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祝Tiny Desk Concert 配信1000回!! 個人的お気に入り回を振り返る♪

先日、見事1000回の配信を達成したのがYouTubeでも配信されているTiny Desk Concert。


配信しているNPRとは、アメリカの非営利公共ラジオNational Public Radio(ナショナルパブリックラジオ)の略。分かりやすく言うと日本でのNHKみたいなものでしょうか。海外でも聴くことのできるラジオです。取り扱うニュースは多岐に渡り、英語のリスニング学習に聴く人も多いようです。

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Tiny Desk Concertはそんなラジオ局のオフィスのデスクで展開される小さなコンサート。場所がとても狭いため、アコースティックでのライブが基本。その分、通常のライブよりもあたたかく親密な雰囲気で、披露される曲も数曲。基本はインディーズのまだあまり知られていないようなアーティストがメインで配信されているのですが、たまに有名なアーティストや大御所ミュージシャンも参加してライブを披露しています。私も数年前から存在を知って、このシリーズが大好きになりました。どんなアーティストが出演するか、毎回楽しみにしています。

このシリーズが1000回の配信を迎えることに! 凄いですね。2008年から開始だそうなので、もう10年以上続いているとは。素晴らしいことだと思います!おめでとうございます。
そこで今回は1000回を記念して、私のお気に入り回を取り上げてみることにしました♪


Mac Miller


まずはMac Miller。もし私が観ている回の中で「Tiny Desk の中で一番好きな回を挙げて」と言われたら真っ先にこの回を挙げます。このTiny Deskはラッパーも多数出演していますが、加工されたトラックではなく、生の楽器のアレンジでラップを聴けるのがこのステージの魅力。中でもこのMac Millerの回には「すべてが詰まっている」と言ってもいいくらいの回なのではないかな、と個人的に思っています。

こういう限られた設定での表現は、凝った演出のステージよりもかえってアーティストの素や実力を表してしまうものだと思うのですが、なぜ私がこの回が一番好きかというと何よりMac Millerの音楽に対する愛が溢れ出ている回だと思うからです。この回を観て本当に驚きました。もちろんプロなので表現については抑制があると思うのですが、なにより彼の素で「音楽やラップが大好き」というところが、こんなにナチュラルに前面に現れたステージは、どのアーティストと比べてもなかなかないんじゃないかな、と思います。そういうところって意識して出せるものではないと思うので、心から音楽が好きと言うところがこのTiny Deskの環境で分かりやすく出たような気がします。
サンダーキャットが参加したバックバンドの演奏も素敵なのですが、この時のMac Millerの音や感情を探りながら心から楽しんでいるようなところと、「生バンドだとこんなに彼の良さが引き立つのか」というところに初めて観た時からすっかり魅了された回です。彼の素晴らしさはもちろん、Tiny Deskの設定のいいところも引き出しています。
私は後追いで観たのですが、この頃にはもうMacは返らぬ人となっていました。本当に惜しいです。彼のアルバムについてはjuice wrldと並べてnoteに書いたことがあるので、宜しければ読んでみてください。

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この回、再生回数もとても多く、もうすぐ1億回に届きそうです。Tiny Deskの回でも1,2を争う数です。とても愛されている回ですね。

BTS

「音楽愛」というところで言うと、このBTSの回にも同じような感触を受けました。ダンスに演出に一定にクオリティの高いステージをいつも見せてくれるBTS。私もコロナ禍で彼らの凄さに気づいてハマり始めた時にこの回を観ることができました。この回のいいところは、音楽スキルの高さと楽しんでいる姿がはっきりと分かりやすく表れているところ。7人の個性と歌とラップの良さを堪能できる回になっていて、このTiny Deskで決定的に好きになれた感じです。選曲の「dynamite」「Save me」「Spring Day」という流れも良かったと思いますし、ダンスがなく生バンドでの演奏で、ボーカルワークがとても際立って聴こえた回でした。何より本当にこの場を楽しんでいる感じが音楽愛を感じさせてくれていいですよね。

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その後に数々のK-POPの曲を聴いたりライブ映像を観たりして、基礎力の高さや楽曲の良さに驚くことになりますが、それを経た今でも観ると「やっぱりBTSは特別なグループだな」と思います。「BTSに触れたいな」と思うと、これを真っ先に選びがちです。この回については以前レビューを書きましたのでリンクを貼っておきます。


T-pain

「Tiny Deskの奇跡」というかTiny Deskだからこそ起きたマジックといえば、このT-painの回を挙げる人は多いのではないでしょうか。T-painといえば、2000年代にオートマチック加工のボーカルを流行らせたアーティストで、一時期は大衆に愛されもしながら、このオートマチックボイスでかなりの敵というか批判もされた人物。私も加工されていない彼のボーカルを聴いたことがなく、大きなヒット曲はあったものの、アルバムを聴いたりすることは正直無かったのですが、このTiny Deskの回ではオートマチック加工無しの本来の声で歌う姿が観れました。しかもキーボードだけの本当にシンプルなライブ。観てみてびっくりしたのですが、凄く地声が良いんです!また、彼自身もこの回は魂を込めたような歌いようでどの曲も素晴らしい歌が聴けます。「こっちの方が絶対いいよ!」と観た瞬間に思いました。

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この回の再生回数の多さからすると、私と同じように感じた人が多々いると思います。お客さんの雰囲気も温かくて。T-painの起死回生の回だったんじゃないでしょうか。オススメの回です。

julien baker

「tiny desk concertに一番多く出演したのはもしかして彼女なんじゃないかな」と思います。私もjulienの存在を意識するようになったのはこの回をたまたま見掛けてから。ただでさえシンプルにせざるを得ないルールの中、ギター一本で歌いあげる彼女のギターの音色と歌の美しさにすぐに魅了されました。彼女はこの回のあとも、バイオリンとピアノでの二重奏、Phoebe Bridgers, and Lucy Dacusと三人で組んだグループ「boygenius」、そしてコロナ禍で配信されたParamoreのボーカルHayley Williamsでの回ではギターで参加しています。

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tiny desk concertと相性がいいのか、彼女の良さをどの回でも感じることができます。ヘイリーの回のバックに徹してギターを弾くところ見つけて「あれ?いた!」ってなりました(笑)。ぶっきらぼうな感じの彼女ですが、そういうところも私はたまらなく好きなんです。

Olivia Rodrigo


この回についてもレビューを以前noteに書いています。

私のOlivia Rodrigo愛は既に何回もnoteに書いているので伝わってると思うのですが(笑)、改めてこの回を観て、その楽曲の良さと彼女自身の表現の良さにシビれてしまう回です。1stが出た頃から「Tiny Deskに絶対合うから出てほしいな~」と思っていたんですが、実現して本当に嬉しいです。コロナ禍でいつもの部屋での演奏ではなく、彼女が選んだのはなんと自動車教習所(笑)「driver license」にちなんでですね。そういうユーモアも本当に好きです。この若い感じとうらはらに、曲を聴くと年齢を感じさせない普遍的な良さが詰まったメロディや歌を披露してくれています。

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バックバンドは全員女性。最近、他の女性アーティストもこのパターンが増えてきていますが、Oliviaも続けていくんじゃないかなと思います。アーティストとしてこれからどんどん成長していくと思うのですが、その原石のような姿をTiny Deskで残せるなんて幸せ者ですね。この回もよくリピートしています。

Turnstile


Tiny Deskはコロナ禍中は各自アーティストが工夫した部屋の中で演奏を披露するスタイルでしたが、中でも1、2を争うお気に入りの回となったのがこのTurnstileの回。このぬいぐるみだらけの部屋、いったいなに!?(笑)。可愛いような不気味なような、こんな部屋で演奏されるのがこの男らしいというか(笑)どこからどう聴いてもハードコアなロック!音源だけ聴いていると絶対浮かばないようなイメージで、私はこの回でさらに彼らの事が好きになりました!メンバーの親戚か兄弟かの部屋らしいですが、これはもうインパクト大で。

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でも、こういうなんていうか、おちゃめさみたいなところも曲の中にどこかしらあって、今の人気につながっているのかもしれません。多面性があるところが人気なのかな~、と。彼らもどんどん人気が出てきている印象で、今年のフェスなんかではもうすぐトリ級まで行けるかもしれないぐらいの勢いを感じます。このTiny Deskの感じも失わないでほしいな、と思います。この回、ラストもなんかいいですよ♪


FKA Twigs

FKA Twigsも意外というか、新たな魅力をTiny Deskで感じた一人。彼女が選んだのは教会のような宗源な雰囲気が漂う部屋。FKA Twigsといえば、艶めかしいダンスと妖絶な歌が印象に残るアーティストでしたが、このTiny Deskではダンスは封印し、ボーカルに専念したライブ。

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それまでこんなに歌に集中して聴けたことがなかったので、じっくりボーカルを聴くことができたのですが、壮大なアレンジに併せて披露されるボーカルは声の表情が抜群で、より神秘的で彼女の世界に惹きこまれました。いつもは電子的な大胆なアレンジの曲が多く、その気持ちよさもあるのですが、「こういうアレンジでもぜひライブが観たい!」と思った回です。抑えめな身体表現も素敵でした。

Usher


ここから2回は今年のお気に入りの回を。まずはなんといってもこのUsherの回!やっとNPRのデスクに戻ってきての回で、black music月間での登場でした。Usherは言わずと知れたスーパースターで、そういう人がこのTiny Deskに出てくるってなんていうかプレッシャーもあったりすると思うのですが、この回はなんと言ってもUsherのバイヴスが最高でした。Twitterなどでトレンドになったこの

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「Watch this」のセリフとこの振り!あまりにキマりすぎてて面白くて、私も息子にやってみたらカッコよさが伝わったのか真似されるようになって逆に恥ずかしくなりましたが(笑)。とにかくボーカルも演奏も絶品級で、「むしろダンスがない方がいいのでは?」って個人的に感じたくらい(笑)もともと持っているR&Bの地の力が遺憾なく発揮されていて、バックバンドも「この狭い部屋に何人連れてきてんだ!」ってツッコミ入れたいですが(笑)、バックコーラスの男性は一人は親戚らしいのですが、ちゃんと見せ場を作ってあげてたり、リラックスムードで男気まで感じる内容でした。Usherは今ラスベガスでレジデンシー公演中ですが、「その公演でもこんないい感じなんだろうな」という空気が伝わってきました。

Omar Apollo

ラストは最近人気が上がってきているラテン系R&BシンガーのOmar Apollo 。TinyDeskは意外とR&Bやラッパーのアーティストとの相性がいい場だな、と再確認できた回です。バンドでももちろん良い回が多くありますが、部屋が狭い分アコースティックのセットになるので、より歌を聴かせると共に自分のルーツや意外な面が花開きやすいのがTinyDeskの魅力かな、思います。

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Omarのライブは今年のコーチェラで初めて観て、その時も好感触でしたが、こちらのTinyDeskの方が個人的にはより魅力的だなと思わせる内容でした。1曲目が自身の出生を思わせるラテンの曲で、とても歌いこんできているような印象でした。声の出し方がR&Bの時と少し違ってとても魅力的。見た目のカッコよさはもちろん、以外にも幅の広い表現力を堪能できる回で、「これからが楽しみだな」と思わせてくれました。変にポップに行きすぎず、かといってブラックのR&Bを真似するでもない独自の音楽スタイルを確立していくと面白いんじゃないかな、と期待が上がった回です。

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というわけで、まだまだ好きな回はたくさんありますがキリがないので(笑)、一旦終わりにします。もし気になった回がありましたら、観てみてください♪

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