毛皮の衣服を作るために使われた骨製の道具の歴史は、世界最古のファッション史。

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米国のNSF(National Science Foundation/全米科学財団/国立科学財団)は2021年10月05日に、モロッコの洞窟で衣服を作るために使われていた骨製の古代の道具道具が60個以上発見され、研究結果、それが12万年前までさかのぼることが発表されたと報告した。

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これは、新しいファッションの歴史と言える。

https://time-az.com/main/detail/75331

衣服の発明は、人類の歴史の中で画期的な出来事であった。しかし、衣服に使われた毛皮などの有機物が考古学的に保存されている可能性は低く、衣服の起源についてはまだよくわかっていないのが現実である。

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今回、アリゾナ州立大学の古人類学者(Arizona State University paleoanthropologists)が中心となって行った研究では、12万年前にさかのぼり、衣服の最古の証拠となる可能性があることが明らかになった。

この研究は、NSFからの資金提供を受け、iScience誌に掲載されたもので、2011年にモロッコのコントルバンディエ洞窟(Contrebandiers Cave, Morocco)から出土したものである。その中には、60個以上の骨製の道具と、クジラ、イルカ、ネズミなどの鯨類の歯から作られた道具が含まれている。



また、洞窟内で発見された何千もの骨片の中には、肉食動物の骨を切断した跡があり、これは骨が肉として加工されたのではなく、毛皮のために皮を剥がされたことを示唆している。これらの道具と皮を剥がされた骨は、考古学的記録の中で最も古い衣服の証拠となる。

考古学者たちは、初期の人類が更新世のアフリカから新たな生態学的課題のある新しい環境にニッチを拡大するためには、衣服の発明が不可欠だったと考えている。

NSFの行動・認知科学部門のプログラムディレクターであるジョン・イエレン(John Yellen, a program director in NSF's Division of Behavioral and Cognitive Sciences)は、「今回の研究は、人類の文化的複雑性の発展における汎アフリカ的な役割の重要性を強調するとともに、初期の人類がどのようにして異なる地域や環境に進出することができたかを明らかにするのに役立ちます。」と述べている。

モロッコのコントルバンディエ洞窟(Contrebandiers Cave, Morocco)の緯度、経度。
33°55'21.3"N 6°57'51.0"W
または、
33.922575, -6.964175

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