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医師がコロナに感染し、自宅療養中に3カ月の乳児を含め家族全員が感染することになった話 ―自身の経過―

 これまでコロナ感染することなく過ごしていた勤務医ですが、特に感染者との接触の身に覚えなく、突然コロナに感染し、症状が出た話です。妻と乳幼児を含めた4人の子供と一戸建てに暮らしており、家族の中で私が最初の症状出現者でした。

 基礎疾患もなく、どちらかというと体力に自信のある自分としては、自分のことよりもいかに家族の中で広がらないかが心配でした。診断された当日の朝まで、家族といつも通り接していたため、いまさら別の場所に隔離しても手遅れだろうということで、私だけが自宅の2階の個室内でひきこもることで自宅療養をすることとしました。

発熱と解熱剤について

  •  さて、その後の自身の経過ですが、すでにコロナ感染をした友人から、「とにかく最初の3日間は熱が出てしんどかった」と聞いていました。私は普段風邪を引いた際に、“発熱は免疫力を高めるためのものなので、基本的には解熱剤で熱を下げない”ことにしているのですが、これまでコロナ感染を経験した医師や患者さんの話を聞いていると、免疫力が高まろうがそうでなかろうが数日間は高熱が続く、ということなので、その間は積極的に解熱剤を使うこととしました
     自宅にカロナールとロキソニンがあったため、まずは副作用の少ないカロナールを飲むこととしました。診断された日は夕に自宅に帰った後、カロナール 400㎎(200㎎ 2錠)を2度にわたって内服し、とにかく熱を下げて寝ることにしました。

食事について

 食事については、感染の初期にはうどんだけを食べ続けました。これは正しいことかどうかはわからないのですが、体がウィルスと闘っている間、可能な限り消化に体力を奪われないことが大事と聞いたことがあったので、普段から風邪をひいた際は、消化の良いうどんだけを食べ続けることにしています。
 過去に胃腸炎になった時に、元気になってきて、欲を出してうどんに肉や卵を追加したところ、いったん収まっていた腹部の症状が再燃したこともあって、タンパク質の消化は負担になると実感していたので、とにかく感染の初期はうどんだけを食べ続けることにしました。
 今回のコロナウィルスの療養中、食欲は落ちなかったのでうどんを食べることにしたのですが、もし食欲がなければ無理に食べる必要はないと思います。体が回復してくれば自然に食べられるようになりますし、食欲が出てくれば快方に向かっている、と実感できます。

 コロナ感染の診断を受けたとき、まず妻に「数日分の冷凍うどんを買って来てほしい」とお願いしました。

 個室で自宅内で隔離することにしていたため、食事は妻が作ったものを部屋の前に置いてくれ、基本的に顔を合わすことなく過ごしました。うどんだけを3色食べ続けると飽きてきますが、めんつゆ、ポン酢を交互にすることで、2-3日はうどんだけで過ごせます。

その他必要だったもの

 個室で隔離生活をするために、2リットルの水のペットボトルを用意してもらい、飲み切るたびに水道水を補充しました。ペットボトルは注ぎ口に口さえつけなければ、常温でも少なくとも1日は置いておいても問題なく飲み続けられます。

自分の症状について

 結局、私に出現した主な症状は、発熱・頭痛が主なもので、咽頭の違和感・咳と痰もありましたが、つばも飲み込めないほどの咽頭痛ではありませんでした。ただ発熱時は頭痛がひどく、結局診断日を含めて5日間は解熱剤を飲み続けました。結局、カロナール 200㎎を1シート分(10錠、1回2錠で5回分)とロキソニンを6錠、消費することになりました。
 過去にNSAIDSと呼ばれる解熱剤・消炎剤の副作用を引き起こした患者さんを診たことがあったので、すぐにロキソニンではなく、カロナールから飲み始めることにしましたが、ロキソニンに切り替えた後の方が症状はとても楽になったので、はじめからロキソニンにしていてもよかったかもしれません。また、カロナールは400㎎ずつではなく、もっと多くの量を飲めばより効果があったかもしれませんが、すぐに飲み切ってしまうのを恐れて400㎎ずつ飲むこととしました。

私のその後の経過について

 特に最初の5日間は、発熱・頭痛がひどくて、 “ただの風邪”というには辛い症状でした。すでに感染した人たちの体験談よりも数日長く発熱がありました。5年ほど前にインフルエンザにかかってしまったことがありますが、この時と同じくらいの症状だったと思います。
 それでも解熱剤が効いている間は、しんどいながらも起き上がり、パソコンの画面を見たりすることができたので、診断された日からネットの映画などを見て過ごしていました。3日目くらいまでは集中して考えることはしんどかったので、仕事に関することや頭を使う本を読むのはしばらくやめていました。
 また3日目からは、うどんだけでなく、納豆や肉などのたんぱく質も徐々に摂り始めました。
 6日目には、解熱剤なしでも平熱を維持することができ、落ちてしまった体力を回復するために、部屋の中でできる筋トレ(スクワット、腕立て、腹筋)を始めました。またこの日から、読書やオンライン英会話も再開でき、頭を使うことができるようになりました。
 私が勤務している病院から、10日間の自宅療養を明示されていましたが、7日目には保健所から連絡があり、「明日以降、療養解除です」と連絡がありました。

同居している家族はどうなったか?

 発熱が出なくなって以降は、10日間の自宅療養に向けてリハビリなどしながら、せっかく頂いた時間を楽しむつもりでいましたが、新たな問題が出現しゆっくり休める状況ではなくなりました。自宅内にいた残り5人がどうなっていったのか、次回書かせていただきます。

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