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失った法人&宴会の売上げを、どこでカバーするか?カバーできるのか?経営奮闘物語〜その3(5月23日)

この記事は、以下記事の続きとなります。


 さて、魚信さんが目指しているのは1年に1度訪問できるかできないかの高級料亭ではなく地元のお客さんが何度も気軽に旬の魚や野菜の美味しいを訪ねてくるちょっといいファミレス使いができる和食レストラン。

 季節の彩りが映えるよう腕を磨いた料理人が技に心を込めて、地元食材を中心に「身土不二」“地産地消”のお料理を。ちょっとハレな気分にさせてくれる場です。

過去受注カテゴリー別のポートフォリオを眺める。

引き続き売り上げ分析を進めています。

ざっくり俯瞰してみると、5つに分かれます。(1)法人(宴会含む)、(2)法事、(3)慶事、(4)仕出し、(5)食事(ランチ&夕食)。

 この中で、(1)法人、(2)法事の2部門を合わせて全体の3分の2。61%にも上ります。

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 この2部門は魚信の経営を支えるまさにエースと4番打者。コロナショックでは、まさにこの主力部門、1番痛いところに大きなダメージを被ったわけです。特に売上の3分の1を占める(1)法人&宴会需要が今年は全く期待できない、最低ゼロとなると覚悟したわけですが、ニュースを見ても製造業の今期業績予測は厳しい論調です。正直、例年並みに戻るのは難しいと感じています。

 もう1つの主力部門、(2)法事需要についても楽観視できません。岡崎市内には200を超える寺院があり、古くから信仰心厚い町です。早朝から神仏にお参りされる高齢者も少なくありません。高齢者には半ば強制に近い形で「ステイ・ホーム」が定着しましたから、「四十九日」「一周忌」「三回忌」という仏事とその後の飲食の機会が自粛解除後がどれだけ戻るか、というところです。いきなりゼロまで下がるとは思いませんが、今年はどれだけダウンを少ないところで止まってくれるか願うばかりです。

 (1)法人、(2)法事、の2トップが今年は期待できない、となると、これからどの需要に注力すべきでしょうか。

Amazonもデリバリーを早晩日本でも展開しそうですし、

このコロナ禍でもマクドナルド社、KFCが伸ばした分野の(6)テイクアウト、デリバリー、ドライブスルー分野を強化すべきでしょうか?

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あるいは、(7)オンライン通販という新分野に注力すべきでしょうか。

 あるいは、既存の3カテゴリー、前年8%の(3)慶事、11%の(4)仕出し、そして、19%の(5)食事(ランチ、夕食)のいずれかに注力すべきなのでしょうか。新商品開発もすべきでしょうか。まだ決断には至らず、様々な考えの中にあります。法人需要を凹ませたまま、違う形で存続できるような料理や形態に変えた方がいいのでは?という考えもあります。

かつて宴会中心で営業していたイタリアンレストランが1本3000円のガトーショコラのみに絞り、ネット通販も止めて、店頭渡し一本のみで年商3億円にされた


氏家シェフ率いるケンズカフェ東京さんのような、大幅な形態の変化、も可能性の1つです。

 「怒涛の如くがむしゃらに動き続けた3月、4月、5月前半の45日間があったことで、改めて思い出されたこと、気づけたことがありました」と西田さん。

「それは、地元岡崎38万人の市民の方々の「美味しかったよ」「ありがとう」という喜びの声が魚信にとって、心に染みました。本当にありがたかった」と西田さん。

 西田さんは、限られた経営資源をどの分野に注力するか、それは、地元、岡崎市民の方々にもっと喜んで頂けるために向けたいと言います。

試行錯誤は続きます。


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