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【サーバーサイドGTM】Google広告 リマーケティングタグの設定方法まとめ

今回もサーバーサイドGTMの話題になります。

9月頭からサーバーサイドGTMで
Google 広告のリマーケティング タグがリリースされました。

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今まではコンバージョントラッキングタグのみでしたが
いよいよリマーケティングタグも来たわけです。

機能的にはコンバージョントラッキングタグと
似たような仕組みになっています。

サーバー用コンテナを介したGoogle広告のトラッキングの仕組みについては
以下の記事を参考にしてみてください。

例によって設定自体は簡潔ですので
さらっと見ていきましょう。

事前準備

設定自体は簡単と言ったものの
そもそもサーバー用コンテナが使える状態になっていないと
話は始まりません。

ここは
Google Cloud Platform(GCP)との連携やカスタムドメイン設定など
ややハードルは高いですが必須の設定になります。

サーバー用コンテナを使うための設定方法は
Facebook コンバージョンAPIの記事で詳細に説明しております。

Google広告 コンバージョントラッキングの記事でも記載しましたが
該当部分は下記になります。

1. GTMでサーバーサイドのコンテナを作成
2. Facebook コンバージョンAPI用にGA4プロパティを新たに作る
3. GCPで新規プロジェクト作成とお支払い設定(要クライアント作業)
4. サーバーサイドのGTMとGCPをプロビジョニングする
5. GCPとDNS管理画面でのカスタムドメイン設定(任意だが推奨)←今回は必須
6. クライアントサイドのGTMでGA4設定タグとGA4イベントタグを作成

例によって「5」はFacebook コンバージョンAPIを実施するだけなら任意でしたが、Google広告系の設定をしたいのであれば必須です。

では設定をみていきましょう。

リマーケティングタグの設定

サーバー用コンテナ>タグ
から『新規』をクリックします。

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『タグの設定』をクリックし「Google 広告のリマーケティング」を選択

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ここからは通常のクライアントサイドGTMで
設定するような項目とほぼ変わりません。

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『コンバージョンID』を入力して
トリガーを設定すればもう完了です。

・・・

「はやっ!」

そう。設定自体は簡単ですね。

動的リマーケティングの設定をしたい場合も
クライアントサイドGTMと同様です。

『動的リマーケティング イベントデータを送信する』
(クライアントサイドでは『Send dynamic remarketing event data』)
にチェックを入れて各種変数設定すればOKです。

なお、変数は「イベントデータ」か「カスタム構成」かを選択出来ます。

「イベントデータ」の場合は
クライアントサイドのGA4から「event_name」と「value」を
送信していれば自動でそれを拾ってくれます。

・・・うれしい!

↓サーバーサイドの図↓

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↓サーバーサイドの図↓

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例えば、クライアントサイドGTMでGA4 イベントタグを
以下のように設定していれば、event_name(ここでは add_to_cart)と
value(ここでは500)の値を勝手に読み取ってくれます。

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カスタム構成を選んだ場合は
イベント名(event_name)とイベント値(value)を
自分で設定することが可能です。

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また、これもクライアントサイドと同じですが
カスタムパラメータを設定することもできます。

動的リマーケティングを従来のパラメータで実施している場合は
こちらを使うことになります。
(「従来の」というのは、例えば小売であれば『ecomm_prodid』や『ecomm_pagetype』『ecomm_totalvalue』などのパラメータを使用している場合です)

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設定は以上になります。

簡単な仕組み

仕組みについては最初にも述べたように
Google広告 コンバージョントラッキングタグと
非常に似ています。
(というかデータのやり取りの過程は同じ)

1. クライアントサイドのGA4タグからサーバー用コンテナにデータ送信

書いたとおりですが
クライアントサイドのGA4 イベントタグを経由して
イベント名など必要なパラメータをサーバーサイドに送ります。

※もちろんGA4 設定タグの方も完了している必要あります。
以下のような形でサーバー用コンテナのエンドポイントURLに向かってデータを送信する設定をしておきます。
(詳しくはFacebooコンバージョンAPIの記事を参照)

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2. サーバー用コンテナがデータを受信

3. リマーケティングタグが起動

GA4タグから取得されたデータを使用して
サーバー用コンテナの『Google 広告のリマーケティング』タグが起動します。

4. ブラウザに命令出す

ここが厄介なのですがざっくり書くと
『Google 広告のリマーケティングタグ』が、ブラウザへ、
「必要なサーバーへリクエストしてね~」

と命令を出します(シグナルを送ります)

5. ブラウザがリクエストをGoogleサーバー(doubleclick.net)に送信

Google広告 コンバージョントラッキングと同じように
ここでもdoubleclickドメインが出てきます。

実際、レスポンスを見るとdoubleclickドメインにリクエストするようにブラウザに命令しています。

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これはサイト側のNetworkを見ても確認できます。

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また、実際にNetworkログからも
ブラウザからGoogleサーバー(doubleclick.net)へのリクエストがあることが分かります。

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「なんでせっかくサーバー側で設定しているのに
わざわざブラウザとのやり取りを経由しないといけないのか?」

というのは至極真当な疑問ですね。

・・・

まずなんでdoubleclickが出てくるかというと
これは筆者も定かではないのですが
doubleclickドメインと通信しCookieを活用することで
ビュースルー系のデータやクロスサイトのプロファイル

構築していると考えられます。

ただし、サーバー用コンテナからdoubleclick.netのCookieは処理できません。サーバー用コンテナは1st Party Cookieしか扱えないためです。。

そのため、ブラウザからdoubleclick.netにリクエスト送信することで
3rd Party の文脈でCookieを読み取る必要があります。

というわけで少なからず
まだ 3rd Party Cookieに依存していることになりますね。

仕組みとしては以上になります。

まとめ

最後に書いたように、
今回のサーバーサイドGTMのリマーケティングタグについても
コンバージョントラッキングタグ同様に、
3rd Party Cookieに依存したソリューション
のようです。

CVタグについてはサーバー側から発行された
Cookieも使用していたりとメリットもありましたが
リマーケティングタグについては正直あまり”旨み”がないようにも感じます。
(そんなことないよ~という場合は教えてくださいm(_ _)m)

そのため、個人的には
「Google広告まわりのタグを、サーバーサイドで統一したい!」
というこだわりがなければ
リマーケティングタグは急いで移行する必要はないと感じております。

それよりも、Facebook コンバージョンAPI のGoogle版である
拡張コンバージョンAPIを構築する、などの方が有意義かもしれません。

APIを使わない通常の「拡張コンバージョン」は
それほど難しくなく設定できるかと思いますが、
これは結局ブラウザ依存なので
Facebookでいうところの「詳細マッチング」になります。

一方、「拡張コンバージョンAPI」を設定できれば
FacebookのコンバージョンAPIのようにサーバー間でデータをやり取りして
ユーザーをマッチングすることが可能になります。

この辺りの話もいつかできればと思います。
今回は以上です。

Bye, bye.


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