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尽きぬ思い

シリアのことが頭を離れない。切り離さなければと思うのだけどそれが出来ない理由はただ一つ、Edenの私の魂が繋がっているからに違いない。

思えば私とシリアの出会いは2012年、初夏まで遡る。

Facebook内の中東音楽のグループで見つけた一人の若い作曲家の作品に惹き付けられ、私は過去に一度だけオファーを断った「或る仕事」を思い出した。

シリアにオリーヴを植樹しませんか?

その企画に参加して欲しいと言われ最初は乗り気だったが、段々と話が進んで行くとオファーの内容が一変した。
演奏の仕事で参加する筈が気付くと、自費でシリアに渡り演奏に対価はつかないと言う内容にすり替わって行く。

オファー元の男性と出会った場所が悪かった。
mixiをはじめ私は当時、色々なコミュニティー・サイトに手あたり次第に登録し、そこから多くの男性と知り合って行った。最初の目的は自分が主催する民族音楽系ユニットの活動資金を捻出する為だったが、その道のりは思った以上に険しかった。
ヴォーカルの女性は英語とタガログ語を少し話せたが肝心のコミュニケーションが欠落しており、二ヶ月に一度新宿某所で開催される小さなライブに一人も集客することなく、それでもしっかりと出演料を取って歌い続けた。

そのしわ寄せは次第に私の経済状態を逼迫するようになり、2001年にユニットは解散。彼女とは後味の悪い別れ方をすることとなり、今でも私は心のどこかにその傷を引きずっている。

その過程で知り合った男性は表向きは街の「何でも屋」を手狭に経営する出版業界に精通した人、と言う肩書を自称していたけれど、あの時の「シリアにオリーヴを植樹しませんか?」の企画は一体何だったのか‥と今でも首をかしげるばかりだ(笑)。

つまりそこから10年余りの時を経て私は、再び「シリア」を身近に感じることになり、その作曲家とは数か月間とても濃い対話を重ねて行くことになるけれど、ある時私は作曲家が重い精神の病を発症していることに気付く。

作曲家は「僕は時々長い眠りに入っているが、その間に何かをしているらしい。」と、英語で(チャットの中で)私に話し掛けて来た時、私は彼がもしかすると統合失調症か多重人格障害か、その類いの病気かもしれないと直感した。
その後彼自身がその旨を某所にそっと明かし、その記事に私が「Like」を押したと同時に記事は削除された。

作曲家は2014年の暮れにシリアを脱出し、他の国へ無事移り住むことが出来たが、私たちはもう何年間も連絡を取っていない。‥ただ繋がっているだけの某所の二人、だが私がその作曲家とのリンクを切らないことには理由があるけれど、ここではその経緯については省略したいと思う。
話せばそれだけで一冊本が書けそうに、濃く重く、長い説明が必要になるだろうから‥。

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