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振り返りの対話ワーク

オープンダイアローグを実践するための連続講座~現場に活かす場づくりのヒント~
ナラティヴ・セラピーとオープンダイアローグにて、講師の国重浩一氏から提案されたワークをやってみました。

振り返りの対話ワーク
自分の話が相手から戻ってくるのを感じるワーク
自分の話にどんなことを感じ取れるか、相手から戻ってくるのがどんなことか感じとるワーク
自分の語りが相手の琴線に触れたことの体験を知る。
リフレクティング、オープンダイアローグ、人の話を聞いて何を知るか、ヒントになると思う。自分はこんなふうに感じた。思ったことを返す機会になるのかな。

1)聴き手が話し手に質問する

・今の取り組んでいる領域で働きたいと思った時のことを思い出してください。(仕事でなくても今していることでもいいです)この領域で働くという行動の背景にあった意図、希望、価値観、世界に望んでいたこと、あるいは、望んでいたコミュニティのあり方について、できる範囲でよいので教えてください。
-病院の仕事、それからグループホームのサービス管理責任者の仕事を退職して、今までやってきていた対話の学び、これをやり続けていくこと。それからまた、対話実践で何か仕事として働くことができないかということ。そんなことを考えている。
 リスニングファームのスタッフ、奈良ピアラーニング分科会などやっている部分はあるのですが、まだまだこの領域でやっていこう。そういう意欲に対してまだまだ強いものを持てていないという自分があるのかなと思っています。
 ただ、2016年5月13日~15日のトムとヤーコのオープンダイアローグワークショップであったダイアローグの体験、想いというのがいまだに残っていて、対話の力で大きな変化、奇跡が起こせないか?精神科領域にとどまらず、何かしらこの対話実践によって何か起こせないかという自分がいるのかなと思っています。

・そのとき、あなたの意図はいったい何でしたか?
―こうしようと考えていること。目指すこと。対話において、何かしら人の役に立てる。
 苦しいとき、悲しいとき、希望を見失った時、もちろん喜びの時もそうかもしれない。必ず人はどんな時にあっても対話を求めているのだと思う。死の床にあっても、絶望の底にあっても、物やお金が救うものもあるだろう。でも人は言葉を求めているんだろうな。
 そんな時に対話があれば、人がもう一歩進めるような。そんなことをやっていくという想いなのかなと思っています。

・そこからどんなことが生じると期待していましたか?
-対話の奇跡というか、エネルギーというか、変化というのはすごい大きなものがあるんですよね。そういったものが生じさせる力、そんなのを期待しているんだろうな。

・それはあなたが大事にしていることについて、何を語っているでしょうか?
-人間としての尊厳なのか、本質なのか?人が話すということは多分自然なことなんだと思っているんです。ただ、それは人と人とのコミュニケーションにおいて、うまくいかない。思いが通じない、壁ができてしまう。孤独になってしまう。誤解が生じてしまう。自分も相手も壊してしまう事もありうる。断絶なのかな。
 それを対話することで乗り越えていく、一緒に同じ方向を向くことができる。分かり合うことができる。分かり合えなくても相手を個人として認めることができるみたいな。そんなことを大事にしていく。
 はっと気づくみたいな。また膠着していた関係がゆるやか、おだやかになっていく、氷解していく、ほどけていけるようなこと。そこにファシリテーターとして関われること。その場を作りあげること。それってすごいことなんだろうな。
 それって、思いが通じること。つながりがもてるということなんだろうな。

・そのようなことは、あなたのどのような価値観から来ているのでしょうか?
-価値観。やっぱり人というのは一人で生きていくというのは難しいことなんだろうなと思います。必ず何かしらのつながりを求めていこうとする。  
 人と人とをつなげていくもの。コミュニティであり、社会のつながりであり、平和を何かもたらしていくもの。そんなものだと思います。

・どのような世界、またはコミュニティが生まれることを望んでいるのでしょうか?
-元首相の事件があったかなと思います。人が働く、生きていくにあたって、いまどんなに困難な課題を持っているかというそんな時に、何か見出そうと、人のために尽くそうと一生懸命になって働く。救いをもたらそうとしたものが、利益目的を追求するだけのものであったりするものがある。それはギャンブルの領域ではなくて、福祉でも医療でも介護でも起こってきている。
 個人の中において救いを求めたとしても、宗教団体、自己啓発においても、人をだます状況になっている。それが政治と結びついている。とても悲しい。そうでないコミュニティ。人間を大切にする。一生懸命やった人が報われる。そうでなくても命をもっている人達が平和に暮らしていける。戦争ではなく安心して暮らしていける。対話をもって実現できる社会なのかなと感じています。それも民主主義なんだろうな。

2)―1聴き手が話し手に質問する

・そのことを今語ってみて、それは、あなたにとって、どのような意味や意義があるものだと思うでしょうか?
-対話することの意義。対話することの意味。そして対話実践活動をしていくことの意味。たぶんそれって、意味とか意義というものを見つけ出そうとすると最終的には、「生きること」「生き続けていくこと」なんだろうなと思っている。
 生き続けていること。多分人は食べるために生きているんじゃないでしょうし、働くために生きているんじゃないだろうし、かと言ってそれは人のためなのか、自分のためなのか。生きるということは生きるために生きているんだろうと。。。。。

・そのことは、過去のどのような経験と結びついていると思いますか? それはどのようなことなのか、大丈夫な範囲で少し教えてもらえないでしょうか?
-過去の経験。自分が大切にしたいなと思っていたつながりが失われていったこと。命を失った家族も生きることを望んでいたのだろうなと。
 生活としては安定はしていたけれども、ただただ働く場に行って働く。本当にこれは相手の人、クライアント、家族の人たちのための働きでやっていたのかなと思うとそれだけじゃなかったかなと思っている。
 それってどんなものだったのか。やっぱり自分が生きていくためだったのかもしれないけれど、ただ仕事によって失っていったものがあったかなと思います。それが家族とのつながりであり、取り出しきれなかった、拾うことができなかった思いなのかなと。
 本当に大事なことは何なのかというのを仕事をすることで考えずにいることができたのかなと今は感じています。

・今の取り組んでいる領域で働きたいと思った時のこと、そして今語ってくれた過去の体験は、あなたが大切にしていることについて何を物語っているでしょうか?
-そこはつながりなのかな。そうだろうな。人は必ず何かとつながっているんだろうな。

・このようなことを語ってみて、あなたは、今後どのような場所に、あるいはどのような方向性に誘われている(導かれている)と感じますか? (場所は、行動、考え方、取り組み、人との関わりなど
-今はオンラインしかないのかなと思っています。新型コロナも第7波がとんでもない状況になっています。リアルの場に出て行ってつながりを求めていく。対話実践が自分の働き、仕事としてやっていく。医療、心理療法、カウンセリング、コンサルタント、コーチングそういったものと抵触してしまう部分もあるかも知れないけど、対話実践というのは別の方向なのかなと思っている。そんなところでつながっているものはあるのかなと期待しているものがあるのかなと。

(2)-2話し手が聴き手に尋ねる

・わたしの語りは、あなたの心の琴線(きんせん)にどのように触れたのでしょうか? (注:「琴線」とは、「感じやすい心情。心の奥に秘められた、感動し共鳴する心情」のこと)
-対話実践。このことについて追求していこう、学んでいこうという。それで人のために、自分のためにやっていくこと。それが生きることとつながっている。それってすごいことだなと思っている。
 それをどんなふうに提供していくのか、発信していくのか、またあなたにとってそれがどんなエネルギーになっているのか。具体的にやっていくことを考えているのか、もっと聞いてみたい自分がいます。
 もっている熱みたいな、炎みたいな。大切なものを持ち続けているんだろうな。

・質問をしてみて、このような話を聞くことができたのは、あなたの今後の臨床活動、または人との特別な場面での関わりにおいて、あなたをどのような場所に誘ってくれていると思いますか?
-対話に希望をもっている人、対話を学んでいる者同志、一人じゃないんだろうな。OD基礎トレーニングコース、ADファシリテータークラス、オンライン活動、ピアとの活動をしていく。そういったことをやっている人がいる。そういった人がいるんだな。そういうひとをつながりが持てていることっていうのは。具体的な場はわからないけれども、そういった場を作り出そうとしている人がある。勇気をもって参加していくことなんだろうなと思う。

3)聴き手が話し手に質問する

・あなたの語りが、わたしの心の琴線に触れたことを聞いて、あなたにどのような影響があったのでしょうか?
-話してみて良かったなぁという気持ちがあります。自分がしていることが否定されずに聞かれているということ。この場。そのことに共感をもってもらえるということ。それは大きいのかなと思っている。
 具体的なもの、具体的な場というのはまだ見いだせない。やっぱりそこに勇気がいるんだということ。具体的なことはどんなふうにやっていったらいいか。考えて行く場。求められているんだろうな。そんなことを持ち続けていくこと。

・このように、一連の質問に答える形であなた自身のことを語ることは、あなたにとってどのようなことだったのでしょうか?
-この場をもって良かったなと思っている。何かしら自分のことを語るというのは難しいものがあったり、恥ずかしかったりするものがあったりして。でもやっぱり言葉にしてみないとわからないものが起こってくるのかなと思っている。
 こういう時間というのをたびたび行うこと。自分が抱いている想いを言葉にして確認する場なのかなと思っている。自分がやっていることに気後れしているとか、前に進めない部分がある。でもそのことはまったく無意味ではなく、何かしら意味がある。そこに至るまでの時間が必要である。考える時間も必要だと思う。
 炎というのを持ち続ける。次に何か一歩見出せる。次に対話というのは無意味なものじゃないと、そう思いながら歩いて行きないなと感じています。ありがとうございました。

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