見出し画像

ネブカドネザルによるエルサレム包囲の地図

イスラエルの国立図書館「The National Library of Israel(イスラエル国立図書館)」は2023年07月27日に、イスラエルの国立図書館で所蔵されている18世紀に出版された「ネブカドネザルによるエルサレム包囲の地図(Map of Nebuchadnezzar's Siege of Jerusalem)」を公開した。

ネブカドネザルのエルサレム包囲を描いたこの作品は、18世紀初頭にフランスの修道士で神学者のオーギュスタン・カルメット(Augustin Calmet)が編纂した聖書辞典(Biblical Dictionary)に掲載された。

地図は1732年の英訳版。地図のタイトルは「ネブカドネザルによるエルサレム包囲(The Siege of Jerusalem by Nebuchadnezzar)」で、表記はエルサレムの包囲と破壊、ユダの追放について書かれた列王記下25章を指している。

エルサレムは城壁に囲まれており、小さな川が街の2つの丘を隔てている。

街は高台にある。

城壁の内側には、大きな公共建造物(おそらく神殿)のある高台がある。

街の通りは見えず、家々はそれぞれ個性的で、中世ヨーロッパの建造物や塔に似ている。

地図には3本の川が1本に合流している。
これらの川は、今日私たちがキドロン谷(Kidron Valley)、ヒノムの谷(Valley of Hinnom)、ティロポエオン谷(Tyropoeon Valley)と呼んでいるものに対応していると推測される。
地図の視点は上から斜めになっている。

ネブカドネザルのバビロン軍(Nebuchadnezzar's Babylonian army)は、混雑した雑然とした都市とは対照的に、非常に組織化されている。軍隊は巨大で、エルサレムのほとんど、あるいはすべてを包囲している。さらに、都市を囲む堤防が描かれている(列王記下25:1「また、その周囲に砦を築いた」に基づく)。地図の中央には、バビロニアによるエルサレム攻撃(Babylonian attack on Jerusalem)の始まりが描かれ、エルサレムの住民が抵抗しようとしている様子も描かれている。

このエルサレム地図は、キリスト教の教義におけるエルサレムの重要性を強調する数多くの古地図のひとつである。

この作品は、ここに描かれた出来事に立ち会ったわけでもなく、実際にはエルサレムを訪れたことすらない信仰者によって描かれた。

このことは、エルサレムに関する多くの類似の絵や地図についても言える。 しかし、オーギュスタン・カルメの研究は科学的に重要なものであり、聖書の学術的研究の先駆者とされている。

カルメはフランスのカトリック修道士であり神学者で、歴史や神学に関する本、旧約聖書と新約聖書の注解書を出版した。1725年から1731年にかけて出版されたこの聖書辞典(This biblical dictionary, published between 1725 and 1731)は、アルファベット順に並べられた記事やエッセイの集大成であり、さまざまな人物の伝記や、考古学、地理学、聖書のさまざまなテーマに関する文章が収められている。この辞典には、イスラエルとその周辺地域の地図、国内各地の名所(エルサレム、カルメル山、オリーブ山、ナザレなど)、聖書の場面や登場人物、ユダヤ教の儀式風習などが描かれた約100点の版画が含まれている。

この本は、確か復刻版も出版されている。
ルーペで見ると、何が見つかるか楽しみな本である。

https://www.abebooks.com/art-prints/Antique-Print-TITLE-ENGRAVING-CALMETS-RELIGIOUS-DICTIONARY-Calmet-1725/22589553868/bd
https://www.abebooks.com/art-prints/Antique-Print-DEDICATION-PAGE-CALMETS-RELIGIOUS-DICTIONARY-Calmet-1725/22589553869/bd
https://www.kedem-auctions.com/en/content/bible-dictionary-augustin-calmet-–-leiden-and-amsterdam-1725-1731-–-engravings-including
https://www.baumanrarebooks.com/rare-books/calmet-augustine/dictionary-of-the-holy-bible/101314.aspx

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?