
アプリ利用者を増やすのに今後効果的なのはスーパーアプリ(Super App)にミニアプリとして入ること!
今(に始まったことではないですが)、デジタルマーケティング界隈では力のある企業がスーパーアプリ戦略を掲げ、ビジネスを推進している傾向にあります。
そこで企業が自分たちのアプリをもっと多くの人に使ってもらいたいと思う場合、力のあるスーパーアプリにミニアプリとして入ることを検討してみても良いのではないでしょうか。
スーパーアプリが浸透していけば、アプリの淘汰が進むため、今のうちに長い物には巻かれておく戦略が功を成す可能性は大いにあるのです。
スーパーアプリとは何か?
そもそもスーパーアプリとは何かといいますと、もともと中国の「WeChat」や「Alipay」が、その構想をスタートさせたと言われていますが、ようはひとつのアプリに、これまでだったら別アプリになっていたような色々な機能が統合されている、何でもできちゃう便利アプリのことを指します。
日本のスーパーアプリで最も身近な例で言うとLINEかなと思っています。
使っている率が高いのでご存知の方、多いと思いますけど、LINEって、今は友達とチャットするだけのアプリではないんですよね。
めっちゃ色々なことが一つのアプリでできるようになっています。
これは去年の話ですけど、乗り換え案内ができるようになったり。
他にもQRコード決済の「LINE Pay」、株取引「LINE証券」、ポイント還元「LINEポイント」、デリバリー宅配「LINEデリマ」、、、いっぱいあって書ききれないくらいのことが、LINEアプリを1個ダウンロードしただけでできるようになってきています。
スーパーアプリになれる条件
目指すのは自由ですが、実際に使われないと意味がありませんので、基本的にスーパーアプリはダウンロード数が多く、頻繁に利用する人が多いアプリである必要があります。
この点、中国の「WeChat」や「Alipay」は決済として日常的に使われているのが功を成しました。(中国では日本よりもはるかにキャッシュレスが普及しています)
そこで同様に日本でも決済アプリである「PayPay」や「d払い」アプリが同じようにスーパーアプリを目指そうとしている傾向が見受けられます。
もちろんダウンロード数が多く、頻繁に利用する人が多ければ良いので、決済アプリである必要はありません。
天下のGoogleもスーパーアプリ計画を進めています。
先に述べたLINEも今後はYahooとの統合を控え、まずますそのスーパーアプリ戦略を加速化していくのだとか。
また、最近はLINEやGoogleほど規模が大きくなくても、そこそこの利用者がいるようであれば、戦略的にスーパーアプリを目指す企業も出始めています。
こちらはビジネスチャットアプリで日本シェアは一位のチャットワーク。
2020年12月期 第1四半期決算説明資料にてビジネス版スーパーアプリを目指すことを掲げていました。
ミニアプリとは何か?
そのスーパーアプリに対して、取り込まれる側のアプリをミニアプリと呼びます。
具体的にはLINEアプリに取り込まれたジョルダン乗換案内なんかがミニアプリとなりますね。
ジョルダンは独自でも乗換案内アプリをリリースしていますが、このようにLINEのミニアプリにもなることで、販路を拡大し利用者増、収益増につながります。
どうやってミニアプリとして入るか
となりますと、力のあるスーパーアプリにミニアプリとして入りたい企業はいっぱいいらっしゃるのではないかと思います。
しかしスーパーアプリ運営企業はビジネス戦略上、グループ企業を優先する姿勢を持つ企業が多いです。
そこで、その合間を縫うような業務提携、場合によっては資本提携など企業間交渉が最も重要です。
ここからは法人営業・ビジネス交渉の世界ですが、相手にもメリットがあることを伝えながら粘り強く交渉するしかないでしょう。
そして提携が決まった暁には、それぞれの技術者が(他のスーパーアプリに先を越されないよう)迅速に連携して開発を進める必要があります。
ちなみに、今後こうしたスーパーアプリが自分たちのアプリにミニアプリとして入るための技術情報を提供し、審査制かもしれませんが、中小企業などにもミニアプリとして入る道が開かれるかと思います。
スーパーアプリ企業と接点のない企業はその機会を逃さないようにすることが重要かもしれませんね。
Webサイトの力が弱まりアプリが力を持つ時代が到来する
社会は資本主義ですから、大きなものに小さいものが取り込まれるのが世の常。
それが、アプリにおいても起きているということです。
ただし注意しておきたいのは、このままアプリがスーパーアプリとして力を持ち始めますと、人々はそのスーパーアプリで全てを済ませてしまいますから、今後いわゆるWebサイトの力は弱まっていくだろうと私は考えています。
つまりスマホを取り出して、これまでだったらSafariとかChromeでWebサイトを訪問していたユーザーが、そうしたブラウジングアプリの利用頻度を減らし、スーパーアプリの使用で時間を消費するようになってきているということなんですよね。
これが意味することはWebサイトだけでマーケティングしていると取り残されてしまうかもしれないということです。
例えば人気SNSアプリのInstagramでもショッピング機能や注文機能が付加されるようになりましたが、今後はWebサイトと同じくらいアプリにもマーケティング対策をしていかないといけない。
そしてスーパーアプリの話で言えば、使用率が高そうなスーパーアプリに目を付けて、それにミニアプリとして取り込んでもらえるようなことを考えておいた方が良いと思います。
あるいは取り込んでもらえるのが難しいのであれば、そうしたスーパーアプリに広告を出せないか考えてみる。
LINEアプリならスーパーアプリ化して行ってもLINE広告で対応できそうですし、PayPayならおそらくYahoo広告が対応しそうですね。
InstagramはすでにFacebook広告が対応しています。
デジタルマーケティング担当者としてはやることが増えて大変かもしれませんが、過渡期はどうしてもその傾向がありますので、今後のビジネス変化を要チェックです。