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トラウマに触れてしまうことについて

トラウマに触れてしまうことについて

対話をしていると、どうしても話し手自身も言葉にできていなかったトラウマに触れてしまうことがある。

「非常に傷ついた辛い思いを語ってもらう場を促進するにはスキルがいる。
 だから、スタッフが家族療法のトレーニングを受けることになった。」

ミヤ・クルティ

精神病は、極度の/トラウマ的な経験(本人の経験によってかき立てられた(強い)感情(情動)を言語を介して処理することが不可能だったときの。)への能動的な心理的な反応だとみることができる。
人の生活に対するダイアロジカルな視点(物の見方)の基本は、他者~彼/彼女の見方とともに~を無条件に尊敬し、敬意を払うことを強調することである。
精神病的な行動を、病的なものと見なさず、心配の焦点である人の独自の、ユニークな生活の視点からみることが重要である。
ダイアロジカルな視点からは、精神病的な経験は、生活上の恐ろしい経験に対処するための、一つの方法なのだと見ることができる。

ヤーコ・セイックラ

このことについて白木孝二氏にうかがったことがあります。
白木氏は、対話の場面においてどうしても出てしまうことであるとして、その時に注意深くした方がいい。
・逃げるモードに入らないこと。
・出でしまったことに対して責任をとる。
・そのことを話してもらい、その時の気持ちを話してもらう。勇気をもって話してくれたことを受け止める。
・そして、次のセッションを早めにとること。

病院ではスタッフの対応、頓服、鎮静、隔離などの対応はできる。また臨床心理士であればEMDR、脱感作と呼ばれるリラクセーション(主に筋弛緩などを用いる)をほどこすこともある。

 場合によっては24時間以内にフラッシュバックが起こる怖れもある。だから、中途半端はかえってよくない。帰ってからどっと出る。身体反応が学習されるし予想される。

 それゆえに、受け止めること。話したことが重要とし、こちらとしては逃げませんという姿勢をとること。

 そして、それをチャンスとしてとらえる。セラピストも本人も一人で背負い込まないこと。

 どうトラウマと付き合っていくか。注意深くトラウマを使って起こっていくこと。不安を共有していく。安心できるサポートを用意していく。

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