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ガキの頃メチャクチャ怖かったヤツ

私は下手ながら絵を描く人間でもある。
しかも下手なくせに(?)キャラクタの全身を描くときは、なるべくつま先まできちんと描くタイプである。
正直、足を描くのが下手くそ人間なので許されるなら描きたくないのだが、『描かねばならぬ』という強迫観念めいた思いがそこにはある。

何故か?
それは幼少期に読んだとある短編漫画に起因している。

我が家の方針だったのか、はたまた漫画一冊程度買い与えるのすら億劫だったのかは知らないが『自分だけの漫画』というのを持っていなかった。
それでも娯楽が全くない環境だったという訳でもなく、両親も漫画読みだったので漫画そのものは常に周囲にあった。
私は暇なとき(というより活動時間の殆どを)漫画を読むことに費やしていた訳だが、その漫画群の中にあったのが☝上記の渡千枝先生の『闇からの招待状』というコミックスだった。多分、母親がファンだったのかもしれない。
んで、この『闇からの招待状』に収録されている『戦慄の夜のために』という連作短編の第2話『半身像』が、長らく私の中でトラウマとなり、さらに『人間の絵を全身描くときはちゃんとつま先まで描いてあげないといけない』という呪いにもなった。
詳しいあらすじはコチラのサイト様に頼らせていただくが(あらすじを改めて書くのも怖い)、この話に出てくる【不気味な女の絵】が本当にマジで怖すぎたのがいけない。

南条という翻訳家が中古で買った本棚の裏に描かれていた薄気味悪い女の油絵が物語の起因となるんだが本当に気持ち悪い。渡千枝先生の画力が高い故に。
画像貼るけど本当にキモいから視覚的なホラーが苦手な人は注意してよね!!何がキモいって目が特にキモい。

こっち見るな

南条さんは本棚買うときに裏側を見なかったのだろうか。
まァ、中古の本棚買うような人なのでそういうの気にしないのかもしれない。
要するに、理由は知らんけど元の持ち主に中途半端に描かれて放置されてしまった彼女は『ワイに足を描いて完成させてくれメンス!』とあの手この手で訴えてくるんだが、その手段がパワープレイすぎる。
夢の中に出てきて足を引っ張るのは百歩譲って許すが、寝ている人間を道路まで引き摺っていって足を轢かせようとするのは反則ではなかろうか。
口で言えばいいのに…(ロボカス)
話のオチはあえて伏せるが、とにかくこの話のせいで私は長らくトラウマと『足は絶対に描く』という強迫観念を抱えることになったのだった。
全身絵描くときは絶対につま先まで入れてるのに(多分)、足の描き方はいっこうに上手くならなかったし、成長と共にずる賢さを身につけ『じゃあ最初からバストアップで済ませばいいじゃん』という姑息な手段に出始めるんだが…(ダメじゃん)

ていうか今改めて見てもクッソ怖いし、やっぱ足はちゃんと描いてあげないといけないなと思った。
渡千枝先生にはコレの他にも、なんか木の幹(恐らく)に浮き出ながら通りゃんせを歌うおかっぱの女の子とか、防空壕に閉じ込められて飢えから餓鬼堕ちした少年とか様々なトラウマを植え付けられた記憶があるので、今度トラウマ克服も兼ねてもう一度コミックスを入手して読んでみようと思う。

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