見出し画像

衝撃だった第2波。8月の月次速報〜岡崎市和食店魚信さんのコロナ禍経営奮闘記26〜

西田「一言で言えば、この夏は暑さだけじゃなく岡崎の飲食店経営にも厳しい夏でした。おしまい」。。。

こちらの続きです。



って、ちょっと待ってよ。そういう訳にもいかない?(誰が?笑)でしょうから、結果だけ言いますと、何度も2波だなんだ、と脅され、岡崎警察署がクラスターになる、という前代未聞のことが起こり、県独自の緊急事態宣言が24日まで続くという異常事態の中、7月の給付金景気も何処へやら、あらためて考えてみると、飲食業界の不安定さ、危うさを再び痛感したこの7月・8月でした。

さて、前年比グラフを見てみましょう。

画像1

前年比40%マイナス。数字は経営者の通信簿。責任感じてます。夏休みスタートの7月23日のころのコロナ騒動から始まって、警察署がクラスターで外出控える人が増えてきて、今年の帰省が禁止というか自粛になってお盆の集まりもお祭りもなくなった8月の自粛要請の影響は予想以上に大きかった。グラフの通り、4月に底をみたものの順調に、「新釜飯」の投入もお客さんには好調でして、8月にはV字回復で、と目指してたんですが、、、残念な思いです。

400食キャンセル、助けてください、という釜飯販売もありましたね。

そうなんですよ。あの時は、ほんと、7月の3連休直前にガタガタってきてね、おかげさまで、100名を超える皆さんにご支援頂けたことは大きな財産になっています。さらなるレベルアップをと、田口店長はじめスタッフはメニュー開発にも燃えてます。

部門別も見てみましょう。

今月はちょっと集計方法が変わりましたが、従前通り法人・宴会・法事と昨年まで当社を支えてくれていたエース、4番打者的存在にありましたが、もはやコロナ前のように戻る可能性無いのかな?

画像2

何度も考えたく無いことを考えて、考え過ぎ、とも言われますが、もう「無い」でしょう。少なくとも1年〜2年は無いとみてます。また、そこにしがみついとったらもう「魚信」無くなってた。それくらいの構造変革をしないといけない。今はそういう時と思ってます。

「フリー食事」って何ですか?

今まで予約メインでやってきてたんで、料理の予約無しでやってくるフリーのお客さんはこれまでご遠慮させてもらっていたんですが、さすがにそうも言っていられない。そして、この「フリー食事」のお客さんが、ありがたいことに新メニューの「釜飯」へと動いてくれまして、ありがたいことに広げてくださっている原動力になってます。

うおのぶ食堂さんもがんばってますね。

ねえ。。。本人エビのアレルギーなのに。本当にありがたいこと。ずっと前年比クリアしてくれてて、頑張ってもらってて、お客さんもご贔屓くださって可愛がってもらってます。これ最近の傾向らしいんですが、7時過ぎからご家族連れのお客様がお見えになってくださるようになってきてるんです。昔と違って、奥さんも仕事、子供も学校に、塾に、と家族がバラバラになるなかで、家族で来てくださる。そして、美味しい、と語ってくださる。最近はランチ需要だけで、夜はすっかり閑古鳥というお店も少なく無い、と聞く中、嬉しい限りです。
3月4月の休校時、給食がなくなった子供たちに、ワンコイン弁当を提供させてもらっていたことが今につながっているのかもしれません。

これまで売上や利益という数字は接待や宴会で作ってきたため、切り替わり、はなかなか時間がかかることとなるでしょうが、こうしてみますと、

画像3

伸ばす部分、伸びていく部分がよりはっきりと明確になってきたことで、経営の方向性も決まってきたんじゃないですか?

そうですね。伸ばす部分がハッキリしてきたことは確かです。売上面にはまだまだ反映してこない部分ですが、この8月は当社にとって、あとで振り返ると、ああ、あの時のおかげだ、という出来事が起こりましたから。豆腐職人の師匠、2人の寿司・和食の師匠と、3人の師匠が来られることになった、という画期的なことが起こったんです。「予期せぬ幸運」と書いてもらってますけど、本当にそう。まさか、ということが起こってるんです。正直、9月以降の魚信の魚料理は、「これ同じ店だっけ?」というくらいにアップグレードしてること間違いありません。料理比較すれば、前年比20000000%(どんなんじゃ?笑)ぐらい美味しさアップです(笑)。

中期的な希望が見えているのはわかるんですが、とは言え、どうしても営業マン的立場、マーケッターの立場でいうと、目先の売上も欲しいじゃないですか。西田さんは、どうバランスとっているんですか?

もちろん、自分も売上欲しいし、早く前年比をクリアして、単月黒字を達成したいわけです。そこは経営者としてこだわってきたことです。ですが、そればかり追い求めると、大切なことを見失うように思います。「7つの習慣」の第一象限、第二象限のお話ですよ。

画像4

(PR開始)西田さんも購読中。起業家、中小企業経営に役立つマガジン、こちらもご購読ください

(PRここまで)

あそこで書かれていることは、「緊急かつ重要」の第一象限ばかりを追い求めていくと、本来経営にとっては、「緊急でない、だけど重要」という第二象限のこと、例えば、人財育成、研究開発、長期戦略といったことこそ大切なのに、第一象限の売上、販促、クーポン券、資金繰りばかりになってしまっては、今のような危機対応も、危機から回復しよう、という肝心な時に、それができなくなってしまう、ということだと思うんですね。
これは後藤さんから聞いたことだったと思いますけど、仕事を、第一象限:第二象限の比率で、最初は、100:0、だったものを、99:1にすると、売上は一時的に下がるけど、気付くと、売上が101に伸びてる。また、98:2って割合を変えて仕事すると、直後の売上は下げるけれど、102に伸びる、という話です。

ネッツトヨタ南国の横田相談役のお話ですね。

月末近くなってくれば、どうしても目先の数字追いかけたくなります。でも、それで良いんだろうか?重要なこと忘れてないかって、、、逃げてるだけかもしれないけど。


何でしょうね。目先の売上を求めるあまり、到達したい目標を忘れちゃってはいけないですね。全体を見失うと言いますか。

そうそう。優勝が目標なのに、目先の予選リーグ戦突破に全力を尽くした結果、勝っていかなくちゃいけない決勝トーナメントの1回戦で負けちゃうみたいなもの。とかく経営は近視眼的になりがちですが、いかに永続的な商いをさせていただくか、もちろん、そのために日々の目標値も大切ではあるものの、囚われすぎて、本来大切にしなくてはならないこと、経営の目的、目指している世界観から離れるようなことやっちゃいけないなあと感じています。

数字で追い込んじゃうと、大きくやる気を損ないますものね。

そうなんですよ。売上は結果。全てをコントロールできるものじゃない。目標をそこにすると、達成感が得られず疲れちゃいますね。そうでなく「今日は、気持ち良い挨拶をしよう」みたいな目標なら、誰でも自分の態度1つでできた、できなかった、ってわかるので。そして、気持ち良い挨拶ができた日というのは、大抵、良いパフォーマンスになってくるから結果もついてくるよ、と、そういう考え方ですね。

なるほど。確かにそうですね。そうなると、今後の魚信さんが楽しみになってくるわけですが、

そう。もう楽しみしかないですよ。3人の師匠たちに日々教えていただくことを肥やしにしていくのは大変ですが、厨房全体のレベルアップ、料理技術は毎日コツコツやらない限り力は付きません。筋トレみたいなもんで、鍛え続ければ鋼に、怠ければナマクラに。なので、実力をつけるにはもってこいの時期。

バグジーの久保社長も「こんな時だからこそ実力をつけることが大事」と。これから先、お客様が行きたいのは、やはり「本業」がしっかりしている店だから、美味しい料理、良い接客。つい小手先の販促策などに走りがちですが、やはり大事なのは本質のところを磨き上げることだとお話しされてましたね。

ですね。大きなことを言えば、今は外食の意味が問われている時と思うんです。『そもそもなんで外食するんだ?』って根源的な問いに答えられるのか。今まで仕事を理由に、接待・宴会で使ってもらっていたわけですが、今や会社側が5時以降の外食、飲み屋街禁止、とかつてと方針が真逆となっているわけです。そして、そういうライフスタイルが半年も続いていて、誰もが家族と共に過ごす時間が増えました。家で家族とご飯を囲むのが当たり前になった時代に、「でも、今日は魚信で食べたいよね」「うおのぶ食堂で食べようよ」って思って頂けるには何が必要なんだ?ってあらためて探求する毎日です。

今回もありがとうございました.

続きはこちら


サポートもお願いします。取材費やテストマーケなどに活用させていただき、より良い内容にしていきます。ご協力感謝!