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デジタル活用支援員に必要なこと

どうも、デジタルバカ一代こと佐々木信秋です。
岩手県のはじっこでまちづくりの仕事をしています。
この記事では「デジタル活用支援員に必要なこと」について書きます。

デジタル活用支援員とは?

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(総務省「デジタル活用支援員推進事業地域実証事業公募要領」より抜粋)

総務省が検討を進めている政策です。
正式な定義などは2021年4月時点で検討中となっておりますが、、

デジタル活用支援員とは、高齢者に対して、住居から地理的に近い場所で、ICT機器・サービスの利用方法について教える・相談を受ける等を実施する者であり、総務省が平成30年度に開催したデジタル活用共生社会実現会議において、その具体化が検討された。

上記が概ねの定義、想定となっております。
端的に書くと「高齢者が近所のひと(地理・精神的に近いひと)に相談できるとデジタル活用が進むよね」ということです。

デジタル活用支援員の検討状況

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(総務省「利用者向けデジタル活用支援について」より抜粋)

2018年11月から5ヶ月間、合計17回の「デジタル活用共生社会実現会議」が開催され、その一部としてデジタル活用支援員の議論もされました。

そして、2020年3月に実証事業として「デジタル活用支援員推進事業地域実証事業」として公募、7月頃より事業が開始されました。(所属法人のトナリノも実証事業団体として参加をしています)
その実証結果を元に議論を進め、2021年以降の制度や事業検討が進んでいます。

デジタル活用支援員の方向性としては大枠で

(1)携帯電話販売店が担う
(2)(1)以外の企業、自治体、社会福祉協議会等が担う


上記2パターンの検討がされています。
コロナ禍の影響もあり、2021年度は全国1,000箇所での講座開催を目指しているようです。

デジタル活用支援員に必要なこと

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前述の通り実証事業に参加をさせていただいている関係で、デジタル活用支援員にいち早く挑戦をさせてもらいました。
その経験から「デジタル活用支援員に必要なこと」がいくつか見えてきたので、書いておきます。(当然、検討中のものなので、今後変わることは大いにあると思いますが・・・)

(1)デジタルスキルよりもコミュニケーションスキル
デジタル活用支援をするのだから、デジタルに強い企業、専門性があるひとじゃないと!、となりそうですが、支援する内容が「生活に必要な基本的なデジタル活用」なので、正直「そこそこ詳しい、使いこなしている」くらいでいいです。
それよりは「高齢者にわかりやすく、寄り添える」スキルが重要です。
例えば社会福祉協議会やシルバー人材センターのような「デジタルより福祉領域」の団体や個人がすごく適性があると思いました。

(2)高齢者のモチベーション維持
コロナ禍の影響もあり、多くの高齢者がデジタル活用に関心を持ち、講座に積極的に参加をします。
しかし、講座が終わった後に自宅に戻ると「スマホやタブレットを使わない(元の生活に戻る)」ということが多発すると思われます。
重要なのは講座もそうですが、生活の一部になるまでのサポートです。
例えば、講座を終了した参加者でLINEでグループをつくり、日常的にコミュニケーションを取ることで「デジタルに慣れる」期間は必要になります。
また、「デジタルを活用している高齢者」に講師になってもらい、モデルケースを示すことも効果的だと思います。(若いひとだから使える、と思っている高齢者も少なくないので・・・)

(3)地域性に合わせた複数年の事業計画
デジタル活用支援員は主に高齢者が支援対象ですが、地方や過疎地域になると「そもそも地域全体でデジタル活用が進んでいない」という課題もありますので、高齢者以外も支援対象になるケースが多くなると思います。

また、1年実施したからデジタルが定着するか、といえば間違いなく複数年におけるこつこつとした支援活動と成果が求められますので、複数年を見据えた財源確保、事業づくりが必須となります。
おそらく「デジタル活用支援員そのものを事業化するのは難しい」と思われますので、財源を複数持つ、ボランティアに参加をしてもらう、他分野の事業と組み合わせる等、多様な資源の組み合わせと発想を持った複数年の事業計画が必要だと思います。

まとめ

コロナ禍もあり、急激にデジタル化が進む日本において、デジタル活用支援員の重要性も増してくると思いますが、必要なものとして

・デジタルスキルよりもコミュニケーションスキル
・高齢者のモチベーション維持
・地域性に合わせた複数年の事業計画


上記3点があります。
まだまだ変化していくデジタル活用支援員ですが、全国津々浦々で進んでいくといいな〜と思っています。

以上、現場からでした。

(画像クリックで「デジタルバカ一代」のサイトに移動します)

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