映画『ジョーカー』を観たので語りたいんだけど（ネタバレあり）

映画『ジョーカー』を観た。
Twitterでなんだか「ヤバいヤバい」と騒がれていて気になったので、レイトショーに行ってきた。

で、なんというか観た人と話したくなったのでこのnoteを書いている。

この記事はネタバレを含みます。

まだ観たことがない人に話してもしょうがないので、ここから先はネタバレを含むことを書いておく。
当たり前だけどまだ観ていない人に対してネタバレをするのは良くないと思ってるので、ちょっとウザいかもしれないけど注意書きを何度か書いておこう。

この記事はネタバレを含みます。

ついでに言っておくと、この記事にはストーリーのネタバレというか、映画を観ていない人が読んでわかるあらすじも書いてません。
これから書くのでわかんないけど、たぶん書いてないんじゃないかな。
ジョーカーのストーリーは？　ジョーカーになった理由とは？　オチの意味は？　とか読みたい人は、回れ右をしておかえりください。
観ていない人は観てからきてください。

この記事はネタバレを含みます。

で、結局、この映画ってどこまでアーサーの妄想なの？
ここがわからなくてモヤモヤする。

コメディアンハウスでジョークがウケたのも妄想。
黒人のシングルマザーと付き合ってたのも妄想。
トーマス・ウェインとその妻が殺されてブルース・ウェインだけ残るのも妄想（バットマンの世界では事実）。
アーサーがいきなり笑いだしてしまう病気も妄想。

となると、映画で描かれたジョーカーの殺人事件すらあったのかなかったのかわからない。

それに最後の閉鎖病棟（犯罪病棟？）っぽいシーン、あれもいつの描写なんだろうか？
アーサーがジョーカーになる前なのか、それともなった後なのか。
なる前なら、今回のお話はちょっと現実世界とリンクさせてみた妄想。なった後なら、殺人事件はたしかにあって、ジョーカーもその流れで生まれたことになる。

が、いくら考えてもサッパリわからない。
ぶっちゃけ、どう思う？

もうひとつ気になってるのは、これもラストシーン。
アーサーが歩くたびに血の足跡が床に残るんだけど、あれ、カウンセラーをやってしまったんだろうか。
そのあとでスタッフに追いかけられてるけど、ちょっと動きがコメディっぽいし、やったんならあんな軽い感じじゃないよねぇっていう。

たぶん続編があるからああいう感じの終わり方というか、話の作りなんだろうけど、映画に「答え」があって欲しいぼくとしては、どこまでが妄想で、どこまでが現実なのかわかんなくってなんかモヤモヤするなっていうのが正直な感想。

KKO（キモくて金のないおっさん）を美化しすぎてる論について

映画を観終わったので、海の向こうから輸入された批評というか紹介話をずらーっと読んだんだけど、オルタナ右翼とか、非自発的独身者とか、まあそういうあちら側の単語が並んでたんだけど、これも響かなかった。

日本とアメリカでは環境が違うし、何よりも銃がない。
だからある日、銃をぶっ放してしまってこうなっちゃいました、っていう話に感情がついていかない。少なくともぼくは。

『ジョーカー』っていうのは、追い詰められた人間の行き着く先のひとつだと思う。
いわゆる「あちら側」と「こちら側」にいま世界はどんどん分断していってて、ぼくはジョーカーから見た「あちら側」にいると思う。

だからか、響かなかった。

逆に、ジョーカーから見て「こちら側」の人間には響く。たぶんめっちゃ響いている。なぜなら隣のお兄ちゃんがエンドロールでガチ泣きしてたから。
このお兄ちゃん、ジョーカーが笑うところで一緒に「フフッ」って笑うんだ。なんも笑えないのに笑うんだ。お兄ちゃんの感性、ジョーカーと同じなのかよ。めっちゃ怖かったわ。

まあこういうことがあるから、アメリカでは規制されてるんだと思う。感情移入した人間が、同じように銃をぶっ放すんじゃないかって。たぶん。たぶんね。
ぼくはちょうど今年の7月にニューヨークに行ったんだけど、そのときも近くのブルックリン区で銃撃事件が起きていた。
人生初アメリカで、泊まってるホテルから数キロしか離れていない場所で銃撃事件。あれは怖かった。仕事なので帰れなかったけど（それもどうなんだ）。

そんなわけで、アメリカさんではこれは大変な映画なんだと思う。
日本では、どうかな？
キモくて金のないおっさんとか、無敵の人とかが当てはまるんだろうけど、やっぱり社会構造が違うから、日本版『ジョーカー』が必要な気がする。
ぼくはそっちの方が観たいなぁ。

来週は、「異世界に転生したからビートルズになってみた」を観に行く予定。
これ、「なろう映画」って勝手に呼んでる。