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トランスジェニックパパイヤのゲノム修飾の解明。

米国のNSF(National Science Foundation/全米科学財団/国立科学財団)は2022年06月09日に、パパイヤの果実は、カリウム、マグネシウム、ビタミンA、Cを豊富に含んでいる
1990年代に開発された遺伝子組み換えパパイヤ「SunUp」は、パパイヤリングスポットウイルスに抵抗性を示すことから、広く知られるようになった。

2008年までにSunUpのゲノム配列が特定されたが、遺伝子導入部分がどこにあり、どのような効果があるのかは不明であった。

今回、新たな研究により、これらの変化が植物にどのような影響を与えているかが明らかになったと報告した。

パパイヤは、カリウム、マグネシウム、ビタミンA、ビタミンCを豊富に含み、世界的に生産量が増加している。パパイヤはメキシコ南部や中米(southern Mexico and Central America)を原産地として家畜化され、現在では世界の熱帯・亜熱帯地域で栽培されている。

野生のパパイヤは果肉がほとんどない小さな実だが、家畜化されたものは重さが5kg以上にもなる。

https://time-az.com/main/detail/77056

しかし、パパイヤはパパイヤリングスポットウイルス(papaya ringspot virus)に感染しやすく、成熟した果実が得られないという大きな問題があり、またパパイヤの遺伝子コードには抵抗性がなかった。

そこで研究者たちは、粒子線照射を利用した形質転換技術(particle bombardment-mediated transformation)を使って、遺伝子組み換えパパイヤ「サンアップ(SunUp)」を開発した。金粒子(Gold particles)をウイルスのコートタンパク質遺伝子で覆い、遺伝子操作をしていないパパイヤ「サンセット(Sunset)」の細胞内に遺伝子銃を用いて撃ち込んだ。そのため、「サンアップ」はウイルスの遺伝子配列を持ち、感染から守られた。

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の植物生物学者レイ・ミン(plant biologist Ray Ming of the University of Illinois Urbana-Champaign)は、「この遺伝子導入の性質を理解するために、挿入と再配列のDNA塩基配列の一つ一つを異なる技術で解読することを繰り返し、8年を要しました」「挿入は非常に複雑で、2008年にゲノムの塩基配列を決定したものの、トランスジェニック配列がどこにあるのか分かりませんでした。」と語った。

研究グループは、NSFからの資金提供により、「サンアップ」には160万塩基対の挿入があり、その中には遺伝子銃のDNA断片だけでなく、前駆品種であるサンセットの核ゲノム断片(nuclear genome fragments)やオルガネラゲノム断片(organelle genome fragments)が含まれていることを発見しました。この成果は、『Nature Genetics』誌に掲載された。

NSFのDivision of Integrative Organismal Systemsのプログラムディレクターである(Gerald Schoenknecht)は、「この研究は、粒子線照射を介したパパイヤゲノムの形質転換による変化をうまく解明し、パパイヤの家畜化について新しい洞察を与えてくれます。」と語っている。

これほど大規模な挿入があるにもかかわらず、遺伝子操作によって遺伝子の発現に変化は起こらなかったと、研究者らは述べている。
「すべての遺伝子配列を調べましたが、ゲノムの機能には何の影響もありませんでした。」「SunUp」と「Sunset」を比較したところ、発現が異なる遺伝子は20個だけで、これはトランスポゾンを介した再配列(transposon-mediated rearrangements)によるもので、粒子線照射を介した形質転換による遺伝子操作のものではありません。」

「トランスポゾンを介した再配列は、自然に起こり、時間の経過とともに緩やかな変化をもたらしますが、これは、「SunUp」と「Sunset」が30年間成長し、分岐してきたことから予想されることです。」とレイ・ミンは述べた。

おかげで私たちは、美味しいパパイヤを手に入れることが可能になった。

私がパパイヤを最初に食べたのは、スリランカのトリンコマリ(Trincomalee)であった。道路脇に多く生えていて、誰がとって食べても良かったので、ヨーグルトを買って、毎朝1個食べていた。海に行けば、ものすごい数のナマコがいて、それを自由にとって食べて良かった。仲間にナマコ料理のうまい人がいて、毎晩食べていた。
魚は、網を弾くのを手伝うと、くれた。

買うのはただ同然のエビやカニだけであった。

今思えば、あれは天国であった。

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