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地球の内核は奇妙な自転をやめてしまったのか?

Nature Briefingは2022年12月23日に、地球の足元から何千キロも下にある地球の内部は、何かとても奇妙な動きをしているかもしれない。多くの科学者は、内核は地球の他の部分よりも速く回転していると考えている。しかし、ある研究によれば、「過去10年間のある時期に、どうやら回転が止まったようなのだ。」と、北京大学の地震学者であるイー・ヤン(Yi Yang)とシャオドン・ソン(Xiaodong Song)は言う。

その結果は、地球深部の多くの謎に光を当てるのに役立つだろう。
例えば、内核が地球の磁場の維持にどのような役割を果たしているのか、地球全体の自転速度、ひいては一日の長さに影響を及ぼしているのか、などである。

しかし、この研究は、内核の異常な回転を説明するための長年の努力の最新作に過ぎず、この問題の最終的な結論にはならないかもしれない。

ロサンゼルスにある南カリフォルニア大学の地震学者ジョン・ヴィデール(John Vidale, a seismologist at the University of Southern California in Los Angeles.)は、「我々はこの問題を解明する寸前にいるのではないかと思い続けているのです。」「しかし、私は確信が持てないのです。」と言う。

研究者たちは1936年に、地震による地震波が惑星を通過する様子を研究し、内核を発見した。
波の速度の変化から、幅約7,000kmの地球の核は、液体の鉄や他の元素でできた殻の中に、鉄を主成分とする固体の中心部があることが判明した。外核の鉄が内核の表面で結晶化すると、外核の液体の密度が変化し、地球の磁場を維持するための撹拌運動が起こると言われている。

液体の外核は、幅2,400kmの内核と地球の他の部分から切り離され、内核は自分のペースで回転することができる。1996年、シャオドン・ソンと他の研究者は、30年以上にわたって同じ地域で発生し、そのエネルギーが数千km離れた同じ監視局で検出された地震を研究していることを報告した2。その結果、1960年代以降、地震波の伝播時間が変化しており、内核が外核のすぐ上にあるマントルより速く回転していることが明らかになった。

その後の研究で、この「超回転」の速度の推定値が改良され、内核はマントルよりも1年に約10分の1度速く回転していると結論づけられた。しかし、誰もがそれに同意しているわけではない。他の研究者は、スーパーローテーションは継続的で安定した現象ではなく、2000年代初頭のような明確な周期で起こることがほとんどだと指摘している3。また、スーパーローテーションは存在せず、地震の伝播時間の違いは内核表面の物理的変化によるものだと主張する科学者もいる4。

2022年06月、ジョン・ヴィデールと同じく南カリフォルニア大学の地球科学者であるウェイ・ワン(Wei Wang, an Earth scientist also at the University of Southern California)は、この問題に新たな一石を投じた。1969年と1971年の米国の核実験によって発生した地震波のデータを使って、その間に地球の内核は「サブローテーション」していた、つまりマントルよりもゆっくりと回転していた、と報告したのである5。しかし、1971年以降になると、コアの回転が加速され、超回転を始めたという。

そして、北京大学の地震学者であるイー・ヤンとシャオドン・ソンは、内核のマントルに対する自転が止まったと言う。1995年から2021年までの地震を中心に調査したところ、内核の超回転が2009年頃に止まっていることがわかったという。この変化は地球上のさまざまな地点で観測され、内核表面の局所的な変化ではなく、まさに地球全体の内核回転に関わる現象であることが確認されたと言う。

このデータは、内核が再びサブローテーションに移行する過程にある可能性さえ示唆している。もしそうなら、内核の回転を駆動する磁力や重力に何かが起きているkもしれない。

このような変化は、内核と、地球の一日の長さの変化など、より広い範囲の地球物理学的現象とを結びつけているのかもしれない。

しかし、イー・ヤンとシャオドン・ソンが報告した変化の速度の遅さと、他の研究者が報告した変化の速さをどう折り合いをつけるかなど、まだ多くの疑問が残っている。この泥沼から抜け出すには、より多くの地震が起こるのを待つしかない。地球の心臓部の動きをモニターするには、「長い歴史の中で地震データを継続的に記録してきたことが重要である」とヤンとソンは言う。

「待つしかないのです」とヴィデールも付け加えた。

多分、同期したのだろう。

doi: https://doi.org/10.1038/d41586-023-00167-1

2003年のアメリカのSFパニック映画映画「The Core(ザ・コア)」は、回転していた地球のコアが停止、磁場が異常となり、天変地異が世界で起きると言う内容であったが、現実に止まってしまった。


そして起こったことは、アメリカ大統領の脳がトキドキ止まる程度であった。

また、日本の建築会社「コア」の頭がおかしくなり、まともな家ができなくなった。しかし、それは昔からであった。

https://www.nature.com/articles/d41586-023-00167-1

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