2023年に聴いた、観たコンサート、舞台など

2023年は働き方が徐々に変わっていったということもあり、下半期にかけてだいぶ演奏会通いが戻ってきた感じがありました。
まずは暦順に並べてみた。

1月

新国立劇場バレエ『ニューイヤーバレエ』
新国立劇場オペラ『タンホイザー』

2月

新国立劇場オペラ『ファルスタッフ』

3月

新国立劇場オペラ『ホフマン物語』

4月

新国立劇場オペラ『アイーダ』

5月

演奏会 すみだトリフォニーホール 
    新日本フィルハーモニー交響楽団&沼尻竜典
    メンデルスゾーン『交響曲第2番』など
新国立劇場オペラ『リゴレット』
新国立劇場オペラ『サロメ』

6月

演奏会 東京芸術劇場
    東京都交響楽団&マルク・ミンコフスキ
    ブルックナー『交響曲第5番』
新国立劇場オペラ『ラ・ボエーム』

7月

英国ロイヤルオペラハウスシネマシーズン『フィガロの結婚』
新国立劇場オペラ鑑賞教室『ラ・ボエーム』
演奏会 サントリーホール
    東京都交響楽団&アラン・ギルバート
    ニールセン『交響曲第5番』など

8月

演奏会 サントリーホール
    東京交響楽団&鈴木優人
    メンデルスゾーン『交響曲第2番』など
英国ロイヤルオペラハウスシネマシーズン『眠りの森の美女』

9月

演奏会 NHKホール
    NHK交響楽団&ファビオ・ルイージ
    R.シュトラウス『イタリアより』など
演奏会 サントリーホール
    読売日本交響楽団&マリオ・ヴェンツァーゴ
    ブルックナー『交響曲第4番』など
演奏会 東京文化会館小ホール
    ハインツ・ホリガー オーボエリサイタル
演奏会 紀尾井ホール
    紀尾井ホール室内管弦楽団&トレヴァー・ピノック
    メンデルスゾーン『交響曲第2番』など
演奏会 サントリーホール
    東京交響楽団&ロレンツォ・ヴィオッティ
    R.シュトラウス『英雄の生涯』など
新国立劇場オペラ『修道女アンジェリカ/子どもと魔法』(ゲネプロ)
演奏会 フェスティバルホール
    大阪フィルハーモニー交響楽団&ハインツ・ホリガー
    シューベルト『交響曲第9番』など

10月

新国立劇場オペラ『修道女アンジェリカ/子どもと魔法』
演奏会 札幌コンサートホール Kitara
    札幌交響楽団&ハインツ・ホリガー
    バルトーク『弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽』など
演奏会 愛知県芸術劇場コンサートホール
    名古屋フィルハーモニー交響楽団&ハインツ・ホリガー
    ドビュッシー『海』など
新国立劇場バレエ『ドン・キホーテ』
演奏会 水戸芸術館
    水戸室内管弦楽団&ハインツ・ホリガー
    シューベルト『交響曲第8番』など
演奏会 サントリーホール
    NHK交響楽団&尾高忠明
    ブラームス『交響曲第3番』など
演奏会 東京文化会館
    東京都交響楽団&オスモ・ヴァンスカ
    シベリウス『交響曲第5~7番』

11月

新国立劇場演劇『尺には尺を』
新国立劇場演劇『終わりよければすべてよし』
新国立劇場演劇研修所『君は即ち春を吸ひこんだのだ』
新国立劇場オペラ『シモン・ボッカネグラ』
演奏会 東京オペラシティコンサートホール
    東京シティ・フィルハーモニー交響楽団&高関健
    プッチーニ オペラ『トスカ』(演奏会形式)

12月

演奏会 NHKホール
    NHK交響楽団&ファビオ・ルイージ
    ベルリオーズ『幻想交響曲』など
演奏会 東京文化会館
    東京都交響楽団&大野和士
    シューマン『交響曲第4番』
新国立劇場オペラ『こうもり』
新国立劇場バレエ『くるみ割り人形』

ジャンル別

演奏会:18回
 内 オーケストラ:16回
   リサイタル:1回
   演奏会形式オペラ:1回
オペラ(舞台上演)12回
バレエ(舞台上演)3回
ライブビューイング:2回
演劇:3回

計:38回


まとめ

(といいつつ、だらだらと書きます)

今年はオーボエ奏者、指揮者そして偉大な作曲家であるハインツ・ホリガーが来日してリサイタルと日本各地のオーケストラと客演をするということで、すべて行くことを目標に仕事をがんばりました(笑)。
舞台姿はとても元気そうでしたし、颯爽と歩く姿はほれぼれするのですが、いっても今年84歳ということで、いつまでも来日できるとは限りませんでしたので、全力で聴きに行きました(ブロムシュテットやフェドセーエフの来日キャンセルなどもありましたしね)。


1月のオペラ『タンホイザー』で元気に歌っていたシュテファン・グールドが9月に亡くなったのはとても驚き悲しみました。いずれも新国立劇場で『ニーベルングの指環』4部作や賛否両論沸き立った『フィデリオ』などでの活躍を目にしてきて、思えば一番聞いているヘルデンテノールだったと思いますので、非常に残念でありません。謹んでお悔み申し上げます。


舞台上演のオペラではやはり4月のゼッフィレッリ演出の『アイーダ』がとても印象に残りました。実は初めて観まして、これほどの舞台芸術はもう見られないのではと思いました。現代ではプロジェクションマッピングなどを駆使する手法がとられていますが、あの『アイーダ』のような舞台美術と照明を駆使し、合唱、助演を壮大に配置した舞台芸術はこの21世紀において、すでに作れないものになってしまったのではないかと思いました。
新型コロナウイルスが5類移行(2023年5月8日)まであとわずかという時期だったですが、あの合唱と助演が繰り広げるスペクタクルを貫徹した新国立劇場のスタッフは最大の称賛に値すると思います。

一方2023年の新制作のオペラ2本(『修道女アンジェリカ/子どもと魔法』と『シモン・ボッカネグラ』)もとても素晴らしかった。
『修道女アンジェリカ』でのアンジェリカの苦しみは胸に痛みを感じるほどの衝撃がありましたし、『子どもと魔法』の洗練されたラヴェルの音楽は今でも頭の中で響いております。歌手陣もアンジェリカのイゾットンと子ども役のブリオを始め、脇を固める日本人歌手もそれぞれ奮闘しており、非常に見どころのある舞台でした。
また『シモン・ボッカネグラ』はそれはまさに歌の饗宴という感がありました。どの歌手もよかったですが、テノールのガンチはひとつ飛び越えた声質でほかの演目も彼で聴いてみたいものです。


2023年はなぜかメンデルスゾーンの『交響曲第2番(讃歌)』が3団体で演奏されためずらしい年でした。
この曲はそれほど演奏されることはないですが、合唱、ソリストとオーケストラが組み合わされたとても感動的で、個人的にとても好きな曲です。
いずれの団体の演奏でも感動的だったのですが、8月の東響&鈴木優人の讃歌が歌手の出来や指揮者のアプローチも含めて一番好みでした。
来年は大フィルとBCJでの演奏があり(BCJは優人さんの御父上雅明さん)、また聴けるのが今から楽しみです(大フィルはちょっと行けなそうですが)。


東京シティフィルの『トスカ』(演奏会形式)は2020年に中止公演となってしまったものの延期公演で、同団も指揮の高関さんもとても気合の入った上演となっておりました。
トスカ役の木下美穂子の「歌に生き、愛に生き」、カヴァラドッシ役の小原啓楼の「星は光りぬ」やナポレオンの勝利を聞いた時の勝利!のソロ、「デ・テウム」や3幕の終結部の雄大な音楽(やや芝居がかっていましたがそれもよかった)を作った指揮者の高関いずれも素晴らしかったですが、圧巻はスカルピア役の上江隼人でした。2幕のスカルピアの悪事が徐々に露わになっていくのに合わせて上江の声のボリューム、響きも豊かになっていき、場を支配しておりました。


演劇はしばらくご無沙汰だったのですが、新国立劇場の公演で3回行きまして、また演劇の楽しさを実感しました。シェークスピアダークコメディーダブルビルは最高に楽しかったですし、演劇研修所の公演も皆さん芝居がうまく見入ってしまいました。
2024年は小川監督渾身の『デカローグ』もありますし、研修所終了公演のテネシー・ウィリアムズの公演もあるので、引き続きお邪魔しようと思っております。まずは『デカローグ』(映画版)を見なければ。


今年もあと1日となりましたが、来年も健康でコンサート、舞台通いを続けれられればと思っております。皆様もよい一年となりますように!

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