【Pick Up記事】試合を感じるデバイス
パリ2024パラリンピックが8月28日から9月8日まで開催されました。10月24日からは、全国障害者スポーツ大会も予定されています。
テレビや広告で障がい者スポーツについて取り上げられている状況から、以前にも増して国内での関心が高まっていると感じています。
今回のPick Up記事は、選手ではなく、『観戦者』に焦点を当てた内容です。
視覚障がいのある観客がどのようにスポーツを楽しむかという視点も必要ですし、当事者が感じる楽しさや課題を知ることはより多くの人々にスポーツの魅力を伝える一助となると思います。
今回のPick Up記事
世界中のスタジアムに、視覚障がいのあるスポーツファンがいます。試合を観戦する際には解説者や周囲の人の説明を頼りにすることが多い中、より公平な競技場を作ろうという動きがあります。
課題
世界には4,300万人の視覚障がい者がいると推定されており、イギリスだけでも32万人が視覚障がい者として登録されています。
視覚障がいのある観客のために、イヤホン経由で副音声を届けるクラブボランティアがいますが、歓声にかき消されることがありました。
課題に対する実践
アイルランドのスタートアップ企業、フィールド・オブ・ビジョン社が、視覚障がいのあるファンが試合を「感じる」ことができる手持ち式の触覚フィードバックデバイスを開発しました。
特注のカメラがピッチ上の動きを追い、AIが認識した動きをデバイス上の磁石入りコマで再現します。
実践の結果
デバイスを試用したことで、ボールがどこにあるのか、何が起こっているのかといったピッチ上の状況を実際に触って感じることができるようになりました。
将来の展望
フィールド・オブ・ビジョン社は、サッカーやライブスポーツが、誰にとってもより利用しやすいものになることを望んでいます。このデバイスを世界の主要なスポーツすべてに対応させ、スタジアムやライブ会場のインフラとして標準的なものにしたいと考えています。より多くのスタジアム、より多くの国、より多くのスポーツに拡大する計画を立てています。
ここ最近は、スタジアムにおいて車いす用の観戦席が用意されていることが一般的です。このデバイスは一歩進んで視覚や聴覚を補う方法で最大限楽しめるように工夫されており、スポーツ観戦の醍醐味である「感じる」ことをさらに多くの人にもたらしてくれます。
娯楽の形が移り変わっていく中で、デジタルデバイスも日々進化していきます。技術を駆使し、スポーツが誰にでも公平に楽しむことができるコンテンツになることを願うばかりです。
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