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2023年11月9日、日本株式市況


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9日の東京株式市場で日経平均株価は3日ぶりに反発し、大引けは前日比479円98銭(1.49%)高の3万2646円46銭だった。前日の米ハイテク株高や外国為替市場で一時1ドル=151円まで進んだ円安・ドル高を受けた買いが先行した。その後も海外短期筋とみられる株価指数先物への断続的な買いで一方的な上昇が続き、午後は上げ幅を500円超まで拡大する場面があった。

前日の米株式市場では、長期金利の低下を受けてハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が小幅ながら9日続伸。東京市場でも主力の半導体関連などグロース(成長)株の一角に買いが入った。

あすに株価指数オプションとミニ日経平均先物11月物の特別清算指数(SQ)の算出を控える。午後の一段高について、市場では「投機筋による、オプションの権利行使価格などを意識した思惑的な買い」との見方が多かった。国内の機関投資家による現物株の買い意欲が強かったとの声もあった。

東証プライムの売買代金は概算で4兆443億円。売買高は16億7837万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1285と、全体の8割弱を占めた。値下がりは332、変わらずは42銘柄だった。


9日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは前日を0.015%下回る0.835%に低下(価格は上昇)した。一時は0.83%と10月20日以来の低さとなった。米長期金利の低下で国内債にも買いが及んだ。財務省による9日の30年債入札が堅調な結果だったのも国内債相場を支えた。

30年債入札は、最低落札価格が100円95銭と市場予想を上回った。応札額を落札額で割った応札倍率は3.60倍と2022年1月以来の高さだった。落札結果発表後に30年債には買いが増え、前日比0.055%低い1.710%と10月16日以来の水準に低下した。20年債にも買いが入り、0.040%低い1.535%と10月16日以来の水準まで低下した。

先物中心限月である12月物の終値は前日比9銭高の144円76銭と続伸した。

日銀の植田和男総裁は9日、参院財政金融委員会で2%の物価目標の実現について「十分な確度を持って見通せる状況になるまで現在の金融緩和を続ける」などと発言したものの、債券相場の反応は限られた。


<9075> 福山運 3590 -430
急落。前日に上半期決算を発表、営業利益は62.4億円で前年同期比46.6%減となり、通期予想は従来の193億円から115億円に下方修正した。貨物輸送量の回復が想定以上に遅れていることが背景で、2024年問題に対応したコスト増加も想定通りとなっているようだ。年間配当金は従来計画の70円から75円に引き上げたが、足元で高値更新と株価が高値圏にあったことで、大幅下方修正にネガティブな反応が先行。

<6753> シャープ 893.1 -105.7
急落。前日に第2四半期決算を発表、7-9月期営業利益は12億円となり、前年同期51億円の赤字から黒字転換。黒字転換は5四半期ぶりとなっている。ただ、60億円程度のコンセンサス水準は下振れる形になっている。PCや複写機の収益改善や通信事業での構造改革効果などは増益要因となったが、需要減少によるエレクトロニックデバイスの低迷などが響いている。収益回復ペースの鈍さをネガティブ視する動きが先行へ。

<5803> フジクラ 1036.5 -118
急落。前日に上半期の決算を発表、営業利益は308億円で前年同期比12.7%減となり、従来計画の240億円を上回る着地になっている。一方、通期予想は従来の600億円から540億円、前期比23.0%減に下方修正。コンセンサスの570億円レベルも割り込む状況に。円安効果はプラスに働くものの、電子部品の落ち込みが想定以上となっているもよう。BT向け光ケーブルなども減速傾向にあるようだ。

<7280> ミツバ 797 +100
ストップ高。前日に上半期の決算を発表、営業利益は69.8億円となり従来計画の60億円を上回る着地、第1四半期の17.2億円に対して7-9月期は52.6億円と収益水準は大きく拡大している。日本や米国エリアでの四輪事業の回復、アジアエリアにおける二輪事業の好調推移継続などが背景。据え置きの通期計画150億円、前期比2.2倍の達成確度なども一気に高まる形となっている。

<3179> シュッピン 1269 +189
大幅続伸。前日に上半期の決算を発表、営業利益は16.3億円で前年同期比0.1%減となり、従来計画の15.1億円を上振れる着地になっている。カメラは前年同期比2ケタ成長で時計も前年同期比で増収に転じている。ECと免税の成長が牽引役となっているようだ。また、同時に発表した10月の月次動向では、売上高が前年同月比25.0%増と急拡大、昨年4月以来の2割成長となっていることも買いインパクトに。

<7944> ローランド 4890 +700
ストップ高。前日に第3四半期決算を発表、累計営業利益は77.4億円で前年同期比23.1%増となっている。上半期時点では同9.0%減となっていたため、7-9月期の大幅な収益改善をポジティブ視する動きになっているようだ。通期予想124億円、前期比15.3%増は据え置いている。為替効果もあって北米での増収率が高まっているほか、価格適正効果なども一段と反映されてきているものとみられる。

<6952> カシオ計 1296 +84.5
大幅反発。前日に上半期決算を発表、営業利益は81.8億円で前年同期比18.9%減となり、従来予想の60億円を上回る着地となった。つれて、通期予想は従来の160億円から180億円に上方修正。ほぼ市場コンセンサス水準まで引き上げた。時計事業や教育事業が想定よりも堅調に推移している。楽器事業などの厳しい状況も想定されていただけに、買い安心感が先行する流れとなった。

<4452> 花王 5638 +266
大幅反発。前日に第3四半期決算を発表、コア営業利益は363億円で前年同期比56.2%増となり、上半期実績の同35.8%減から大幅増益に転換、320億円程度の市場予想も上回る。通期予想は1200億円を据え置きも、第3四半期時点では50億円ほど計画を上回る。通期コンセンサスは1000億円満たない水準でもありポジティブ反応が先行。前日はユニ・チャームやライオンの株価下落で連想感も先行していた。

<6098> リクルートHD 4730 -250
大幅反落。前日に第2四半期決算を発表、7-9月期調整後EBITDAは1623億円となり、会社計画1430-1660億円の上限に近い水準で着地。10-12月期計画は1300-1450億円のレンジで、コンセンサスはほぼレンジ中央水準。決算サプライズは大きくないものの、直近で株価はリバウンドしており、戻り売り圧力へとつながった。HRテクノロジーの売上減、マージン低下見通しなどはマイナス視とみられる。

<6315> TOWA 6010 +890
急騰。前日に第2四半期決算を発表、7-9月期営業利益は14.7億円で前年同期比51%減益となったが、粗利益率の改善などで従来計画は上振れる着地となった。また、受注高は151億円で、前四半期比28.7%増となった。車載用半導体増産向け投資や生成AI向けHBM増産に向けた投資などが増加してきているもよう。通期業績計画は据え置いているものの、生成AI向けの成長期待などが先行する展開に。


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