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監督・選手、ファン・サポーターの空間と時間にしたい

2021シーズンが無事に全試合終了しました。
今年も新型コロナウイルス感染症が影響する中、多くの皆さんに感染予防にご協力頂き、また大きな事故もなくホームゲーム21試合を運営することができました。皆さんのご協力に感謝致します。また、このような状況でもクラブを支えてくれたパートナー企業の皆さん、そして自治体の皆さんなど、改めて感謝申し上げます。

今日は試合後のセレモニーで僕が挨拶を控えたことについてです。
もちろん気づいてない方、気にならない方もいらっしゃると思います。
毎年恒例ということではありますが、控えたことで不快な気持ちになった方もいらっしゃると聞いています。突然のことで大変申し訳ありません。

意図をご説明させて頂いた方が良いなと思って、noteでお伝えすることにしました。
もちろん、どんな説明をしてもご納得いかない方はいらっしゃるだろうなとも思っていますが、少しでもご理解頂ける方がいらっしゃればと思っています。
また、誤解がないように予めお伝えしますが、これはあくまでも僕の考えであり、そしてクラブの価値観、そして方針です。他のクラブのことはその事情、環境、そして方針もあるので、そこは別の話です。他のクラブを否定するものではありません。そこは誤解がないようにお願いします。

本題に入ります。
セレモニーの社長挨拶については僕が社長になるだいぶ前から違和感がありました。この季節、この気温の中、約2時間くらい観戦を続けた後に「社長の挨拶や話を期待している人ってどれだけいるの?」という疑問はずっと思っていました。
もちろんシーズン終了のご挨拶をすることは重要だと思っています。多くの方にサポートしてもらって成り立っているクラブですから。ただ、スタジアムでシーズンを戦い抜いて、あの時間、あの空間で多くの人が望んでいるのは監督や選手の声、彼らの笑顔、そしてスタンドとピッチの距離はあるものの少しでもコミュニケーションを取ることを期待しているんじゃないかという考えをずっと持っていました。

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2016年まで毎年続いていた開幕戦試合前の挨拶も2017年から控えています。これから試合だっていうタイミングで僕の話がどれだけ期待されているか?ほとんどというか、絶対ないと思っています。控えたことに気づいていた方がどれだけいたか…。

じゃあ、これまでのセレモニー挨拶はどうだったかというと
2016年 ホーム最終戦で昇格を決められず、J3残留という可能性もあり謝罪が必要だと思い挨拶させて頂きました。
2017年 ホーム最終戦で昇格を決められず、J3残留という可能性もあり謝罪が必要だと思い挨拶させて頂きました。
2018年 J2に昇格した初年度だったので、ご挨拶をさせてもらいました。この時もかなり迷いました。
2019年 ホーム最終戦で残留を決められず、降格圏内にいたことで万が一のことも想定し、謝罪する機会がこの時しかなかったので謝罪と最後まで諦めず一緒に戦って欲しいという思いでご挨拶しました。
2020年 この年は新型コロナウイルス感染症の影響で多くの方に今までと違った観戦環境へのご協力を頂き、また医療従事者の方へ感謝の気持ちを伝える場もなかなかなかったので、この場をお借りしてご挨拶させて頂きました。

毎年、毎年、考えて行動はしてきたつもりではあります。
ただ、いつも思うのですが、最終戦、最後まで戦った監督・選手、そしてファン、サポーターの皆さんの空間、時間に経営陣が入っていくことの違和感です。※もちろん経営陣も一緒に戦っています!

ましてや良い結果で賞賛されるような時だけ出ていくようなことはしたくないと常々思っています。もしリーグ戦で賞賛されるようなことがあれば、賞賛されるべきは僕ではなく、監督、選手、そしてファン、サポーターの皆さんです。
僕がああいった空間や時間でご挨拶する時は良い結果が得られずにクラブを代表して皆さんにお詫びをしなくてはいけないような時だと思っています。そういう状況でかつクラブが必要だと判断した時は逃げも隠れもせずにご挨拶させて頂きます。

あくまでもスタジアムでのあの空間、時間の主役は監督・選手、そしてファン・サポーターの皆さんであり、できる限りその雰囲気を壊したくない、少しでもその時間を多くした方が良いという栃木SCとしてのスタジアムづくりのひとつだと考えています。

「お礼を言わせて頂きたい」=「スタジアムにお越しの方達が望んでいる」という期待値の一致があれば良いのですが、期待値のズレが生じているのに気づかずにいることだけはしたくないと思っています。

じゃあ、一言だけでもという方もいらっしゃると思いますが、一言だけだったら、今度は「なんだあの挨拶」となることは経験上必ず出てくると確信しています。ですから、それだったら控えた方が良いと思ってのことでもあります。

パートナー企業、そして自治体の皆さんには感謝会やそれぞれ訪問して、僕やスタッフがご挨拶にまわらせて頂いております。先日も試合が終わってすぐに関係者の方に電話やメールでの御礼もさせて頂いています。
そしてどのような状況でもホームゲーム運営をして頂いているボランティアスタッフの皆さんにも毎年直接感謝の気持ちを伝えご挨拶させて頂いています。できる限り、お世話になっている方へのご挨拶はさせて頂いているつもりですが、まだまだ不十分でしたらこの場でお詫び致します。
「サポーターには挨拶しないのか!?感謝の気持ちはないのか!?」ということではないです。それはご説明した通り、今の栃木SCでは僕からのお礼の言葉や挨拶よりも限られた時間の中、監督・選手達とファン・サポーターの皆さんのセレモニーが優先されるべきだと考えているということです。

長々と書いてしまいましたが、改めて不快に思われた方がいらっしゃれば申し訳ありません。セレモニーのこと、今回ご挨拶を控えさせて頂いたこと、これらに対する考えを少しでもご理解頂けたら嬉しいです。
まだまだ力不足な点は多々ありますが、スタジアムを監督・選手、そしてファン・サポーターの皆さんが主役になれる場所にしていきたいと思っています。皆さんへの御礼はそういった形やサービスを創っていく努力をすることだと思っています。
今後も栃木SCを宜しくお願い致します!


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