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実際に使用している3Dプリンターについて


こんにちは。
3D歯科です。

最近ではニュースなどでも入れ歯が3Dプリントできるように!
歯科の矯正用マウスピースは3Dプリンターを利用して作っている!
などと、3Dプリンターについて情報を見ることが多くなってきました。

少し前まではミリングマシン(ジルコニアやテックの削り出し機器。高額。)
が新製品が多かったのですが、どうしても高精度な機器は値崩れしにくく
大手のラボや医療法人などしか導入しにくい印象でした。

しかし、最近にどんどん発表されている歯科用3Dプリンターは
はじめ100万円程度だったのが50〜60万でも入手できるように
手頃なモデルが増えてきています。

また、ミリングマシンと違い3Dプリンターは
手入れも楽でメンテナンス代がかかりにくいという
ありがたい特徴があります。
材料のレジンも、テックや人工歯として使える素材も
歯1本あたり100円ほどと低価格になってきました。

さて、わたし 3D歯科 が使用する3Dプリンターは
どのようなものと思われますか?


答えは、なんと3万円です!
そうです、300万円でも30万円でもない、3万円です。

モデルはやや古いですがELEGOO MARS PROという
Amazonで入手できる民生品です。
つまり医療機器ではありません。

そんなオモチャのようなので診療に使えるのか!?と
先生方からの声が聞こえてきそうですね。

では、先生方が医院で3Dプリンターを活用するとしたら
どのような用途のためでしょうか。

まさか口腔内スキャンデータで3Dプリントし
それを技工士さんに渡して銀歯を作ってくれ!というような
使い方をすることはないでしょう。

わたし 3D歯科 の医院でよくある用途は
1、小児・成人矯正の治療状況の確認
2、嘔吐反射の強い方などへのマルモ作り
3、保険請求しないテック作り
4、3Dコピーデンチャーを作り各個トレーとして利用(今後詳しく解説します!)
5、デジタルワックスアップしたものを模型出力し治療に活用する(これも解説します!)
などです。

どれも患者さんのお口の中で、
最終補綴として直接に機能させるものを作るわけではない
という特徴があります。

テックはプリントしてそのまま患者さんへセットしますが、
正直、わたしの手作りのテックよりも数倍良いものが入ります
(ユニファストからのテックは得意でなくお恥ずかしいです)
コピーデンチャーもチェアサイドで使い、患者さんに渡すことはありません。

その程度なら、低価格の3Dプリンターでもなんとかなるのかな。
ということはわかっていただけたかと思います。

さて、次に先生の気になるのはその精度ではないかと思います。
これに関しては、5年ほど前に海外の先生が
自前でマウスピース矯正のアライナー製作用の模型を
同様の低価格3Dプリンターで作っているのを見聞きして
わたしも検証をしてみました。

自分の上顎の歯のスキャンを3Dプリンターで模型にし
それと別に、ソフト上でスプリントを作り3Dプリンターで出力。
それぞれ適合するのか確認したことがあります。
結果は、模型レスで、3Dプリンターで作ったスプリントは
わたしの歯にも適合し、3Dプリントで作った模型にもフィットしました。
この経験から、用途さえ守ればホビー用の3Dプリンターは
十分に診療の手助けになる、ということがわかりました。

ただし、もちろん医療用のものではありません。
わたしも用途によっては技工所に依頼して医療専用3Dプリンターで
出力していただくことも、しばしばあります。
(特にインプラントオペで使うサージカルステントなどは外注します)

ですがメリットとして、とにかく手の出しやすい価格で
今後、歯科に絶対に必要になる3Dプリンターのノウハウを
周りのドクターより早く蓄積できるという、大きな利点があります。

これは実際に使うまでわかりませんでしたが、この手の機器は
導入さえしたらボタン一つで簡単に完成品ができる、
というものではありません!
実は 3D歯科 も、技工士さんもですが
たくさんのミスと検証の上で、精度を高めて
なんとか上手く作れるノウハウを蓄積しているのです。

そのため、まずは簡単に触って使ってみて
どういった機器なのかを低価格の本体と、低価格のレジンで
試してみることを強くお勧めします。


また、 3D歯科 も、おそらく先生方も、
機器の保守料金は、憎むべきものと思います・・・
ホビー用のELEGOO MARSシリーズなどは
買い切りで保守料もなく、パーツもAmazonで購入でき
トラブルがあっても1、2日でパーツが届くという
メーカー保守並みの対応を受けることができます!

先生方も、用途をしぼって、練習相手として
低価格3Dプリンターの購入はいかがでしょうか。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今後も 3D歯科 では
先生の臨床に少しでも役に立てるような情報を発信していきます。
今後もよろしくお願いします。

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