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伝えたかったことはなんだろう?|今井亨さん(「失敗作ミュージアム」インタビュー)

デジタルハリウッド大学×面白法人カヤックpresents「失敗作ミュージアム」との連動企画!ミュージアムに展示された「失敗作」にまつわる在学生・卒業生のインタビューを連載でお届けしています。


第3弾は在学生が登場!デジタルハリウッド大学2年、インタラクティブアート創作で活躍されている今井亨さんです。今井さんの学生生活についてはDHU公式Web「在学生紹介」もご覧ください。

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今井亨(いまい きょう)
2000年、東京都生まれ。デジタルハリウッド大学2年生。高校1年生のとき、好きだったPerfumeのライブに当選。会場で目の当たりにしたカッコいい演出に心打たれ、以後インタラクティブアートの道を進む。Interactiveを軸とした作品作りを行うクリエイティブチーム「INTERA」に所属。プログラミングを用いて、映像、センサー、照明、音などを制御し数々の作品を制作。

「伝えたかったことはなんだろう?」。初めての創作物に突っ込まれた一言。


——過去の失敗作である「cubes」、素人目線から見ると充分すごい作品に見えるのですが、どこに失敗ポイントがあるのでしょうか?

Life Is Tech!のプログラミングキャンプで制作した作品です。ぼくも当初はめっちゃイケてると思いました(笑)。

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▲Life Is Tech!のプログラミングキャンプで制作した作品「cubes」

このキャンプで、プロデューサーやアドバイザーとして活躍されているイセオサムさんがゲスト講師として登壇していました。その場で連絡先を交換させていただいたので、cubesの完成後にメールで作品を見てもらったんです。

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▲イセオサムさんに送った当時のメール

その後お返事をいただいたのですが、イセさんから言われたのが「メディアアートとしての作品だと思うけど、伝えたかったことはなんだろう?」でした。めっちゃイケてる!という勢いでメールをしたはいいものの、作品の意味や意図なんて何も考えておらず、結局返信を2日も空けてしまいました。

なんとか考え抜いてメールを出し、最後にいただいたのがこの言葉でした。

まず、直感的に美しい!とかおもしろい!とかは大事なのだけどね。そこに思想が乗っかっているとよいなあと。

この経験を通じて、ステートメント(伝えたいこと)を作品に含めることは大切なんだなあ、と痛感しました。


——その失敗をバネに作品を制作されているんですね。

現在作として展示した「existence」は、日本語に訳すと「存在・実在」。コロナ禍になり、世界と切り離されることで誰しもが自分の「存在・実在」に疑問を持ったと思います。そこで自分の「存在・実在」を実感し、認めてもらうために葛藤する姿をテクノロジー、ダンス、映像、照明、音楽で表現しました。

▲INTERAで制作した作品「existence」(2020年)

制作はすべてプログラミングで完結させました。3D空間を移動するカメラワークは、カメラをリアルタイムで3台連携することで実現しています。透過型スクリーンのトラッキングも行っていて、スクリーンには映像が出るようになっています。

透明型スクリーン

▲透明型スクリーンに投影された3DCGモデル


——では最後に、当ミュージアムをご覧いただいた高校生・受験生のみなさんにメッセージをお願いします!

ぼくも大きな作品を創るまでに多くの制作、実験をして、いろんなものを体験し見てきました。もちろんそれ以上に失敗して、それを修正してまた失敗して、を繰り返しました。

初めのうちは好きな作品や気になった作品の真似をしてみてください。それで実力をつけて、自分の作品に昇華していく。自分なりのアプローチで派生させていくといいと思います。

そして何より、一緒に制作したい!と思える仲間を見つけてください。企画が面白ければ自ずと仲間が集まりますし、力を貸してくれる人もたくさん出てきます。人との繋がりを大切にして、自分が信じているもの、好きなことに対して真っ直ぐ突き進んでください。

——今井さん、ありがとうございました!



デジタルハリウッド大学では、3DCG映像制作やリアルタイムグラフィックス開発など、デジタル分野の専門スキルを幅広く学ぶことができます。詳しく知りたい!という方は公式Webサイトをぜひご覧ください。

▼デジタルハリウッド大学
https://www.dhw.ac.jp/feature/lecture

▼デジタルハリウッド校友会(卒業生インタビュー)
https://dhaa.jp/interview

▼失敗作ミュージアム
https://www.dhw.ac.jp/p/shippai


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