PENTAX K2DMD
K2を購入して、3年後ぐらいに購入しました。
ハイ、K2の時に書いたアレです。
まぁ書いた時点で、
ほとんどの人にコレかLXであることはバレバレだと思いますが。
長いペンタックスの歴史の中で、二台しかないプロ用一眼レフですからね。
今のK-1Ⅱは、プロ用というよりはハイアマチュア用だし。
ただ個人的には、プロ用と言ってもK2DMDは作りが甘いような。
やっぱり元がハイアマチュア用のK2だからでしょうか。
初めてのプロ用カメラだからかもしれません。
後のLXの方がプロ用として徹底的に作り込まれてるせいかも。
むしろ
プロ用の経験がないペンタックス、K2をベースにK2DMDを作る
↓
作り込みの甘さから、売れず
↓
ペンタックス、キレて徹底的に作り込み、LXが完成
こういう流れだと思います。
まぁ1970年代後半って、プロ用一眼レフがブームだったみたいだし。
ミノルタもプロ用一眼レフのX-1を作ってますね。
その後「写真が撮影できる鈍器」のX-1motorに発展したり。
結局、ニコンのFシリーズと対等の作り込みをしたのが、
キヤノンのF-1だけだった、という事実が、
その後のメーカの勢力地図を決めたように思います。
まぁ仕方ない面もあるかも。
あの二台並みの作り込みをしたら、時間とカネが掛かって仕方ないから。
K2DMDに当たるカメラがK2ベースじゃなかったら、
今もペンタックスの凋落ぶりはなかったのかも。
70年代前半までは、
SPの勢いでニコンと並んで業界をリードしていたのですから。
そんな言わば失敗作のK2DMDですが、やっぱり好きなカメラなんですよ。
何だかんだ言っても、ペンタックス初のプロ用一眼レフですし。
作りが甘いと書きまいたが、結構K2からは改良されてます。
右:K2DMD 左:K2
アイピースシャッターの装備とか、
露出補正使用時の警告表示とか、
K2で問題になった絞り表示窓の装備とか。
他でも名前の由来となったデータパック(D)とモータードライブ(MD)が、
装着可能となったり。
まぁモータードライブは性能が低く、実用性に欠けてますが。
でも一から作り込みを行った他のメーカと違う為、
フィルム感度設定ダイヤルがリングで使い難いマウント基部にあり、
そのうえ固着して動かなくなってしまう、という致命的な欠点がそのまま。
一から開発できなかったのは、開発費の問題でしょう。
K2と同時にペンタックスはマウントをM42マウントのねじ込み式から、
Kマウントのバヨネット式に変更しています。
当時もうM42マウントは限界だったので、
Kマウントに変更したのは納得できます。
今のペンタックスのデジタル一眼レフも、
Kマウントをベースにしているぐらいですから。
その気になりさえすれば、
最新のデジタル一眼レフに45年前のレンズを装着できます。
マニュアル撮影になりますけど。
それほどKマウントは、凄い性能のマウントです。
でもマウントを変更するという事は、
全てのレンズもマウントを変更する必要があります。
その上Kマウントはユニバーサルマウントと言って、
仕様が公開されてました。
その為、リコー(当時はペンタックスの親会社ではありませんでした)や、
他のメーカーからKマウントを採用した一眼レフが発売されてました。
勿論Kマウントのレンズも。
今のフォーサーズやマイクフォーサーズと同じようなモノですね。
早い話、Kマウントは開発費が掛かってるけど、
マウント自体でその開発費を回収できません。
即ちKマウントの開発費は、ペンタックス自身が負担したモノ。
他のカメラやレンズの開発費も必要ですし、
とても一からプロ用一眼レフを開発するお金はなかった、
これこそK2DMDがK2の発展形となった原因でしょうね。
もしニコンF2の対抗機種を、ペンタックスが1970年代前半に出してたら。
当然新規開発で。
そう思って仕方ありません。
しかしM42マウントだったし、その限界を感じてた頃。
無理な話です。
つまりマウントを変更した以上、
当時のペンタックスに新規でプロ用一眼レフを開発する費用はなかった。
即ちK2DMDの失敗は、運命付けられたものだった。
そう言えると思います。
結局この失敗が、名機であるLXを生み出す原動力となったのですけど。
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