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ボーイズバンドからロックアーティストへ ハリー・スタイルズの全てが感動的

今年開催が決まったアメリカの一二を争う大型人気フェス、コーチェラで

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1日目のトリを務めるのが、

ハリー・スタイルズ

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彼は言わずと知れた2010年代に世界的人気を誇ったボーイズバンド「ワン・ダイレクション」出身。

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そのワン・ダイレクションが活動を休止し、ソロに転身後、着実にキャリアを積み、2ndアルバムが長きに渡るヒットを記録し、見事にこの大役に選ばれました。

そして、自身も今年ワールドツアーを発表

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この発表を見て、本当に感動しました。

いわゆるボーイズバンド(アイドル)と言われるグループからここまでの成長。

本当に見事としか言いようがないです!

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私はハリーについては完全に後追い組で、ワン・ダイレクション時代にはそこまで気にしていない存在でした。


ワン・ダイレクションが「面白いな」って思ったのは、それまで主流だったダンス系のボーイズバンドではなくて、歌だけで勝負するタイプのグループだったことです。
とはいえ、R&B系のコーラスなどをするタイプではなくて、曲はロックポップが中心。当時人気が出てきたエド・シーランに曲を提供してもらうなど。
「カッコよさと、コーラスワークではないロックポップの歌でここまで人気グループを作ることができるんだな~」と思いました。
とはいえ、当時私はインディロックを聴いてる方がめちゃ面白くて、そこまで聴きこむことはなく。

それが、ソロになって2017年に発表された1stアルバム

Harry Styles 「Sign Of The Times」

このアルバムで完全に虜になった感じです。

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このアルバム、おそらくワンダイのファンの方はその路線とは外れるものなので、戸惑った人も結構いたかもしれません。
私もワンダイ時代の耳なじみの良いロックポップ調の曲が頭にあったので、1stを聴いた時は本当にびっくりしました!ワンダイ時代とは方向性が異なるアルバムで、とてもかっこよく、当時ロックの体現の仕方としてとてもクールに感じられました。

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どこからどう聴いてもロック。それも70年代あたりを思わせるようなサウンド。そこにカントリー風の曲まで。


今までのボーイズバンドに比べロック寄りだったとはいえ、このアルバムはポップで大衆性に寄ったような煌びやか曲はほぼ無い。
シンプルで曲も一聴では退屈になりかねない。けど、曲自体がとてもいい曲ばかりでハリーの歌もとても良くて。
アルバムとしても完全にロックアルバムとして統一感もあって凄くカッコよい!このアルバム、いいアルバムなんですよね、ほんと。

またこの時のワールドツアーで彼自身のプレゼンも

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ファッションがとてもユニーク。レトロ感もありながら、しっかりとロック感も出ていて洒落ててとてもカッコいい!!GUCCIが衣装提供していたようで今もなのかな?
とても刺激的で私は毎日Twitterでツアー写真を追いかけてました(笑)

私はこの1stで

「えー!こんな表現ができる人だったとは。下手なロックバンドよりかっこいいな!」、

と思いました。

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来日ライブには行けなかったのですが。

けど普段のロック好きな人とかは馴染みやすいけど、あまりにワンダイ時代と差があるので、「若い子分かるのかな」とかちょっと気になってて。
確かセールスもそこまで爆発はしてなかったと思うんですけど、「もうちょっと華があってもいいのかもな~」と思っていたら、

Harry Styles 「Fine Line」


その落差あたりを修正し、より大人だけど曲調を聴きやすさと親しみやすさに寄りながら、アーティストとしての深度も増してみせた作品がこの2019年にリリースされた「Fine Line」だと思います。


この2ndは1stとはまた違う本当にいいアルバムで、大成功といっていいほどのビッグヒットになってて。もうずーっとSpotifyのアルバムチャートに上位で残ってました。

シングル「Watermelon Sugar」もリリースされてかなり経ってから1位をとっていたと思います。
ロングヒットということは、単にワンダイ時代のファンだけではなく、あらゆる世代の人達が親しんできたと言えると思うのです。
熱狂しているファンはすぐチェックすると思うし1位になりやすいけど、長く愛されて売れるって名盤には必要な要素だと思います。


このアルバムもいいところ挙げたらキリがないんですけど、何より「いいな」と思ったのは、自分自身が馴染んできただろうロック路線と耳なじみのよいポップの融合を無理なく自然体で体現して、凄く自由な感じがするところです。

さらにロックの深みにいこうと思えばいけたような気がするのですが、恐らくライブでの反応なんかもよく見てたのかもしれないな、と思います。
彼のライブはアイドル時代の名残で彼と同世代の若い女性が多いような印象ですが、たぶんとても正直なんじゃないかと思うんです。

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彼自身が誰にウケるかとかボーイズバンド出身という色眼鏡的なプレッシャーとかを意識せず、ただやりたいことを追求しながら、自分を愛してくれたり応援してくれたりしている人達を意識してより喜んでもらおうとしているようなアルバムだと感じました。それがファン以外の普通の人にも「聴きたい」と思わせる時代の空気を作ったんじゃないかな、と思います。

1曲目の「Golden」から私めちゃくちゃ好きなんですけど(笑)「いつの時代の曲なの?」って空気感なのに今聴いても新しい感じで、いい曲なんですよね~。「Watermelon sugar」もそうですけど、一緒に歌いたくなるような曲だったり、日常で車で聴いたり家でまったりしたい時とかにすごく聴きやすくて。
あと少しだけアダルトになったようなセクシーな感じもあって。すべてのさじ加減がちょうどいい。

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このアルバムはグラミーにもノミネートされ、見事受賞。授賞式でトップバッターでパフォーマンスを務めていました。

で、冒頭で、なぜ今年発表されたツアーのラインナップを見て感動したかという話に戻ると(長々すみません(笑))、ハリーってツアーをするたびにゲストミュージシャンを帯同させています。そのセンスもとても良く、

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こんな感じです。女性アーティストが中心で、今をときめくインディ寄りで実力派でいいアーティストばかり。

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その最たるラインナップが今年実現したような感じで。

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ロンドンのウェンブリー公演にはmitskiが参加することになっています。

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mitskiの新アルバムもとても良かったです。

このブレなさと自由さ。彼だけを観るだけでももちろん楽しめるけど、そこにこの刺激あるミュージシャンのライブも一緒に楽しめる。
女性アーティストへのリスペクト感も感じます。これって「凄くいいことだな」と思って。マニアックすぎず絶妙なチョイスで。
彼自身の意見も大いに反映されていると思うので、その視点というか作品だけでなく表れるアーティストとしての姿勢に惚れ惚れします。

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また映画出演もこなし、これから公開される映画の監督、オリヴィア・ワイルドと今は付き合ってるようで。お似合いですね。
ワンダイ時代からプレイボーイ的なイメージがありましたが、こういったところもいい感じです。

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またファッションにおいても単なるロック志向だけでなく、パールなどを使いながらのジェンダーレス感やレトロ感を上手く取り入れて伝統に対する敬意も感じられるような。とてもユニークです。

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「ボーイズバンド出身」というと、どうしても偏見がかった観点に囚われがちで、彼自身もそれについて悩んだりしたこともあるかもしません。
けどハリーだけでなく、

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私も大好きなジャスティン・ティンバーレイクのようなボーイズバンドからアーティストへの転身が成功した先駆者たちがいたり、

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BTSのようにボーイズバンド自体をアーティストに昇華させるような存在もいたりして、どんどん変化していっているところに、

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ハリーのその乗り越え方、生みだされる作品から感じられるロックへの愛、ライブでのパフォーマンスやファンへのサービス精神、女性アーティストへのリスペクト。
彼について何かが発表されるたびに、感心を通り越して感動してしまうくらいワクワクしてしまう毎日です。

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まだ彼は20代後半。今後がさらに楽しみな存在です。コーチェラもウェンブリー公演もきっと大成功でしょう。
これからますます目が離せない存在になると思います!!

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今日本に必要なのはハリーみたいな存在かもしれませんね。いや世界中かな。

おまけ

ハリーもtiny desk concertに出てますけど、これもほんといいのよ!!オススメでございます♪




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