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事故から約25年たったチェルノブイリを見学【SIMフリースマホと欧州ぐるぐる旅/中山智】

旅バカライター中山が、2013年に欧州に約1ヵ月滞在したときの旅行記です。現地SIMの通信プランや各種価格は当時のもの。週刊アスキーPLUSで連載した記事の再掲ですが、3年近く経過しているので、デジタル&SIMフリースマホ事情をふくめいろいろと情勢はかなり変わってきていますので、【3年たって……】を文末に追記しています。

 ドイツの展示会取材にかこつけて日本に帰らず、欧州をぐるぐる回ってしまおうという今回の旅。お次はポーランドのワルシャワから飛行機でウクライナの首都キエフに向かいます。

 ポーランドに続き、ウクライナも初訪問。初めての国に行くときはネットでプリペイドSIMの買い方や、その国の通信事情などをあらかじめ調べてから行くようにしているのですが、ウクライナについての情報はネット上にあまり見つけられず、結局、通信環境に関してはノープランで空港に降り立ちました。

機内食はパンひとつ

↑ワルシャワ-キエフはウクライナ国際航空を利用。フライト時間は1時間ちょっとなので、機内食はパンだけ。

 入国審査と税関を抜けて到着ロビーに出ると、白タクのおじさんたちが声をかけてきます。基本的に空港で声をかけてくる白タクはぼったくりなどトラブルが多いので、無視して空港のインフォメーションコーナーへ。そこでSIMを売っているところがあるかと聞くと、出発ロビーの売店で売っているとのこと。

空港売店に突入

↑出発ロビーにあった売店。見渡しても売店らしきところはここしかありません。

 早速移動し、売店の店員さんに「プリペイドSIMを売ってくれ! インターネットのできるやつ!」とオーダーし、渡されたのが『life』というキャリアのSIM。さらに店員さんに「インターネットを申し込むならチャージも必要」と言われたので、100フリヴニャのチャージ用カードも購入します。合わせて130フリヴニャ(約1560円)でした。

lifeのプリペイドSIM

↑lifeのSIMパッケージ。キリル文字はさっぱりで、ボクには顔文字にしか見えません。(・д・`)

チャージ用のカード

↑こちらはチャージ用のカード。このほか50フリヴニャや10フリヴニャなどの単位でも売ってました。

 売店を出たら、早速、空港の椅子でSIMのセットアップ。通常サイズとmicroサイズの共用タイプだったので、microSIMのサイズで切り抜いてXperia Z Ultraに装着しました。「セットしたら111に電話して開通して」と店員さんに言われていたため、その通りに電話。開通作業では言語が指定できたので英語に切り替えます。

 次に、チャージ用カードの裏面にあるスクラッチ部分を削ってPINコードをチェック。通話アプリからPINコードを入力すると、SMSが届き、100フリヴニャが無事、チャージされました。

 さて、ここからが問題。このままネットにつなぐとパケ死してしまうので、定額サービスかパケットパックを申し込む……というのがプリペイドSIMでの定石です。ただ、SIMのパッケージを開いても、キリル文字で何が書いてあるのかさっぱりわかりません。

説明もキリル文字!

↑かろうじてAPNは“internet”であることはわかりましたが、それ以外はチンプンカンプン。

 とりあえず、記載されている数字“*123*6#”と電話マークが怪しいなと、通話アプリでダイヤルしてみると……ビンゴ!! 定額サービスなどの申し込み画面が表示されました。しかもちゃんと英語表記になっていたので、これならなんとかわかります。

データ定額発見!!

↑申し込み画面を入力していくと、何種類かプランありました。このなかから1週間定額の“Unlimited Internet Week”を選択。

1週間定額は350円

↑1週間定額は29フリヴニャ(約350円)。キエフ滞在は5日間なので、100フリヴニャもチャージする必要なかった……。

 1週間定額を申し込むと、SMSで申し込み完了のお知らせが届きました。あとはAPNなどの設定をするだけ。設定項目は下記の通りです。

APN:internet
ユーザーID:空白
パスワード:空白

 さて。これでネットへの接続が完了したのですが……アンテナピクトは2Gの“E”マーク。速度を計測してみると、下りで0.15Mbpsほどしか出ません。ツイッターのタイムライン更新やメールの受信などは問題ないですが、ウェブサイトの表示や、SNSへの写真付きの投稿などはかなり時間がかかり、エラーになってしまうことも。

2Gで激遅っ!!

↑LTE天国だったポーランドから来ただけに、余計に遅く感じます。

 もしかして空港の周りが郊外だから2Gなのかな……と、空港からバスと地下鉄を乗り継ぎ、予約したアパートまできてみましたが、表示は2Gのまま。どんな電波が飛んでいるんだろうと、利用可能なネットワークを検索してみたところ、ほどんど2Gで3Gはひとつだけ。とりあえず通信はできるので、スマホからのネット環境はこのままにしておくことにしました。

3Gの電波がない……

↑W-CDMAの3Gを提供しているのは、TriMobというキャリアだけのようです。

 さて。今回ウクライナに来た最大の目的は、『チェルノブイリツアー』に参加すること。現地ツアーに申し込めば、立ち入り禁止区域に指定されたチェルノブイリ地区に行けると知り、事故から25年たった今、現地がどのような現状になっているのか、自分の目で見てみたいと思ったからです。

 ツアーの申し込みは『SunWayTour』というツアー会社に、日本からネットで行いました。今回は英語を話すガイドさんが付いたグループツアーに申し込んだので、ツアー代金は160ドル(1万6000円)でした。

 ツアー当日は、キエフ市内の指定されたホテル前に、8時45分集合。ごく普通の観光バスに乗り、キエフからおよそ110㎞離れたチェルノブイリに向かいます。バスの中では原発事故についてのビデオが流れたほか、ガイドさんから注意事項の説明を受けました。

バスでチェルノブイリへ

↑キエフの北にあるグレーのゾーンが、発電所を中心に設定された立ち入り禁止区域。

 立ち入り禁止地域の前には検問所があり、ここでツアー名簿とパスポートのチェックが行われました(検問所での撮影は禁止なので写真はありません)。

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