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美貌のあおぞら

四季と言うものを僕は、ここ(地球)に来て初めて知った。主に僕はどこかしらの小さなみずうみと森の間のカカオの樹が多く生息する場所に、宇宙船ごと落ちて来たようなものだった。
最初は少しだけ僕の故郷に吹く風よりは冷たく感じ、周辺には真っ白な氷の欠片が降ったり飛んだりしながら僕を迎え入れてくれたが、分厚い宇宙服に身を包んでいる間はそれ程寒さを感じていなかった。

ある時氷の欠片がピタリと止むと、宇宙船の窓から太陽の日が差し込んで来て、その向こう側に広がる青空が視えて思わず泣きたくなった。
故郷に昼はなく、ただ永遠の星空が拡がって行くだけで、時折遠くの惑星が大爆発を起こす時だけ僅かに空が真っ暗闇から薄闇にグラデーションする程度だったから、地球上で始めて「昼」の青空を見た時は、それまで感じたことのないような深い懐かしさと安堵感で少しだけ呼吸が苦しくなった。

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