません。

はしゃいで好き勝手言ってしまいました。すみません。

いえいえ、皆さんが使えるサービスとして提供しますので、他にも、アプリでのサービス利用に馴染みのある子育て世代や、ビジネスで山口市に訪れた方、観光客、様々な方に御利用いただき、フィードバックいただきたいと思っています。

タクシーがつかまらなくなったという話は、よく聞くようになりましたね。山口市もそうなんですか?

そうなんですよ、ドライバー不足って全国で言われていますけれど、やっぱり山口市においてもそれは非常に深刻になってきていて、時間帯によっては配車希望に応えられないようになっています。
統計によると、コロナ禍を挟んで、山口市でもタクシー運転手さんが約2割も減少したそうです。

え、そんなにですか!?
確かに、それだけ減っていると、タクシーを利用しづらくなっているんでしょうね…。

そうなんですよね。
例えば、電話をかけてもタクシーがつかまらなくなったら、公共交通を使わなくなってしまう危険性もあります。
若い世代の方は、自分で自家用車を運転するから良いかもしれませんが、そういう世代が高齢者になった頃、周りに公共交通がなくなっていたら生活ができなくなるかもしれません。公共交通の存在意義自体の問題になってきます。
今までだと、1社1社個別のタクシー会社に電話をして、利用者が空車を探す必要がありましたが、このアプリを使うことで、周辺の空車状況の中から近隣の空車タクシーを自動的に手配してもらえるっているのは、非常に利便性が高まるのではないかと期待しています。

そうですね、利用者にとって非常に便利になりそうですね。

利用者だけじゃなく、タクシー事業者としても、需給のミスマッチがなくなって利用者が増えることも期待されます。
また、今回、AIで配車をしているのですが、到着地点を指定することで、次にその車両が空車になる時間帯が割り出せるので、到着後の予約も受けられるようになります。
利用者にも、事業者にも「win-win」になるサービスではないかと期待しています。

いやぁ、タクシー配車アプリって、都市部では使われているんでしょうけれど、遂に山口市でもサービス提供されるようになったんだなぁと。

そうですね、タクシー配車アプリ自体は、全国でも利用が進んでいますし、実は、山口市・防府市でも使われている事業者はいらっしゃいます。
今回の取組は、それとは一線を画していて、山口市という地域全体で、タクシーの供給量が減少している中でも市民の移動手段の確保が必要だということで、複数の事業者が同業者・ライバルとしての垣根を越えて、一緒に課題解決しようという取組です。

なるほど!確かに、そういうアプリって、一般的には、利便性の向上を図るという目的はあるでしょうが、顧客の囲い込みができるというメリットがあるから取り組むものなんでしょうね。
そうすると、複数事業者で取り組むと難しそうですね。例えば、このアプリを使うことで、もしかしたら事業者によっては「お客さんを他の会社に取られた」みたいなことも生じるかもしれませんね。
それって、非常に難しい課題じゃないですか!?

そうなんです、そこは非常に難しい問題です。
そういう観点から、今回の取組は、全国的にも珍しいし、チャレンジングなものだと思っています。
ただ、やっぱり地方では、どの分野においても担い手不足と需要の減少が進んでいて、お客さんを取り合っているだけでは企業も地域も存続できない時代になっています。みんなで地域の産業を守っていく、そういうモデルを作っていかないといけないという強い使命感があります。
それと、今回、たまたまニューヨーク・タイムズで採り上げていただくタイミングと重なりましたが、観光客の方が、この街に来てよかったなと思っていただき、SNSで発信したくなる、リピートしたくなる、また、山口市にお住いの方には、便利な街だな、住み続けたいなと思っていただける、そういう体験を作ることでお客さんを増やしていくということをしなければなりません。
今回、ありがたいことに、山口市やタクシー事業者の方たちも、その辺り、非常に理解していただいているところで、事業者数でいうと10社ですが、実は山口市内を走るほとんどのタクシー車両に参加いただいています

担当者の熱量が伝わってきますね!
確かに、こういうモデルは作っていく必要がありますし、行政に期待されているものも大きいでしょうし、頑張っていただきたいです。
モデルと言われていましたが、山口県内他の地域にも横展開できる可能性もありますし、是非、うまくいくように舵取りをお願いします。

・・・ニューヨーク・タイムズの特集と重なったのは、偶然だったみたいですね(笑)

やまぐちTAXIアプリの利用方法

ところで、肝心のアプリの利用方法を教えてもらえますか?
いや、聞かなくても、タクシー配車アプリという名称で、なんとなく想像はつきますが。記事的に。

はい。アプリをインストールして配車依頼をするだけですよ(笑)。
位置情報を利用して現在地を示せるので、後は行き先を指定すれば、AIで配車されて、待ち時間が分かるようになります。
お迎えに行く場所も、現在地じゃなくて位置を指定することもできます。
今回、実証実験なので、配車機能に絞ったシンプルなアプリとなっています。シンプルなので、触ったらすぐに分かります。多分、説明は不要ですね。
う~ん、ニューヨーク・タイムズの特集が予想できて、外国人の方がたくさん来るっていうのがあらかじめ分かっていたら、キャッシュレス決済のことも考えたんでしょうけれど…ちょっと、そこは想定外でした。

いや、そこを予想できてた人はいないと思いますよ!
みんなびっくりしてコメントしていますからね。

それと、私も「やまぐちDX推進拠点『Y-BASE』」に携わるようになって分かったのですが、プロトタイプでコアな部分だけを実証するって非常に重要なことですよね。
例えば、この実証を通じて、皆さんがアプリを利用してタクシーを呼んでもらうと、山口市全体で、どの曜日・どの時間帯に、どの程度タクシー運転手が不足しているのか見えてきますよね。
そしたら、次の新しい打ち手を考えたり、例えば追加でキャッシュレス決済の機能を搭載できる費用と見合うのかといったことも判断できますね。
というわけで、できるだけ多くの方に実証に参加していただきたいですね!

アプリのスクショ

やまぐちTAXIアプリの今後の展開

この実証が3月末までのようですが、その後の展開を教えてくれますか?

はい、今回の実証は、2024年3月末までとしていますが、その後についても効果を見極めて継続していきたいと考えています。
ただし、予算措置や県議会での議論もありますので、確定した段階でお知らせしたいと思います。
担当としては、実証して「ハイ終わり」では意味がないと思っているので、アプリのPRもしっかりやりながら、実装に向けて取り組んで行きたいと思います。
次のステップとしては、このシステムをベースに、中山間地域の移動手段の確保につなげていきたいと考えています。

実証実験で終わらせるには非常にもったいない取組です。是非、引き続き頑張ってください!
私としては、何と言っても、レノファ山口FCの試合観戦にアウェイから来られたお客さんが、試合後に観光地を巡ったりするのに、タクシー配車アプリが喜ばれるんじゃないかと期待していますので、ホント、頼みます!!!

シェアサイクルもあるよ

さて、タクシーについてお伺いしてきましたが、個人的には、山口市内の散策については、シェアサイクルもあって、以前、note記事にも書かせていただいたので、こちらもおススメしておこうと思います。

こちらも実証中ということですが、多くの方に利用してもらって、実装につながると良いなぁと思います。
HPだと、テキストでいろいろ書いてあって、ポートの場所は市外の方には分かりづらいので、アプリを入れてしまってマップで見た方が早いと思います!

こっちも、みらスタに試合観戦に行くのにちょうどいいですね!

まとめ

ということで、「今行くべき山口市」では、地域課題を解決するため、事業者がライバルの垣根を越えて協力し合う、困難だけれども地域を存続させるためには非常に重要な実証実験が行われています

…そういう難しいことは考えずに、山口市に来られた際は、お気楽に「やまぐちTAXIアプリ」を御利用ください。
実装に向けてうまく進むよう見守っていきたいです。

それと、確か、山口市に来られる際は、みらスタでレノファ山口FCの試合観戦もしてねというお話でしたね。←違

やまぐちTAXIアプリについてはこちらをご覧ください。