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ミャンマー、US$1=3000チャット台

アジア経済ニュースNNA ASIAは2023年06月23日に、ミャンマーの通貨チャットの実勢レートが弱含みである。

米ドル高に伴いここ数週間でチャット安が進み、米国財務省(US Treasury)が2023年06月21日にミャンマーの国営銀行2行を制裁対象に加えたと発表したことを受けて、一時的に混乱。

再びUS$1(約141円)=3,000チャット台に乗ったとの情報も出ている。

2023年06月22日に最大都市ヤンゴン市内の両替商を巡ると、少なくとも3店舗が同日、実勢レートでの取引を見送り、事実上の開店休業状態となっていたと報告している。

KDDやキリンなどの日本企業は、どうしようもないだろう。

ある関係者は「当局の取り締まりや抜き打ち調査が強化されるとの情報が広がっており、取引の中断を余儀なくされた。明日には実勢レートで外貨を売り買いできるようになる。」と話した。

外貨取引の実質的な指標とされる闇レートの情報サイトは、2023年06月22日午後時点の相場を1US$1=3,000~3,200チャットと伝えた。

ただ、米国による国営銀制裁に伴いチャット安が進行するとのうわさが影響しており、実際の取引は様子見の傾向があるという。

両替商の関係者は「チャット相場は不安定となっており、制裁や(マネーロンダリング=資金洗浄=やテロ資金を監視する国際組織『FATF(Financial Action Task Force/金融活動作業部会)』による2022年10月の)ブラックリスト指定など目立った動きが市場を動揺させる。商売に影響が出ないようにしてほしい」とこぼした。

実勢レートは2022年08月に暴落して一時3,000チャット台に乗ったが、年末にかけて落ち着き、ここ数カ月は2,800~2,900チャット台と安値で安定していた。米ドル高を受けて、2023年05月後半からじわりとチャット安が進んでいた。

ミャンマーでは国軍が2021年02月のクーデターで実権を握り、政情不安がチャットの暴落と不安定化を引き起こした。
国軍支配下の中央銀行は2022昨年08月以降、公定レートをUS$1=2,100チャットで据え置いており、2022年05月下旬には「公定レートを変更する計画はない」と発表した。

軍政は公定レートと実勢レートとの乖離(かいり)が進む為替市場の安定化に躍起となっており、通貨の切り下げや外貨規制の導入を行った。公定レートは2021年11月以降、1,780チャット前後としていたが、米ドルをチャットに両替することを義務付ける規制を打ち出した2022年04月に1,850チャットへと切り下げ、2022年08月には2,100チャットへと再び切り下げた。公定レートに対する売買の幅も狭く設定している。

複数のレートが併存する中、軍政の監視の目が厳しい銀行の外貨両替窓口は休業状態となっている。
チャットが過大評価される公定レートで外貨を売る人は限られ、優遇レートで外貨を購入することは「特権」として一部業種などに限られる。

国外からミャンマーの銀行口座に外貨を送金した場合、原則として公定レートでチャットへと強制的に両替される。

https://www.nna.jp/news/2534044
https://www.rfa.org/english/news/myanmar/gold-and-dollar-prices-soar-in-myanmar-07192022062928.html

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