ブンチャー(ベトナム)【旅すれば満ぷく/吉田友和】
第6回
3回の世界一周を含め各国を旅して回った吉田さん。自身を「食いしん坊」というほど食にもこだわりがあり、食を旅の重要なポイントと位置づける吉田さんが、世界各地で味わったオススメの「満ぷく料理」を紹介します!
第2、4金曜日更新
<著者:吉田友和>
それを食べたいがために渡航を計画するほどのお気に入り料理である。日本でもどちらかといえばラーメンよりつけ麺派なので、初めて食べてすぐに虜になった。ブンチャーは「ベトナム風つけ麺」などとしばしば称される。同国の首都ハノイの郷土料理だ。
ベトナム料理というとヘルシーなイメージが根強い。そのせいか、日本でもとくに女性からの熱烈な支持を集めているわけだが、ブンチャーはむしろ男性向けのメニューだと思う。一言でいえば、ガッツリ系の一品である。とにかく量が多く、食べきれないほど。そういえば、当連載のタイトルバナーもブンチャーの写真だ。これぞ、「満ぷく料理」の代名詞的存在と言えるだろうか。
ブンチャーの「ブン」とは麺のこと。以前に「ブンボーフエ」の回でも書いたが、ベトナムの北部地域で食べられている米の麺である。コシがないぼそぼそ系の麺は食感が軽く、ばくばく食べられるのだが、お米の麺なのでそれなりにお腹にたまる。
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