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トロフィー道#31 スキャン地獄の果てに…『Stellar Blade』

プレイステーションタイトルのプラチナトロフィーを取る過程やトロコンしたからこその感想、トロフィーハンターとしての奮闘をお届けする「トロフィー道」。第31回は『Stellar Blade』です。『FF7リバース』のトロコンを終えてから抜け殻状態だった僕を救ってくれたのがこの作品。実はノーマークだったのですが、2024年3月29日に配信された体験版をプレイし購入を決めました。トロフィー云々ではなく普通に遊んでみたいという気持ちからです。トロコンにおいては苦戦することはありませんでしたが、今回は皆さんにおすすめしたいというのと正直レビューも兼ねてだらだらと思ったこと書きつつトロコンまでの過程をお話ししていきます。例によって今回もネタバレ注意です!


『勝利の女神:NIKKE』を手がけたSHIFT UPの最新作!

本作はスマホアプリ『勝利の女神:NIKKE』で知られる韓国のゲーム開発会社SHIFT UPの最新作でPS5専用タイトルです。"背中で魅せるガンガールRPG"とうたっていたNIKKEのように、主人公であるイヴの後ろ姿が印象的なアクションRPG。そのビジュアル表現は体験版の配信時から話題となっていました。これについては最後の感想のところで色々言わせてください。

CEO兼本作ディレクターのキム・ヒョンテ氏が『NieR:Automata』の影響を受けていると公言している通り、『Stellar Blade』はかなりニーアっぽいです。立場上、〇〇っぽいという表現はあまり使いたくありませんが気軽に書けるnoteではあえて使います。女性キャラが剣を振り回す様子や追従するドローンはオートマタでいうところのポッド。舞台となる文明が滅び荒廃した世界など、『NieR:Automata』が好きなら確実に楽しめる要素がこれでもかというほど詰まっています。アクション性もオートマタ感があり、すんなり馴染めると思います。バトルはバランスを崩して致命傷をあたえたりジャストパリィやジャスト回避を用いたシステムで『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』のような印象。あとからわかったことですが、この『SEKIRO』もキム氏が影響を受けた作品とのこと。

影響を受けた作品やトレーラーをみる限りでは死にゲーのイメージを持たれる方が多そうですが、難易度は優しめ。僕はノーマルモードで遊びましたがボスは初見で撃破できるものが多かったですし、1体のボスでやられたのは多くても2、3回程度でした。最低難易度の「ストーリーモード」では敵の弱体化に加えてアクションアシストもしてくれるのでかなり楽です。とはいえあくまでも僕の感覚なので、アクションゲームに不安がある人やサクサク進めたい人はストーリーモードが無難でしょう。

トロコンに向けて

トロフィーについてですが、トロコンを目指すとしても難易度の指定はありません。ここは意外でしたね。収集物についてはコンプする必要があるものはくらいです。収集物ではありませんが、キャンプはすべての場所を解放する必要があります。時限については、ストーリー進行による後戻りできないポイントがいくつかあるので注意した方がいいです。細かい探索や現時点でできることを後回しにしなければそこまで気にしなくてもOK。
また、本作はマルチエンディングにも関わらず強制オートセーブ、そしてセーブスロットが1つしかないため、最低3周はしなければなりません。PS Plusに加入している人はクラウドストレージを活用すれば2周で済むのでその方法をおすすめします。

ストーリー分岐ですが「手を取らない」「手を取る」かの選択+とあるキャラのゲージで決まります。知りすぎても嫌な人もいると思うので敢えて雑に説明します。パターンは以下の通り。
1、「手を取らない」→ノーマルエンド
2、「手を取る」+ゲージ100%未満→バッドエンド
3、「手を取る」+ゲージ100%→トゥルーエンド

僕のトロコンまでの流れとしては、1周目は収集物などのトロフィーを全部取りつつ選択の前までいきセーブしてクラウドにアップロード。ノーマルエンドでクリアした後、クラウドからセーブデータをダウンロードしトゥルーエンドを迎える。2周目でバッドエンドを回収しトロコンという感じです。トゥルーエンドは最後にしたい気持ちがありましたが、収集物を集めたりすべてのクエストをこなしているうちにゲージが100%にになってしまうのと、トロコンよりもゲーム体験を優先したかったのでこのような流れとなりました。ここはプレイスタイルによると思うので好きなようにしましょう。

トロコンした過程で苦労したところと、初心者が苦戦しそうなポイント

缶が棚にコレクションされている様子。僕自身もエナドリの空き缶とかを飾っておくタイプの人間なので見ているだけで楽しい。

苦労したというか面倒だったのはすべての缶を収集する「缶コレクター」のトロフィー。缶はマップのいたるところに落ちているのですが、なんのヒントもないためすべてのマップをくまなく探さないといけません。タッチパッドを押すことでできる「スキャン」は範囲内の壁越しでも敵や人間、アイテムなどの位置を把握できる機能なのでこれを使用。ただ、効果は数秒なのでひたすらスキャンをしてマップをさまようことになります。苦労というか神経がすり減る感じがきつかったです。調べ尽くしたように見えても、もしかしたら見逃しているかもしれないし、もうここに来れないかもしれないからもう少し念入りに調べておこう、などと考え出したら全く進めなくなります。トロフィーハンターにしか理解してもらえない収集系あるあるですね。

現在は攻略がでているためこの問題は解消されていますが、自力でコンプしたい方は苦痛を味わってみてください(笑)缶に限らずスキャンを使用しなければいけない場面が多く、ゲーム中ずっとタッチパッドを連打しながら歩き回っているのはゲーム体験的にどうなの?とは思いますけど。

もう一つ、収集系でいうとHPを最大まで強化する「究極の肉体」とベータエネルギーを最大まで強化する「究極のベータエネルギー」というトロフィーも面倒でした。こちらも各地にある「コア」を回収していけば取得できるもので、基本的には缶などを探している過程で9割くらいは見つけられるはず。僕はあと1つがなかなか見つかられなかったので、最後になった場所を共有しておきます。

マップでいうと上記のあたり。ウェイポイントというファストトラベル先の近くの高台ですね。

このクモのような敵がクリーパー。

初心者が苦労しそうなところがあるとすれば、敵の攻撃を〇〇回ジャスト回避、ジャストパリィするトロフィーでしょう。ジャストパリィの方はそこまで意識せずともストーリー進行の過程(ボス戦など)で回数は稼げます。ですがジャスト回避の方は積極的に使っていかないと回数が足りない可能性があります。
簡単に終わらせる方法は、荒野のマップに出現する「クリーパー」を利用すること。モーションが読みやすいのであっという間に終わりますし、その過程で溜まるバーストエネルギーを使ってトドメを刺せばバーストスキルで50体の敵を倒すトロフィー「容赦なき破壊者」も取得できます。早めに終わらせて自由に戦いたいという人は序盤のうちにやっておくのもありです。

無料のDLC「ニューゲーム+」のトロフィーが2つありますが、2周目をニューゲーム+で開始して普通にプレイすれば簡単に取れます。ハードモードが追加になりますが難易度を問わないのは助かりました。僕はバッドエンド回収だけだったので、最低難易度でクリア。難易度によって敵から得られるSPなどは変化しないのも良いところでした。


評価

プラチナ取得時間 50〜60時間
難易度 ★★★
トロコン難易度 ★★★
ゲーム評価 ★★★★
オススメ度 ★★★★

トロコンまでにかかった時間は約48時間。僕は死にゲーを結構遊んでいますしアクションは得意な方なのでゆっくり遊んでもこのくらいの時間となりました。繰り返しになりますが本作は死にゲーではないのでアクションが苦手な人でもトロコンが狙えます。また、仮に3周することになったとしても周回にさほど時間はかからないので、どれだけ遅くても70時間はかからないはずです。

パクリとオマージュ、インスパイアの違いってなに?

バイオはバイオでもリベレーションズ感がある。

記事の冒頭で、この作品を手がけたキム・ヒョンテ氏は『NieR:Automata』『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』などの影響を受けたと言っており、作中でもそういったゲームを思わせる場面が多く見られます。他にも『スター・ウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダー』や『ベヨネッタ』などにも影響を受けているそう。確かに、メガネを装着した主人公のビジュアルはそれっぽいですし、コスチュームも似たようなものがありました。宇宙の場面はさながらスターウォーズでしたし、画像のような場面は『バイオハザード』を彷彿させます。こういう感じで〇〇っぽい場面が終始見られ既視感のオンパレード。いろんな要素が入っているにも関わらずぶっとんだものにはなっておらず、しっかりとまとまっていたのには感心しました。

ゲームに関する仕事をしていると、よく「○○のパクリ」という表現を目にします。本作も『NieR:Automata』感がかなり強いにもかかわらず歓迎ムードでキム氏はヨコオタロウ氏と対談までしています。この違いってなんなんですかね?悪意があるかどうかというのは明確な基準の1つであるとしても、他が曖昧で不確定要素が多すぎます。今回に関してはキャラのビジュアルなどオリジナリティというか飛び抜けて良い部分があったのと、きちんとローカライズされて日本向けに発売されたからなのかなと僕は考えます。『Stellar Blade』はユーザーの心を上手く掴んだといえますね。もちろんこれ以外の要素もあるでしょう。別に批判したいわけではなく、純粋に疑問に思っただけです。よろしければ皆さんの意見をお聞かせください。

CERO問題

レーティングについても話題になっていたので少し触れます。本作のCEROは「D」ですが、一部ではこれに疑問の声が上がっていましたね。僕はCEROについて深く知っているわけではないので、いちユーザーの考えとして聞いてください。エロについてはイヴのコスチュームにきわどいものがあるものの、性行為などダイレクトな表現はないので妥当っぽい気がします。

暴力表現についてはどうでしょうか。人体損壊はCERO「Z」にあたると明確になっていますが、本作で登場する人間と呼ばれるものは機械な訳で、そう考えると問題ないっぽい?『バイオハザード』などゾンビもので首が吹っ飛んだりしても"人間ではない"のでレーティング的にはCやDが多いということなのでしょう。元は人間やろがい!と言いたいところですが、そういう屁理屈で解決できてしまう感じもします。『Stellar Blade』については機械でありながら人型であり限りなくいわゆる僕たち人間のような見た目をしているのが問題なのではないでしょうか。
なんか裁判でいうところの判例に基づいてるような形で、今回は例がないから近しいもので考えたみたいな感じだと予想します。逆にこれがOKならこういうものもDになるよねみたいになって、これからギリギリの作品が多く作られていくかもしれません。そうなると改定されそうですけど。CとDよりDとZの差は売上に多く影響しそうなので作り手は大問題ですよね。『龍が如く』シリーズはそういうことも考慮して上手くCERO 「D」になるようにしているとラジオか何かのインタビューかで聞いたことがあります。
大変なことですが、表立って議論になることは決して悪いことではない気がするので、少しでも皆が幸せになれるように進んでくれることを願います。


良かったところ、悪かったところ

あまりレビューっぽいことはしたくありませんが、今後の期待を込めて良いところと悪いところ…というか改善してほしいところを挙げていきます。良ゲーには間違いないですし次回作があれば絶対買うというくらい好きな作品ですが、良いところは色々なところで誰かが発言しているはずなので僕はマイナス面を多めに言いますね。かなり主観強めなので共感できないところがあっても温かい目でみていただければ幸いです。

・コスチュームの豊富さ

コスチュームがムービーに反映されるのでこのようなスクショも撮れる。

グラフィックとコスチュームの多さは良いところ。セクシーなものから画像のようなネタ的なものまで数十種類以上あります。また、2周目からは色や柄違いのものが入手できるなど周回のモチベーションにもなりました。モチベーション関連でいうと、収集物のコンプ報酬で水着のコスチュームが手に入ったりちょっと面倒だなと思う作業でも報酬が良いのでやる気になります。ユーザーの心理をよく理解しているなと。

・ポニーテールが外せない(曲のタイトルみたい)

髪型や髪色が変更できるのはありがたいですが剣を収納する仕様上、ポニーテールを無くせなかったのが残念なところ。画像のようなボブスタイルにポニーテールはあまりに不自然ですし、美容室のあのキャラにもイカしてないと言われそうです。あと、これは完全な要望ですけど、眉毛の色も変えたかったです。髪色だけ変わるのでなんか垢抜けなくて。

・バトルが単調になりがち

バトルは初心者でも遊びやすいようになっていましたが、ちょっともっさり感があったように思います。僕は最終的に、軽快に動いて戦うというよりは棒立ちでジャストパリィやジャスト回避を駆使するような形に落ち着きました。攻撃に関しても多彩ではあるものの、通常攻撃は□連打が隙がなく効率が良いためこればかり使用。バーストスキルはバーストエネルギーが溜まりにくいのでエネルギーが溜まりやすいβスキルばかり使うようになりますし、4つあるβスキルの中で威力の高いトリプレットという技だけを使ってました。トリプレットはタイマンに強いのでボス戦はこれを連発していれば勝てます。ボス戦は必ず1対1だったので、分裂するとか複数体いて順番通りに倒さないと再生し続けるとかもっとバリエーションがあれば良かったですね。

・ファストトラベルが不便

ファストトラベルはキャンプや道中に設置されている電話機を使用することで可能。他の電話機の場所へ移動できるという一見すると普通のシステムですが、移動したいときはわざわざ最寄りの電話機を探さなければいけないですし、電話機のないキャンプや移動先には選べるがそこから他の場所には移動できないなど場所によって条件が異なるので不便でした。エリア間の移動もダイレクトにはおこなえず、いちど最寄りに移動して…という感じで1ステップ挟むのでストレスを感じました。クエストでお使いも多いので移動がもう少し簡単だと嬉しかったです。

・"尻"以外のいいところを宣伝できていない

見た目を変えられる系のゲームは趣味が露骨にでますよね。

これは中身というより作品そのものについての話なのでちょっと視点が違うかもしれませんが、エロさにフォーカスしすぎて他にもたくさんある良いところを周知できていないような気がしました。こういう売り方だと男性ユーザー向けっぽい印象を僕は受けました。ストーリーも良いしアクションゲームとしても完成度は高いし女性にも遊んでほしい作品なのにもったいない。

お気に入りのシーンはカラクリと戦う場面。和テイストのステージでのバトルは楽しかったです。BGMにも力が入っていて良曲ばかり(サントラ発売してほしい)。声優陣も豪華なのに発表もなく全クリしたメディアの情報から知ったくらいなので、もう少し声優を前に出してもいいような気がします。好きな声優さんが出てるから買うという層もいますし。

・その他細かい不満

・マップが使えない(表示されない)エリアがあったので場所を把握したりするのが大変。
・ミニマップや何もないところにマーカーを置けるなどオープンワールドではよくあるシステムが使えれば良かった。
・バトル中はコンテナ(いわゆる宝箱)が開けられないしキャンプで休憩もできない。休憩すると雑魚敵が復活する死にゲー的な要素もあったので、バトル中でも休憩できて敵の位置をリセットして逃げのびるテクニックが使えたら良かったかも。
・収集物は入手済みのところがマップに表示されるとか、各エリア○/○みたいに何個あって今何個持っているのかがわかったりもう少し親切でもいい気がする。
・周回時であっても一部のムービーしかスキップできず文字送りも中途半端で、何度も周回するのは無駄に時間がかかる。

以上がパッと思ったことでした。中には重箱の隅をつつく感じのものもあったかと思いますが、僕は色々なオープンワールドの作品を遊んできたからこそ細かいことが気になったのかもしれません。昨今の作品はユーザーフレンドリーなものが多いのも理由の1つでしょう。ですが、『Stellar Blade』にはそれを補って余りあるほどの良い部分があるのでプレイして損はないです。

頑張って撮ったスクショ見て!

最後に1つ、このゲーム、フォトモードが無いんです。おそらくエロ目的のフォト対策でしょう。CEROにも影響しそうですし。それでも綺麗な景色やおしゃれな写真、かっこいい写真を撮りたいので僕なりに頑張って撮影してみました。最後はスクショコレクションをみながらお別れしましょう。それではまた次回。
※ネタバレを含みますので注意してください。









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