夢日記(タテカワタケオ)

昭和50年代ぐらいの町並み。粗末なアスファルトでようやく舗装された道。木造の商店が並ぶ。
外を歩いていると、おかっぱ頭でジャンパースカートを着た、まるでちびまる子ちゃんみたいな格好の少女が着いてきた。目がキッと吊り上がってて、すごく邪悪な顔をしているから関わりたくない。
少女が「タテカワタケオ」という名前を呼ぶと、空から小銭が落ちてくる。一円玉や十円玉の時もあれば、五百円玉の時もある。
私も半信半疑で真似してタテカワタケオ、と呼んでみると、小銭が落ちてきた。
これは儲かると思ったが、なんだか薄気味悪い。
少女は「このお金は自分の為に使ったら不幸になるんや。ほら、あの人も欲しかったプラモデルを買ったからああなった」と遠くを指差した。
数メートル離れた先に、くしゃくしゃの布が付いた俵が落ちていた。よく目を凝らすと、俵ではない。人間がとんでもない力で丸め固められたようになっている。布は服が破れたものだった。
びっくりして怖くなって小銭をそのままその場に捨てようとすると
「捨てたらあかんのにー捨てたらあかんのにー」とさらに邪悪な顔で笑う。
オロオロしながら早歩きしていると、平屋建ての一軒家が見えた。そこの縁側に老人が座っている。
私は訳を説明もせず、老人に両手一杯の小銭を渡した。見知らぬ人からいきなりお金をもらうなんてと困惑するが、無理矢理渡した。どうか必ず今日中に全部使って下さい、と念を押した。老人は、ならば飼っている猫の餌代にするよと言って家の奥へ引っ込んでいった。

邪悪な少女はまだ着いてくる。
「あのお金は業や。あのおじいさんは幸せになるけど、どの道タテカワさんを利用したあんたは不幸になる」と言われ、もうさすがに耐えられなくなって逃げた。

起きてすぐに書いた。馬鹿馬鹿しい三文小説のようだが、忘れないうちに。
タテカワタケオって誰や。そんな人知らん。

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