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(軽)自動車税ってなんだ??

毎年この時期になるとやってくる自動車税。持っているだけで税金がかかると気がめいってしまう人もいるかと思いますが、今回はこの自動車税について説明していきたいと思います。


自動車税と軽自動車税

地方に住んでいると普通乗用車と軽自動車の2台持っている人がかなりいます。これらの人は5月のこの時期2通の納付書が郵送されてきます。
よく見ると片方はお住いの都道府県から片方はお住いの市町村からの郵送となっています。これはどういったことでしょうか。

結論からいうと普通乗用車に係る自動車税の納付先は都道府県、軽自動車に係る自動車税の納付先は市町村となります。

いずれも自動車にかかる税金でかつ地方税という国税よりもすこし認知度がさがる税金で少しわかりずらいですが、分解していきましょう。

自動車税について

さて普通乗用車にかかる自動車税は都道府県税になります。自動車税は地方税法4条の規定により以下のように定められています。

地方税法第4条第2項
道府県は、普通税として、次に掲げるものを課するものとする。
第8号 自動車税

一部抜粋

これを見て東京都は該当しないのか??と疑問符がついた方は非常に法律解釈論が上手な方です。もちろん東京都も該当します。これは地方税法の以下の規定により準用されます。

地方税法第1条第2項
2 この法律中道府県に関する規定は都に、市町村に関する規定は特別区に準用する。

一部抜粋

したがって4条2項8号の規定により都道府県により自動車税が課されます。

また一般的に自動車税の納期限は5月末日であることが多いですがこれについては地方税法第177条の9により5月中と定められています。しかし条例で各都道府県が別で定めることもできます。たとえば青森県は自動車税の納期限が6月末となっております。

自動車税の税額についても地方税法に規定があり原則は地方税法第177条の7に規定されています。

都道府県税といっても地方税法の法律で縛られていることが多く条例で別で定めることはあまりない税金となります。

軽自動車税について

次は軽自動車税についてですが、実は軽自動車税も自動車税と同様に地方税法にその根拠が示されています。

地方税法第5条第2項
市町村は、普通税として、次に掲げるものを課するものとする。
第3号 軽自動車税

一部抜粋

そして納期についても地方税法第463条の17において記載がありますが、実は法律上4月中が原則で、条例により別に定めることできるとなっています。

これは少し以外な事実かもしれませんが実務上は軽自動車税も条例で5月末までの納期限にしている市区町村が多いかと思います。

軽自動車の税額についても地方税法第463条の15に規定があります。
ここで注目すべきは自動車税にはなかった

【標準税額より50%までは市区町村の条例により増額することができる】

旨の規定です。
つまり軽自動車税については、市区町村の判断により標準よりも容易に高く設定することができます。調べてみると自分の自治体が他よりも高いなんてことも実はあったりします。

軽自動車の一部の地域では車庫証明が不要という話を聞いたことがあるのではないでしょうか。

これはいままで説明したとおり、軽自動車と普通乗用自動車はそもそもの管理主体が違うことからこういった違いが発生することになります。

まとめにかえて

そもそも自動車税・軽自動車税は財産税としての意味合いや応能負担の原則により、道路をよく使用する自動車を所有する者が道路の補修にかかる税金を負担するということから課される税金であることに違いはありませんが、軽自動車と普通乗用自動車は管理徴収主体に違いがあります。

これは我々の感覚からするとどちらも同じではないかと感じますが、軽自動車については歴史的な背景が少し違うようです。

というもの軽自動車税は自転車荷車税(昭和33年廃止)から端を発していることから他の法律で規制される普通自動車とは取り扱いが違うということになります。

国税の差し押さえにおいても軽自動車は動産として扱われることから普通自動車とは取り扱いがそもそも違います。こういった違いは今後なくしていく必要もあるのではないかとの意見もありますが、現在および過去の制度を知ることは今後どのような制度がよいかといったことを考える手助けになるのではないでしょうか。仮に統一されたとしても我々の生活にはあまり影響ないのかもしれませんが。






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