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シネマ飛龍革命 『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト 』
カタギとして真っ当に生きていても、何かにつけて揉め事を目にする機会が多い。
相手の目を見てタイマンをしたことがないシャバ僧ほど、回りくどい当てこすりやら味方の数で勝負をつけようとする。
まるで放課後の学級会じゃねえかと言いたくなるが、集団生活をしている以上、ある意味大人として正しい姿勢なのかもしれん。
だが、ストリートを生きる者としてはアウトだ。
例えば、目の前で繰り広げられる揉め事をドミニク・トレットが見たら、どう言うだろうか?
彼なら、多分こういうだろう。
「ケリをつけよう…レースで!」と。
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…という訳で、今回は絶賛上映中の「ワイルドスピード/ファイヤーブースト」をご紹介したいと思います。
気が付けばシリーズ通算10作目!
向かうところ敵なしのドミニクファミリーに対するは、凶暴なヒゲギャル=モモアマン!
全てを燃やし尽くす復讐のバイブスで殺戮アゲパーティを開催するのが主なあらすじだ。
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タイトルはファイヤーブーストと実に景気がいいが、おかげさまで序盤からローマ教皇が失神するのではないか?と心配になるほど世界遺産を擁するバチカンを大破壊!
『信仰より車』というマニフェストを観客相手にブチ上げていく。
車も映画も、交通法規をガン無視しているのも本作の見どころ。
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キャプテン・ストリートと化した超人走り屋ヴィン・ディーゼル、ステイサムのピンポン即逆ギレ、シャーリーズ・セロンVSミシェル・ロドリゲスの姐御BREAKING DOWN、ジョン・シナの爆発子守…と観た後に二の句が継げないアッパーな展開が目白押しだ。
ずいぶん前からピリオドの向こう側へ行ってる感があったが、本作の鑑賞体験はもう『映画を観る』というより『映画をキメる』という表現に近い。
実写版こち亀といわんばかりの映像と掟破りな演出の連続で、脳が焼かれるだろう。
シリーズ恒例の「作中の運転をマネしないでね」というナレーションがあるが、誰も街を転がる中性子爆弾を車で止めようと思わないから安心してくれ!
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また製作陣の後付け、荒唐無稽を全く恐れないワイルドな姿勢は、場合によって賛否が分かれるかもしれん。
もう付き合ってられん!となる人の気持ちも分かる。
だが、頭空っぽのほうが夢を詰め込めるように、本作にはストリートの夢が詰まっている。
『金で全ては買えても、ストリートは買えない』という劇中の腰にくるセリフも、冷静に考えると意味は分からないが夢に溢れているのは確かだ。
これこそが陽キャ・陰キャ問わず、アクセル全開にさせるワイスピ引力なのかもしれない。
そして「ここぞ!」という時に、ちゃんとレースをしていた頃の流れるニトロをカメラが追う初期ワイスピの演出をブッこんでくるのは、あざといと分かっていても、実にブチ上がる演出だ。
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「いくら何でもsee you againし過ぎだろ!」となるものの、それはそれとして「さあ役者は揃った!」となる本作。
最終作への繋ぎの作品であるが、観たいもんは観た!と消化不良どころか腹一杯になるので、安心してほしい。
ブーストの後に待っているのは爆走のみ。
鑑賞後、「良いだろう、ワイスピ…腕を見せてみろ。」と腕組みしながら続編にも期待したくなる作品ですよ。
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