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アメリカのコメディショーが送るホラー映画のパロディが面白い🎬

世の中には笑えるコンテンツを扱う英語参考書が少ないように思えます。代わりに政治経済のようなお硬いトピックや絶対使わない表現(例:私はペンを持っている)がよく掲載されています。

そこで今回、ジョン・クラシンスキー監督の大ヒットホラー映画「A Quiet Place」をパロった動画が面白かったので、ご紹介します。

コメディなら飽きずに何度も観ることができますし、続けやすいんですよね。しかも英語表現は分かりやすいものが多いです。

一部のスクリプトを書き起こし、ネタの背景も解説しているので、さっと目を通してから動画を視聴すると分かりやすくなると思います。


【動画あらすじ】
Friends (Donald Glover, Cecily Strong, Kenan Thompson, Beck Bennett, Aidy Bryant) have a hard time staying quiet when they hear what Kanye West is up to.

5人の友人一行は、盲目のモンスターに襲われないように、音を立てずに行動していた。しかしカニエ・ウェストの衝撃的なツイートの数々に心を乱されてしまう。

英語:YouTube概要欄, 日本語:筆者による動画要約


元ネタの映画である「A Quiet Place」は、盲目のモンスターが生息する終末世界で、ある家族が生き残るために奮闘するという話です。

映画に登場するモンスターは目が見えませんが、聴覚が敏感という設定みたいですね。

Theatrical release poster
映画ポスター 引用元:Wikipedia

一方でパロディ動画には出てきませんが、カニエ・ウエストも話に絡んできます。

「もし投票するなら、ドナルド・トランプに投票するだろう」と自身のライブで発言し、炎上したアメリカ人ラッパーです。

今回ご紹介するパロディ動画では、彼の発言や行動がネタにされます。

カニエ・ウエスト 引用元:Wikipedia


モンスターが徘徊する夜道を歩く5人組

暗い夜道を5人の男女が歩いているところからストーリーが始まります。

音を立てるとモンスターに殺されてしまうという設定なので、みんな小声で話しています。

I'm so scared.
:私めっちゃ怖い

Shh. Don't let the monsters hear us.
:シィー!モンスター達に聞かれる

We have to be quiet.
:静かにしないと!

モンスターに見つからないように小声で話すシーン

カニエ・ウエストがトランプ支持を表明

モンスターがいるので、静かにしなければならない。

けれども、カニエ・ウエストがトランプへの支持を表明するツイートにどうしても反応してしまいます。

そして、興奮して声を荒らげてしまった男性はモンスターに連れ去られてしまうのでした(笑)

You guys…
:みんな…
Kanye just tweeted.
:カニエがちょうど今ツイートした!
He said that he would have voted for Trump.
:彼は(投票するなら)トランプに投票しただろうって言ってる

Wait, seriously? When?
:待って、本当に?いつ?

Guys. Don't talk unless it's absolutely necessary.
:みんな!本当に必要なとき以外話すな!
The monsters can't see us, but they can hear us.
:モンスター達は俺たちを見ることはできないが、音を聞きつけるぞ
If we're too loud, we'll all be killed.
:もし大きい音を立てたら、俺たちみんな殺されちまう!

Kanye has the hat. Trump signed it.
:カニエが帽子持ってる!トランプがその帽子にサインしたんだ!
He signed the hat, y'all.
:帽子にサインしたんだよ、みんな!!

Let me see that.
:それ見せて
(問題のツイートを見る)
Oh, come on, Kanye!
:おいマジかよ、カニエ!!

トランプ支持のツイートのシーン

このネタは実話で、カニエ・ウエストは自身のライブで(実際に投票していないが、もしするなら)トランプに投票しただろうと公言し、炎上しています。

危険な状況であるにも関わらず、ツイートに動揺しているという対比が非常にコミカルで好きです🤣


カニエ・ウエストがベビーシャワーに参加

カニエ・ウエストのツイートはまだ続きます。
今度は、クリッシー・テイゲンの家にカニエがいるというツイートが流れてきました。

クリッシー・テイゲンは、アメリカ人モデルでテレビパーソナリティもやっています。カニエ・ウエスト夫妻と交友関係があるようです。海外セレブに詳しくないので、世間でどのような印象を持たれているのか分かりませんが、この動画のシーンではどうやらベビーシャワーを開いているようですね。

ベビーシャワーは、これから母親になる妊婦を祝うパーティのことです。
ベビー”シャワー”と言う理由は、妊婦がプレゼントのシャワーを浴びる様子を表すことから来ています。

Guys, they're at Chrissy Teigen's house.
:みんな!やつらクリッシー・テイゲンの家にいるぞ!

No! Kanya! Leave Chrissy Teigen out of this.
:ちょっとカニエ!クリッシー・テイゲンは巻き込まないでよ!

It really feels like damage control.
:ダメージコントロールのような気がするな。

Did Chrissy Teigen cook anything?
:クリッシー・テイゲンは何か料理したの?

Gumbo.
:※ガンボ
※ルイジアナ州を起源とするスープ料理

Shh! The monsters will hear us.
:シィー!モンスター達に聞こえるぞ!

Yeah. Why are we even talking about this?
:そうよ。なんでこんなこと私達話してるのよ?

Because it's out there.
:だって常軌を逸してるから。
It's all out there.
:めちゃくちゃ異例なことだし!
And guess who was at the baby shower?
:それで誰がベビーシャワーに参加していると思う?
Jesse Tyler Ferguson.
:ジェシー・タイラー・ファーガソン

From Modern freaking Family?
:あのモダン・ファミリーの!?

ベビーシャワーのシーン

ここでいくつか気になる英語表現が出てきました。

”out there”
:ここじゃないどこか、世の中、極端な(クレイジーな)

目の前にない状態を指して”out there”と言います。

例)
”There are many specialists out there.”
:世の中には専門家がたくさんいる。

「そこの本を取って」など、目の前の場所を指定するときは、単に”there”と言うので、ニュアンスの違いに注意が必要です。

くだけた表現として「極端な(クレイジーな)」という意味もあります。

正直、”Because it's out there.”という発言は「こんなツイートが世の中にあるから」と訳すべきか、「ツイートの内容が常軌を逸しているから」と訳すべきか悩みました。

どちらとも取れる内容だからです。


カニエ・ウエストが新しい楽曲を発表

カニエ・ウエストが新曲を発表したというツイートが流れ、またもや一行に激震が走ります。

死の瀬戸際なのに、その新曲を聞くかどうかについて話し合っているのがたまらないですね😂

Kanye just released a new track.
:たった今、カニエが新曲を公開したって!

What?
:なんですって?

But we can't take the risk of listening to it.
:でもその曲を聞くのはリスクが大きすぎる
Two people just got taken by monsters.
:2人がちょうど連れ去られたばかりなのよ

I've got earbuds.
:俺イヤホン持ってる

Then queue it up, bitch.
じゃあ再生待ちリストにいれなさいよ、クソ野郎!

新曲発表のシーン

"have got something"も非常によく聞く表現です。
何か特定の物を持っているという意味ですね。

”I've got something.”
”Have you got something?”

”something”を何か物に置き換えれば、さまざまな文脈で使うことができます。ただし口語表現なので、エッセイなどには使えない点に注意が必要です。


カニエ・ウエストがトーク番組で爆弾発言

 カニエ・ウェストのツイートに動揺した人たちは次々とモンスターに連れ去られ、ついに残り2人になってしまいます。

 内1人(Donald Glover)は、最初から何もせず、カニエ・ウエストのツイートばかり追いかけているのですが、そこはコメディなので誰もツッコミません(笑)

 このシーンに出てくる”TMZ”は大衆向けのメディア(WebサイトやYouTubeチャンネル等)を運営している会社で、カニエ・ウエストは”TMZ Live”というトーク番組に出演した際に、爆弾発言を行って炎上しました。

 そのときの発言がネタにされているんですね。

Oh, no.
:あぁ、まずい
The red lights. It's an emergency.
:赤いライト。緊急事態だ!

I know.
:分かってる!

Kanye was just on TMZ, and he said slavery was a choice.
:カニエが今ちょうどTMZにいて、それで奴隷制度は1つの選択肢だったって言ったって。

Noooooo!!
:ふざけるなぁー!!

TMZでの爆弾発言のシーン


最後に

最後まで読んでいただきありがとうございました。

政治や社会問題などのセンセーショナルな問題でも、お笑いのネタにしてしまう懐の深さがアメリカンコメディの魅力だと思います。ぜひ動画を視聴してみてください。

一方で、いくら英単語やイディオムに詳しくなっても、海外の文化や背景を知らないと、みんなが笑う理由が分からないということにもなり得ます。

本記事がみなさんの息抜きと英語学習の参考になれば幸いです😄

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