Ⅱ.習近平新時代中国特色社会主義思想・学生読本・小学高年級 p.50

从小做起

小さい頃からやり始める

典拠:2014年5月30日、習近平が北京市海淀区民族小学校で行った講話。そのなかで、少年少女が「現代の中国的価値観=社会主義の中核となる価値観」を身につける方法として、「记住要求、心有榜样、从小做起、接受帮助」と言っている。
参考:习近平〈从小积极培育和践行社会主义核心价值观


本文:从小做起,就是要从自己做起、从身边做起、从小事做起,一点一滴积累,养成好思想、好品德。

意訳:「小さい頃からやり始める」とは、自分から進んで始めて、身の回りのことから始めて、小さなことから始めて、少しずつ少しずつ積み重ねていって、良い考え方や良い道徳心(品徳)を養わなければならないということです。


本文:
每个人的生活都是由一件件小事组成的,养小德才能成大德。少年儿童每天都可以想一想,对祖国热爱吗?对集体热爱吗?学习努力吗?对同学们关心吗?对老师尊敬吗?在家孝敬父母吗?在社会上遵守社会公德吗?对好人好事有敬佩感吗?坏人坏事有义愤感吗?这样多想一想,就会促使自己多做一做,日积月累,自己身上的好思想、好品德就会越来越多了。

意訳:一人一人の生活は全て小さな一つ一つの事柄によってできていますので、〔身の回りの〕小さな事柄に関する道徳心(小徳)を養ってこそ〔社会や国家といった〕大きな事柄に関する道徳心(大徳)を形成することができます。児童の皆さんにも毎日考えてみるぐらいできるでしょう、祖国を深く愛しているか、仲間(集体)を大切にしているか、努力することを学んだか、同級生を気にかけているか、先生を尊敬しているか、家庭内で父母を尊敬し親孝行しているか、社会のなかで公共のモラル(社会公徳)を守っているか、立派な人や立派な行いに敬意をはらっているか、悪い人や悪い行いに義憤を感じているか。〔日頃から〕このようによく考えていれば、自分でよくやってみようとするでしょうし、〔そうして〕月日を積み重ねれば、自身の良い考え方や良い道徳心(品徳)もますます増していくことでしょう。

①小徳・大徳:個人の日常生活に関するのが「小徳」、社会全体や天下国家に関わるのが「大徳」。 (例えば、善良な一市民としてひたすら清く正しく生きるのが「小徳」。指導者として清濁併せ呑み、その手を汚してでも、国家安寧・天下泰平を実現するのが「大徳」。)
参考:〇《论语·子张》「大德不踰闲,小德出入可也」。邢昺《疏》「大德之人,谓上贤也。所行皆不越法则也;小有德者,谓次贤之人,不能不踰法,有时踰法而出,旋能入守其法,不责其备,故曰可也」。〇《礼记·中庸》「小德川流,大德敦化」。郑玄《注》「小德川流,浸润萌芽,喻诸侯也;大德敦化,厚生万物,喻天子也」。朱熹《集注》「小德者,全体之分;大德者,万殊之本」。〇《宋书・礼志四》「自汉兴已来,小善小德,而图形立庙者多矣」。
②热爱(熱愛):深く愛すること。中国語の「爱」のニュアンスは、日本語の「愛する」よりも、英語の「Love」に近いように思う。夏目漱石が「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳した逸話を思い出すべきか。
③集体:グループ
④学习努力:よく見かけるのは「努力学习」(勉強を頑張る、頑張って勉強する)という表現だが、ここでは“努力”が副詞ではなく、“学习”の目的語(賓詞)になっていると見なして「努力すること(の大切さ)を学ぶ」と解釈しておく。あるいは「学び努力する」という並列かもしれない。待考。
⑤社会公德:公共のモラル。中国では古代より「孝」と「公」の対立矛盾が取り沙汰されてきた。例えば、古典的な命題として「父親の窃盗に気づいた時、子として匿すべきか(「孝」)、社会の構成員として通報すべきか(「公」)」という議論がある。


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