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各駅停車で帰った | 週末エッセイ

電車は目的地に行くための交通手段である。
僕は効率的に目的地に着くように、いつも「急行」や「快速急行」を使う。

性格がせっかちなために「各駅停車」で目的地までいくことはほとんどない。「各駅停車」は「急行」に乗れる駅までのつなぎや、最寄駅に着くまでにしょうがなく乗るものだった。

先日思っていたよりも早く用事を済ますことができて、電車で家に帰ろうと思ったときに、「急行」のタイミングが合わず「各駅停車」で最寄り駅まで行くことにした。

その時に感じたことを書いていこうと思う。

物静かな駅と駅の周り

普段急行に乗っていると過ぎ去ってしまう駅に「各駅停車」は毎回止まる。
急いでいる日には、イライラしてしまうことがあるが、せかせかせずに止まる駅を見渡すことは気持ちをリフレッシュさせてくれる。

「各駅停車」しか止まらない駅はすごく栄えているわけではなく、大きなショッピングモールはない。
そのかわり、地元の人しか理解できそうにない看板が立っていたり、なんだこれと思うお店が電車から見える。

煮詰まって、同じ思考を繰り返し、せかせかしていた自分の頭を、新しいものへの興味にかえてくれるのだ。

「あのお店に行ってみたい」「あのお店はなんだ」と考えてスマホで調べようとすると次の駅に向かい電車が出てしまう。
次の駅に行くまでの道で気になるものを見つける。

それを繰り返すことができる「各駅停車」はたまに乗るのはいいかもしれないと思った。

時間がゆっくり過ぎる

急行で10分かかるところを、「各駅停車」はその倍以上かかることもある。

「やりたいな〜」と思っていても、仕事に追われたりする毎日ではできないこと。
休日になると忘れてしまうことが「各駅停車」に乗っている間は出来ること気づいた。

僕は読書をした。

急行では窮屈で読みにくく、降りる駅を逃さないように気を使っているため、なかなか読書には集中できない。

そんなことがない「各駅停車」では読書に没頭できた。

読みたかった記事、最近見れていなかったNews、息抜きのYouTubeをゆったりと楽しむことができた。

没頭し過ぎて降りる駅を逃しそうにもなるが、「各駅停車」は降りる駅を間違えても1つか2つのため、歩いて帰ることができる。

これもまた急行とは違うところだ。

歩いて1駅分帰ることは日常生活では全くない。
しかし歩いて帰ってみると、意外とリフレッシュになったりする。
そんな帰り道の散歩も「各駅停車」から生まれた素敵な日常だと思う。

寂しさと騒がしさが行ったり来たり

「各駅停車」は大きな駅で人をたくさん乗せて、小さな駅でどんどん降りていく。
そしてまた次の大きな駅で人が乗ってきて、どんどん降りていく
を繰り返す。

大きな駅に行くまでに向かいの席の人はほとんどいなくなり、隣も空いている状態になる。

しかし、大きな駅にくると急行から乗り換えてきた人が、ドッと「各駅停車」に流れてきて、人が増える。

次の大きな駅に向かうまでの3〜5駅の間に、また静けさが戻る。

人が減る寂しさと、人が増える騒がしさが行ったり来たりするのだ。

そんな不思議な光景を見て、いつも乗っている急行とは全く違う人の動きだな〜と感心した。

感想

「各駅停車」は日常に変化を与えてくれることがわかった。

電車は目的地に行くための交通手段である。

と最初に伝えたが、

「各駅停車」は違う世界に行くための手段である

ということもできる。(言い過ぎな気もするが)

仕事に煮詰まっている人
何か悩み事がある人
リフレッシュしたいと思っている人

はぜひ「各駅停車」に乗って最寄駅まで帰ってみるといいと思う。

普段とは違う何かを感じ取れるはずだ。

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