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「ディグディガ」元ネタ紹介:22.5話

これは、漫画「ディグインザディガー」22.5話公開に際して、原作の栄免建設と漫画担当の駒澤が淡々と元ネタ紹介をしていくコーナーです。

前半:栄免建設(原作)

◆RRR

『バーフバリ』シリーズで国際的に高い評価を得た監督、S. S. Rajamouliによる最新インド映画。現在も公開中。3時間ド派手なアクション、熱い友情と葛藤、歌とダンスが存分に楽しめる。

とりあえず予告を見たら明日にでも見に行ってほしい。漫画担当の駒澤零には今回の話の概要を伝えた次の日に見に行かせました。

映画のネタバレはしないように思っていたが、今回の肩車やナートゥは公式が切り抜きのように公開していたので、描いてもらった。かくいう僕もこれらの動画をきっかけに映画に興味を持ったので、是非チェックしてほしい。

◆Khaiyyaam, Sahir - Kabhi Kabhie

1976年公開のインド映画『Kabhi Kabhie』のサウンドトラック。

劇中の音楽はインド映画の映画賞であるFilmfare Awardsでその年の最優秀音楽監督賞を獲得するなど、高い人気を誇るMohammed Zahur Khayyam Hashmiによるもの。

ディグディガは普段レコ屋で見つけたレコードから話を考えているのですが、今回は話先行でDIGったので、なかなか見つからず大変でした。(作中で書きましたが本当に3店舗目で見つけました)

ラブロマンス映画ということもあり、全体的に落ち着いた楽曲が多かった中、アップテンポな楽曲をチョイス。チョップしながらもサンプル元が一発でわかる感じに作りました。

◆ASA-CHANG & 巡礼 - Tsu Gi Ne Pu

東京スカパラダイスオーケストラの創立者、元リーダーのASA-CHANGを中心とした音楽ユニット。2000年に北インドの楽器であるタブラ奏者のU-zhaanが加入し、2001年2ndアルバム「花」を発表。

アニメ好きには2013年にアレンジされた花 -a last flower-としてアニメ「悪の華」EDで使用されていたのでそれで知っている方も多いのでは?アニソンではあまり見られない癖の強い楽曲はアニメファンに大きな衝撃を与えた。

ちなみに2022年に『花 - 20周年記念集-』がリリース、長谷川白紙によるリミックスなどが収録された。

今作は「花」のリリース1年後にリリースされたアルバム「つぎねぷ」から
5曲収録されたレコードで、独特の世界観で構成されたエクスペリメンタルな楽曲が収録されている。

インド楽器の中で結構知名度があるのはタブラだと思っているので、元タブラ演奏者、民族音楽とドラムンベースを組み合わせた楽曲で知られるTalvin Singhのレコードを登場させるつもりだったが、先述のKhaiyyaam, Sahir - Kabhi KabhieをDIGった時に『Tsu Gi Ne Pu』を見つけたので登場させた。

Talvin Singhの楽曲も非常に面白いのでよかったらチェックしてほしい。

◆刀ピークリスマスのテーマソング2022

ピーナッツくんがにじさんじのライバー剣持刀也に捧げた楽曲。

ピーナッツくんはアニメ、オシャレになりたい!ピーナッツくんの主人公であり、Vtuber、ラッパーとしても活躍しているキャラクターである。
おそらく現在は同アニメからの派生である甲賀流忍者!ぽんぽことのコンビ・ぽこピーでのVtuber活動で有名だが、音楽活動もかなりの実績の持ち主。

昨年は日本の人気ラッパーが集合したイベント「POP YOURS」に出演するなど、Vtuberという隔たりを超えラッパーとしても躍進している。

そんなピーナッツくんが2018年から毎年クリスマスにおこなっている配信が「刀ピークリスマス」で、こちらはVtuber事務所「にじさんじ」のライバー・剣持刀也とのオフコラボ配信になっている。

その配信の中で毎年ピーナッツくんが剣持刀也に曲を捧げるのが恒例で、毎年の楽しみにしているVtuberファンも非常に多い(というか僕自身)。
その最新作「刀ピークリスマスのテーマソング2022」が楽曲のクオリティの高さ、中毒性から、TikTokをはじめとしたSNSでバズっている。

歌ってみたやサビのダンスを真似る動画など、多くの動画が上がっている。

四季乃と年齢的に近い20代の知り合い2人に「今若い層には何が流行ってるの?」と聞いたら、なんと両方から本曲が挙げられて非常にびっくりした。

なんなら今も半信半疑なのだが….

@anovamos

はちわれって猫への勧誘をかわしまくってる

♬ 刀ピークリスマス2022 - サブ子🍃🥜

個人的に刀ピークリスマス2021年のもかなり印象深いHookで大好きなので、ぜひそちらもチェックしてほしい。


後半:駒澤零(漫画)

◆Bloodywood - Rakshak

2016年、インド・ニューデリーで結成のミクスチャー/フォークメタルバンドの1stアルバム。昨年はフジロックにも出演。

自らを「インディアンフォークメタル」と呼ぶBloodywoodは、メタルミュージックをベースにインド音楽や様々な要素を絡めた楽曲をリリースしている。単純にクソカッコいい。

この1stアルバムのジャケこそかっこいい感じになっているが、MVや他のサブスクジャケを見てほしい。そう、RRRなどと同じく、極めて絵面がボリウッド(インド映画)的なのである。

いやいやいや。いやいやいや。いやいやいや。

アバターか?と思うような謎ダンスパート。

そしてこの顔である。

音楽は死ぬほどカッコいいのに絶妙なフォーク要素が最高に悪い方向に作用してあーダッサい!!!!!最高!!!!!!となるこの感じ。細かいことはいいから皆さんもぜひ一度聞いてみてはいかがでしょうか。

◆Apogee & Perigee - 超時空コロダスタン旅行記 

"Apogee" "Perigee"と名付けられたキャラクターロボットの登場するCMから、全10曲を収録した匿名リリースのアルバム。発売は1984年。

マイルドニッカのCMキャラクターとして作られたロボットはアポジー(Apogee)が三宅裕司、ペリジー(Perigee)は戸川純が中の人を務めた。他にも越美晴、TESTPATTERNなどが参加し、匿名アルバムの実態は細野晴臣プロデュースによるYENレーベルオールスターズといった内容である。

2006年にCD版も発売されたが、隠れ名盤として密かに人気があり、現在そこそこのプレミアがついているため入手困難。わたしも欲しいです。

◆The Flaming Lips - The Soft Bulletin

The Flaming Lipsといえば、バンドと親交の深かった日本人ヨシミの死を悼んで制作された名盤『Yoshimi Battles The Pink Robots』ですが、忘れてはならない前夜のヒット作がこの『The Soft Bulletin』。1曲目の「Race for the Prize」を聴いていると不思議と涙がこぼれてくる。

青と黄色が特徴的なジャケットのアートワークは、フォトジャーナリストのLawrence Schillerが撮影した『The Acid Test』と題された写真を加工したもの。彼によれば、この写真はMerry Prankstersが行ったLSDパーティー"ACID TEST"中に、Neal Cassadyが自分の影と踊っている様子を描いたもので、オリジナルの写真は1966年のライフ誌でLSDに関する記事として取り上げられた。

Lawrence Schiller The Acid Test, Los Angeles, CA 1966, 1966

Merry Prankstersというのは1960年代に活動した、Ken Kesey 率いるアメリカのサイケデリック集団/ヒッピーコミューンのこと。NealはMerry Prankstersのバス運転手で、Jack Kerouacの小説『路上』の登場人物ディーン・モリアーティのモデルになったとされる。

著名なLSDパーティー「ACID TEST」の様子は以下の音源や、1966年リリースのLPで聴くことができる。ちなみに彼らのバスツアーはBEATLESのサイケデリック映画「MAGICAL MYSTERY TOUR」のモデルになったそう。

◆Miles Davis - Relaxin’ With The Miles Davis Quintet

昨年出たLouis Cole「Quality Over Opinion」のジャケ元ネタだと思っているがどうなんだろうか。

1950年のミュージカル『Guys & Dolls』の為に書かれたFrank Loesser作「If I Were A Bell」でスタートするマイルスの名盤。

The Miles Davis Quintet はマイルスが初めて結成した正式なバンドで、メンバーには当時まだ無名であったテナー・サックス奏者 John Coltrane、プロボクサー出身のピアニスト Red Garland、ベースにPaul Chambers、ドラムにはPhilly Joe Jonesが迎えられた。このメンバーは“ファースト・グレイト・クインテット(the first great quintet)”とも呼ばれる。

上の動画はRed GarlandとPhilly Joe Jonesはいないがほぼ同時期のもの。

本作はアメリカのジャズレーベル、≪Prestige Records≫からリリースされた4枚のアルバム『Workin’』『Steamin’』『Relaxin’』『Cookin’』のうちの一つで、発売順としては2番目に当たる。

これらはRECエンジニア・Rudy Van Gelderが所有するニュージャージー州のスタジオにて、1956年5月と10月に行われた2回のスタジオ・セッションの楽曲が収録されている。ただ、録音から発売まで2年ほどタイムラグがあったため、1958年3月の発売時にはマイルスはColumbiaにレーベル移籍していたとか。

今回のプレイリストはこちら。

以上、ディグディガ22.5話の元ネタ紹介でした。ありがとうございました!


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