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ダンジョン&ドラゴンズ5E用サブクラス案:秋森の章

はじめに

初めまして、Kasumiと申します。普段から知り合いとシステムを問わずTRPGをやって回っている中で、思いついたデータなどがちまちまあるのをデータとして再出力する次第です。
今回はそれぞれ、ドルイドのサブクラス『戦巫の円環』、ローグのサブクラス『暗がりの凶手』、レンジャーのサブクラス『ガンナー』を紹介します。

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『戦巫の円環』

荒ぶる巨像との戦いは最終局面を迎えていた。
見上げるような青銅の巨体のあちこちには大穴や刀傷。無事な部分はほとんどない。
だが味方も状況は同じ。既にウィザードは呪文を使い切り、ファイターも底力を振り絞ったあと。パラディンも最後の癒しの手の残りを出し切って……。
かろうじて幸いなことは、ウィザードの呪文が生み出した蔦が、巨像の両足を縛り付けていることで。
だがそれが、今まさに振り下ろされようとする巨拳を押し止めるには頼りないとわかっていた。
だが、魔女じみた帽子を被ったドルイドが不意に走り出す。
仲間の制止を払うように巨像の足へと杖を叩きつけた直後、蔦は巨像の両腕にまで伸び、絡みついた。
あらぬ方向の壁に叩きつけられた拳の音こそ、反撃の号令であった。

トリアエのバードの語る歌物語

戦巫の円環のドルイドは、自然との調和や野生の尊厳を守るため、自ら武器を手に取り戦場の先陣を切る者達だ。
彼らは自然の力を自らに宿し、敵対者の力を封じて優位を取ることを得意とする。
彼らの代名詞として語られるのは、"杖を剣のごとくに扱う"というもの。
それは彼らの勇猛さと、呪文も接近戦も多芸にこなすことを称えたものである。

Lv2 巫剣の心得

君は杖を剣のように使うと語られる戦巫の武技を学ぶ。
君はドルイド呪文の発動用の焦点具として自身の近接武器を使うことができるようになる。
また、君がクリーチャーに近接攻撃を行う際、既に何らかの状態(プレイヤーズ・ハンドブックの付録A参照)にある場合、以下のどれかの効果を得られる。
レベル10以降は、以下より二つを選択できるようになる。
・君はその近接攻撃に有利を得る
・ダメージを受けたクリーチャーが次に行う攻撃ロールに不利を与える。
・君が行うダメージロールに対して、呪文スロットを一つ使用済みにすることで、その呪文スロットのレベルに等しい[d8]ダメージを追加する。
君はこの能力を習熟ボーナスに等しい回数まで使用でき、小または大休憩を経ることで使用回数は回復する。

Lv2 巫術:再生

君は乱戦の中でより多くの傷を癒やすコツを覚える。
戦闘中、君がHPを回復させる効果を含む呪文を使用した際、君から半径5ft(1.5m)以内にいてHPが回復したクリーチャーは、追加で(2+君の習熟ボーナス)だけHPを回復する。

Lv6 追加攻撃

君は自分のターンに攻撃アクションを取るたびに1回ではなく計2回の攻撃を行うことができるようになる。

Lv10 巫術:転化

君は隣接する仲間に魔力を分け与えることができるようになる。
君はレベル10以降、ボーナスアクションを消費して、隣接するクリーチャーの呪文スロットを回復させることができる。
対象のクリーチャーの呪文スロットを2つまで指定する。
君はそれに+1したレベルの呪文スロットを同じ数消費することでそれらのスロットを回復させることができる。
(例:仲間のウィザードのレベル3呪文スロット1つとレベル4呪文スロットをそれぞれを回復させる場合、君はレベル4と5の呪文スロットをそれぞれ1つ消費せねばならない)

Lv14 巫術:精霊の衣

君の周囲には常に自然の生命力が漂い、それは君自身と君が仲間と認めたものの傷を癒やし、苛む痛みを消し去るだろう。
君が無力状態でない限り、君を中心とした半径10ft(3m)以内の対象は君のターン開始時に[Xd8]点のHPを回復し、自身が受けている「不利を発生させる」「ダメージを発生させる」効果を1つ解除することができる。
Xは君の習熟ボーナスに等しい。

『暗がりの凶手』

暗がりの凶手に用心せよ。彼らは卓越した妨害の名手なり。
暗がりの凶手に注意せよ。彼らの鞭は命を縛る。
暗がりの凶手に覚悟せよ。その身を縛られたときには――はい、おしまい。

暗殺ギルドの警句

暗がりの凶手とは、ローグの中でも相手の束縛や妨害などを得意とする者達の名である。
彼らは刑吏、拷問吏、あるいは邪悪な狩猟者(獲物にヒトを含む)としてその名を知らしめている。
特筆すべき点として、短剣だけではなく鞭の使用を推奨することがある。
それは彼らが、自身の指先に匹敵する精度でそれを、音を超える速度で振るうことを最大の武器とするからだという。

このクラスの特徴の中には、対象にセーヴィング・スローを行わせる効果が含まれている。
その際のセーヴィング・スロー目標値は、[8+君の習熟ボーナス+君の【敏捷度】修正値]となる。

Lv3 凶手の得物

君は暗がりの凶手として必要な武器の心得と、暗がりを見通す技術を学ぶ。
君はウィップと調毒道具に習熟を得る。
また暗視30ft(9m)を得る。
既に暗視を得ている場合は、暗視の距離が60ft(18m)まで延長される。

Lv3 注入と束縛と拡散

君は鞭や刃物を用い相手の能力を封じる技術を獲得する。
君が急所攻撃を発生させた際、発生させた武器種別によって以下の追加効果が発生する。
これらの能力はそれぞれ君の習熟ボーナスに等しい回数だけ使用でき、小休憩を経ることで回復する。
ウィップ以外の妙技特性を持つ近接武器:
「毒の注入」:クリーチャーに与える急所攻撃による追加のダメージダイス部分だけを[毒]または[酸]に変更することができる。
この効果で変更した場合、ダメージを与えた次のクリーチャーのターン開始時に【耐久力】セーヴを行わせる。失敗した場合急所攻撃と同様のダイスをロールし、急所攻撃で与えたのと同じ属性のダメージを与える。
また、この際にセーヴィング・スローの結果が目標値より5以上低い場合、対象は次の君のターン終了時まで毒状態となる。
・ウィップ:
「縛りの秘技」
:クリーチャーに対して急所攻撃でダメージを与えた際、以下のどれかを選択できる。
どの効果も、次の君のターン終了時まで有効である。
頭縛り:追加で【耐久力】セーヴを行わせる。
 対象が失敗した場合、朦朧状態にする。
腕縛り:追加で【筋力】セーヴを行わせる。
 対象が失敗した場合、最初の攻撃ロールに不利を与え、もしアイテムなどを持っている場合、それらのうち一つを落とさせる。
足縛り:追加で【敏捷度】セーヴを行わせる。
 対象が失敗した場合、伏せ状態にする。
・遠隔武器:
「散らばる刃」
:クリーチャーに対して急所攻撃でダメージを与える際、その急所攻撃のダメージをそのクリーチャーから半径5ft(1.5m)以内にいる別のACが君の命中判定より低いクリーチャーに移し替えることができる。
(本来の対象には急所攻撃のダメージは発生しない)

Lv9 魅惑的な加害者

君はより多くの敵を痛めつけ、時には自身の虜とする技を学んだ。
君は〈威圧〉〈ペテン〉に習熟する。既に習熟している場合は、習熟ボーナスを倍として扱う。
君の急所攻撃は以下のように強化される。
それぞれの武器において、以下の追加の効果を選択できるようになる。
ウィップ以外の妙技特性を持つ近接武器:
「魅惑のひと噛み」
:クリーチャーに与える急所攻撃による追加のダメージダイス部分だけを[精神]に変更することができる。
この効果で変更した場合、次の君のターン終了時まで対象は君以外のクリーチャーに対する近接攻撃に不利を受ける。
また、この際の急所攻撃によるダメージダイスの合計値が[20]を超えていた場合、追加で対象に【判断力】セーヴィング・スローを行わせ、失敗した場合君への魅了状態を追加する。
・ウィップ:
「束縛の肝要」
:君が自身よりイニシアチブの低い対象に対して急所攻撃を行った際、「縛りの秘技」によるセーヴィング・スローには不利を与える。
・遠隔武器:
「拡散する刃」
:「散らばる刃」によるダメージを同じく条件を満たしている範囲内のクリーチャー1体を追加で対象に取るか、攻撃対象から半径10ft(6m)以内の別の対象1体をかわりに選ぶかを選択できるようになる。

Lv13 束縛と悦び

君は死力を尽くすことで対象の守りを阻害することができる。
それはすなわち、相手を縛り付け跪かせるための切り札である。
君は自身が急所攻撃でダメージを与えた対象が行うセーヴィング・スローに対して、一度だけ不利を与えるか、その結果を振り直させることができる。
この能力は大休憩を経るまで再使用できない。
また、君がクリーチャーのHPを0以下にするか、状態異常を付与した場合君のHPは[2d10]点回復する。

Lv17 終わりの運び手

君は瀕死の相手に対して、たやすく終焉を齎す。
君が急所攻撃を発生させダメージをさせたクリーチャーのHPが、戦闘開始時の数値と比べて1/4以下であった場合、
君はリアクションを用いて対象にとどめを刺すことができる。
対象となったクリーチャーは【耐久力】セーヴィング・スローを行う。
失敗した場合、君は対象のHPを0にすることができる。
この能力は君の習熟ボーナスに等しいだけ使用できる。

『ガンナー』

――銃という新たな焔の杖を手にした者たちは、これの"正しき使い方"を模索し始めた。
あるものは、それを戦士の技術として、あたかも剣先のように精緻に操ろうとした。
あるものは、それを錬金術の道具の一部として組み込んで体の一部とした。
そしてあるものは、これこそ新たな杖だと称えた。

「射手達の喧々諤々」より

ガンナーとは、未だ研究が未熟ながらも優れたポテンシャルを持つ武器、「銃」を使う上で様々な用法や運用を研究するレンジャー達を示す言葉である。
銃は弓と比べて重く、金がかかり、何より不安定だ。
だがそれでも、弓と剣では得られぬ未知を彼らはここに見出したのだ。

このクラスの特徴の中には、対象にセーヴィング・スローを行わせる効果が含まれている。
その際のセーヴィング・スロー目標値は、[8+君の習熟ボーナス+君の【敏捷度】修正値]となる。
また、このサブクラスにおける火器についてのデータは、以下のリンク先の物を参照する。

Lv3 銃士のいろは

君は火器の使い方の基礎を学んだ。
君は火器の習熟を得て、よろず修理道具に習熟する。
君はこれを用いて、矢弾を通常の費用の半額で製作、火器を補修、はたまた新しい火器を設計して作ってもよい(DMが判断する)。一部の極めて実験的で複雑な火器は製作することでしか入手できない。

Lv3 弾丸力学

ガンナーの特筆すべき点は、弾丸に呪文を込めることで遠方の相手に呪文を届かせることにある。
3レベル以降、君は『ガンナーの呪文』の表にあるとおり、
特定のレンジャー・レベルに達する度に追加の呪文を習得する。
これらの呪文は君にとってレンジャー呪文とみなされるが、君が習得できるレンジャー呪文の数を数える際には勘定に入れない。
また、いくつかの新しい呪文(*印のついているもの)については巻末に詳細を記載する。
また、君は習得している「~・スマイト」という名前の呪文の効果を火器による遠隔攻撃にも適用できるようになる。
ただし遠隔攻撃に適用した場合、攻撃の成否に関わらず「ヒットした」扱いとして呪文は効果を消失させる。

レベル3:
シアリング・スマイト、サンダラス・スマイト、*チリング・スマイト
レベル5:
ブランディング・スマイト
レベル9:
*スプレッド・スマイト
レベル11:
スタガリング・スマイト
レベル17:
*スプリーム・スマイト

Lv3 ガンナーの魔法弾

ガンナーの真髄は、攻撃呪文だけでなく治療の呪文も弾に込められることだ。
君はレベル3以降、自身のターン中に攻撃アクションを用いることで
「唱えるのにアクションを消費し、クリーチャーに接触することで効果を発生させる」呪文を、弾丸に込めて発射することができるようになる。
射程については火器を参照し、また効果に同意するクリーチャーは回避しないことを選ぶことで確実にこの効果を受けられる。
君は習熟ボーナスに等しい回数だけこの特徴を使用できる。

Lv7 先制銃撃

君はより確実に、ゆっくり動く対象を狙い撃てるようになる。
君が自身よりイニシアチブが低いクリーチャーを火器で攻撃する際には、対象のACを-2したものとして扱うことができる。

Lv11 大魔法弾

君は新たに以下の種類の弾丸を用意し、運用できるようになった。
君は習熟ボーナスに等しい個数だけの「大魔法弾」を獲得する。
これらはボーナスアクションを使用し、効果を選択して火器へ装填することができる特別な弾丸である。
続く攻撃アクションで発射することができるが、それで君の攻撃アクションは終了となる。(この際、元々装填してあった弾丸などの装填数は減少しない)
この特徴は連続したターンで使用することができない。
射程は装備している武器を参照する。
大魔法弾は以下の種類がある。
・火炎弾:
着弾地点を中心にレベル3スロットを使用した《ファイアー・ボール》が発生する。
・電撃弾:
君を中心に、狙った方向へレベル3スロットを使用した《ライトニング・ボルト》が発生する。
・氷撃弾:
着弾地点を中心にレベル3スロットを使用した《アイス・ストーム》が発生する。
・照明弾:
着弾地点を中心に《デイライト》が発生する。
・悪臭弾:
着弾地点を中心に《スティンキング・クラウド》が発生する。
このスティンキング・クラウドは集中を必要としないが、3Rで消失する。

Lv15 絶技の狙撃

君は寸分たがわぬ狙撃の技術を得た。
君は手番中、アクションを宣言することで「狙撃姿勢」に入ることができる。
この状態になると君のイニシアチブは0となり、イニシアチブ0のタイミングで改めて火器を用いた遠隔攻撃を行うことができる。
この際、君の行う攻撃ロールには有利が得られる。
また、この攻撃でクリーチャーを攻撃した際、対象の現在のHPが戦闘開始時のそのクリーチャーの最大HPの半分以上である場合、ダメージロールのダイスに[+5d6]する。

追加の呪文

チリング・スマイト/凍てつく一撃

1レベル、力術
発動時間:1ボーナスアクション 射程:自身
構成要素:音声   持続時間:精神集中、最大1分まで
この呪文が終了するまでの間に、君の近接攻撃が初めてクリーチャーにヒットした時、君の武器は冷気を放出する。
その攻撃はクリーチャーに1d6の追加の[冷気]ダメージを与え、次の君のターン終了時まで移動速度を10ft(3m)減少させる。
高レベル版:君がこの呪文を2レベル以上のスロットで発動する場合、スロットのレベルが1レベルを一つ上回るごとに、最初のヒット時のダメージが1d6増加する。

スプレッド・スマイト/拡散する一撃

3レベル、力術
発動時間:1ボーナスアクション 射程:自身
構成要素:音声   持続時間:精神集中、最大1分まで
この呪文が終了するまでの間に、君の近接攻撃が初めてクリーチャーにヒットした時、君の武器は衝撃波を発生させる。
その攻撃はクリーチャーに追加で3d6の[力場]ダメージを与え、クリーチャーの半径5ft(1.5m)以内の任意のクリーチャー2体にもこの[力場]ダメージを割り振る。

スプリーム・スマイト/至高の一撃

5レベル、力術
発動時間:1ボーナスアクション 射程:自身
構成要素:音声   持続時間:精神集中、最大1分まで
この呪文が終了するまでの間に、君の近接攻撃が初めてクリーチャーにヒットした時、君の武器は破壊の力を解き放つ。
その攻撃はクリーチャーに追加で5d6の[殴打]ダメージを与え、即座に伏せ状態にさせる。
この呪文の効果を受けた近接攻撃に対して、ダメージを軽減する特徴、呪文の効果を適用することはできない。

上記の呪文はどれも、パラディン、レンジャーであれば習得可能な呪文である。

最後に

これらサブクラスのデータは一般的な良識の範疇で改変および自由な使用を許可します。
また、これらのデータの考案に協力してくださったシカナさん、マイケル・Sさんにここで改めてお礼を申し上げます。

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